会津へ 飲兵衛旅2日目〜檜枝岐〜

2日目。
二日酔いなし!
昨日は飲兵衛に変身したにも関わらず、目覚めは快調。

ホテルで390円の美味い朝飯を食い部屋を出た。
今日は8時56分の電車に乗り、まっすぐ檜枝岐に向かう。のんびりと歩きながら七日町駅に向かった。

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"ならぬことは ならぬものです"…八重の桜の第一話のタイトルになった会津人の心得の最後につく言葉。
この看板は「あいづっこ宣言」なので、江戸時代に藩士の子供達が入学を義務付けられた日新館の什の掟(じゅうのおきて)とはちょっと違う。

什の掟
一、年長者の言ふことに背いてはなりませぬ
二、年長者には御辞儀をしなければなりませぬ
三、虚言を言ふ事はなりませぬ
四、卑怯な振舞をしてはなりませぬ
五、弱い者をいぢめてはなりませぬ
六、戸外で物を食べてはなりませぬ
七、戸外で婦人と言葉を交えてはなりませぬ
ならぬことはならぬものです

現代の子供達にもこの様な教育(教え)が行なわれればイジメなんか無くなる様な気がする。

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七日町通りには古い町並みが残っていて最近の新しい町にはない"温かみ"がある。
そして町をあげて「八重の桜」を応援している。
自分は綾瀬はるかのファンではないけど、このポスターは大好き。

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阿弥陀寺(あみだじ)。
会津戦争で亡くなった藩士の半数1300人が埋葬されている。
ただ、埋葬されたのは戦後数ヶ月経った後。なぜ新政府軍はその間遺体を放置したんだろう?
もし立場が逆であれば、会津の人達は丁重に死者を葬ったはずだ。

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七日町駅に着いた。
1週間前に見た天気予報では5月12日は曇り時々雨だったけど、この青空。
空気もシャキッと澄んでいて気持ちがいい。

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駅舎に置いてあった「会津だより」という冊子を手に取ってみた。
この蓑は雪の固くなった冬の終わりに雪の中に埋め、雪が溶けた頃には柔軟さを取り戻し、100年使えたらしい。
物を大切にする会津人らしい工夫。

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今日の列車は対面式シートだった。
でもテーブルが付いていないのでイマイチ。
外を流れる景色は限りなくのどかで正しい日本の田舎風景が広がっていて楽しい。
さっそく冷えたビールを開けて、飲兵衛旅に戻ることにする。

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会津田島駅で乗り換え。
待ち時間は22分。

会津高原尾瀬口駅には10時44分に到着。
駅舎内にある売店でバス賃を小袋に入れてもらい、忘れないうちに家へのお土産を買っておいた。

10時55分発のバスで檜枝岐に向かう。
誰も相手にしないのに、ず〜っと大きな声で自分の事を話し続けているオヤジが居て大迷惑。
せっかくのバス旅が台無しになってしまい、ちょっと気分を害したけど、村に着いたらさっぱりと気分が復活した。

宿の部屋にザックを置き、散策用の携帯リュックを持って外に出た。
歌舞伎は18時開場、夕飯は16時半頃なので、久しぶりの村を散歩し、少しだけ山歩きをする。

イチリンソウ

歩き始めるとすぐに「福寿草群生地」の看板が目に入った。
時期は4月下旬から5月上旬までって書いてあるので、もう花は見れないかもしれないけど、とりあえず山の中に入ってみる。

やっぱり咲いていない。
だけど、代わりに可愛い「イチリンソウ」が咲いていた。

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歌舞伎の舞台は、まだ準備が始まっていないが、客席側の照明は設置が終わっていた。

ちなみに、照明は歌舞伎が始まる前の来賓挨拶で使われる程度で、歌舞伎が始まれば消灯され幽玄な雰囲気の舞台になる。

舞台の脇にある老桜は、残念ながら観ごろを終えていた。

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101ある石段を登ったところにある愛宕神社。
280年の歴史があるこの神社は、火難、水難、風難を鎮めてくれる村の鎮守様として尊ばれている。
そして、今日5月12日に例祭日として歌舞伎が奉納される。
歌舞伎を観に来る人は多いけど、ここに来る人は少ない…かな。

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村を通り抜け、会津駒ヶ岳の登山口に向かう道へ入った。

分かれ道から15分ほど舗装された道を行き、そこから山道を25分ほど歩いた所にある「竜ノ門の滝」といういい感じの名前がついた滝を見に行ってみる。

ところが山道に入る少し手前に赤色のロープが張られていた。
"この先通行止め" って意味?
くぐり抜けて先に進む。

そして山道に変わって少し行った先で途方に暮れた。

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道が無い…。
あ〜〜さっきのロープは、"行っても無駄だよん" と言う意味だった。
すごすごと退散。

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でも、春の息吹が感じられる爽やかな山中に入ることができて良かった。

いったん宿に戻り、村営の温泉でさっぱりしてから早めの夕食をいただいた。
料理に使われる野菜は全て民宿の畑で育てている。
ただ2年前の原発事故以降、全て放射性物質の検査をしているらしい。
ん〜〜…自分は、原発事故は震災ではなく人災だと思っている。電力会社は原発の後始末が終わるまで被害を出した地域へ何らかの補償をする責任があると思うんだけど…どうなんだろ?
控え目で心優しい福島の人達の上であぐらをかく様なことがあってはならない。

山人料理(やもうどりょうり)については過去の記事をどおぞ。
檜枝岐山人料理

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カップ酒を仕入れて、会津飲兵衛旅の最後を飾る檜枝岐歌舞伎の舞台に向う。
初めて来た頃は、舞台の前に敷いてあるゴザの上に陣取ったけど、長い時間座っていると疲れるので、最近では石段の方に座っている。
もし、舞台の真ん前で観たい!っていうことなら是非とも携帯用の座椅子を持って行くといい。

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今宵の演目は「鎌倉三代記 三浦別れの段」。
その前に舞台を清める儀式が行われる。
大好きな寿式三番叟が始まった。