役者の力 -八重の桜-

P5110120.jpg 八重の桜 第22回「弟のかたき」は良かった。

八重の兄、覚馬(西島秀俊)と弟、三郎(工藤阿須加)が戦地で消息を断ち、江戸で二人の行方を調べていた尚之助(長谷川博己)が会津に帰ってきた。
尚之助からの報告を聞く山本家の人達の心の動きが伝わり、自分自身もその場にいるような錯覚を起こした。
毅然と振る舞う父親、呆然とした様子で話しが耳に入っていない母親、怒りにうち震える八重、心が何処かへ行ってしまったような覚馬の妻うら(長谷川京子)、そして心配そうに見守る使用人…。

どの役者さんも素晴らしい。

八重の桜は、丁寧なストーリーもさることながら、登場人物のキャラクターがとてもよく表現できている。
たぶん役者さんそれぞれが、自分の役のイメージをしっかり持ち演じているんだろうと思う。


ドラマは、前半の「平和と希望」から、「苦悩」を経て、いよいよ「絶望と悲劇」に移ってきた。
その中でも、一貫して流れているのは会津人の家族愛と郷土愛、そして義の心だ。

誰もが平和を望んでも、力のあるたった1%の人間が戦いを望むと、歴史は悲劇に舵をきってしまう。
これは過去に限った話しではなく、現代にも言える事のような気がする。