起源

IMG_1640.jpg 1995年に出版された「SEA KAYAKING」という本を買った。(初版は1976年)
英書で19.95ドル。
これは、シーカヤックのHOWTO本なんだけど、挿絵がわかりやすく、そして楽しい。

その本の巻末に、いろんなカヤックメーカーや関連商品の広告が載っている。
その中にフェザークラフト社のものがあった。

"AROUND THE WORLD WITH FEATHERCRAFT" ... フェザークラフトらしいキャッチが踊るレトロなデザインの広告。
ラインアップのモデルは4つだ。
 ・K1 SINGLE
 ・K2 DOUBLE
 ・SHORT TOURING
 ・K-LIGHT

広告の写真は、K1だと思うけど、"SHORT TOURING" ってのは、どんなモデルだったんだろ?


本題は、この本の最後のコンテンツである、「Arctic origins of the Sea Kayak」。
そう、"シーカヤックの起源" というタイトルの内容で、沢山の写真や解説が載っている。

IMG_1644.jpg ラブラドル・エスキモーのカヤック。
ラブラドル -Labrador- というのは、北大西洋のラブラドル海に面した地域。
Labrador - wikipedia

ここでは、北極圏に住むエスキモーの例にもれず、アザラシなどの海獣を獲って暮らしていた。
ちなみに、エスキモーとイヌイットは同じで、場所によって呼び方が違うらしい。

それにしても、パドルが細くてめちゃくちゃ長い。
なんでこんなに長いんだろ?
この方が、静かに獲物に近づけたんだろうか?

IMG_1661.jpg これは、ヌニバク島のカヤック。
ヌニバク -Nunivak- というのは、アラスカの西海岸でベーリング海にある島。
Nunivak Island - wikipedia

特長的なバウから続くデッキが異様に高く、コックピットのコーミングが胸の高さにある。
こんなに高くて、ちゃんと漕げたんだろうか?
それと、パドルはシングルブレードで、スペアパドルも積んでいる。

シングル艇に無理矢理2人で乗っているのが生活感があってとてもいい。
それにしてもこの2人…丹前を着た日本人に見えるのは自分だけだろうか。

IMG_1657.jpg IMG_1647.jpg 二つのイラストは、海獣と戦うエスキモーの狩人。
だいぶデフォルメ&誇張されていると思うけど、実際にはこんな大物だけでなくクジラなども獲っていた。
上のイラストをよく見ると、パドルはフェザーアングルがついている。

長い角を持っているのは、"Sea Unicorn"。
正式な名前は "Narwhal" と言って、日本名では "イッカク"。
こんなのに頭突きされたら、スキンカヤックなんてひとたまりも無いね。
Narwhal - wikipedia

IMG_1646.jpg イースト・グリーンランドの狩人達。
East Greenland Angmagssalik - wikipedia

細くて長いグリーンランドスタイルのカヤックに短いグリーンランドパドルを持っている。
デッキがフラットなのは、獲物を乗せる為なのかな?
ヘンテコな帽子を被っている人がいるけど、カヤックもパドリング・ジャケットの上にスプレースカートを着けているウエアリングも現在のものとあまり変わらない。
このパドリング・ジャケットは、アザラシの皮で作られていていてこんな感じ。

seal_skin_coat.jpg 現在のアノラック・ジャケットと同じくらい機能的に作られているし、装飾が施されていてカッコイイ!
今売られているジャケットも、これくらい遊び心があってもいいのにね。

east_greenland.jpg こんな海に出ていた。
う〜〜寒そう。
今年の冬は寒いねえ…なんて言ってられないでしょって感じ。

IMG_1658.jpg 最後の写真は、キング・アイランドでバイダルカを漕ぐオジサン。
キャプションには "King Island" としかないので、場所が特定できないけど、アラスカだとしたらココ。
King Island - wikipedia

フロントデッキに銛やら何やら狩の道具が括りつけられている。
パドルはシングルブレード。
よくわからないけど、シングルブレードのパドルで荒れた海を行っても大丈夫だったんだろうか…。
狩りをする時は、両手を離すだろうから、よっぽど一次安定性がいいカヤックだったのかな。

オジサンのかっこが "普通" なので、実際に狩りに出た時の写真ではないと思う。
アリューシャンの狩人達は、スプレースカートと一体になったアノラックタイプのジャケットをしっかり着けていた。


カヤックの起源は "北"。
先人達は、様々な工夫を凝らしたカヤックを作り、凍てつく海に勇猛果敢に漕ぎ出して行った。
自分もどちらかというと北方の生まれ。
少しは、その血が流れているといいんだけど…。