冬の入口 〜三戸浜周辺〜

11月16日、風が残る土曜日の朝。
三戸浜にやって来た。
週末としては珍しく、天気は快晴、そして暖かい!

PB160001.jpg駐車場では、船外機付きのボートの脇で釣り道具の準備を進める二人組みがいた。
「どの辺りまで行くんですか?」
「三戸沖に出て、午後風がなくなったら城ヶ島沖でムツを狙います。」
「これって燃費はどれくらいなんですか?」
「リッター3キロくらいですね。40キロくらいは動けるので城ヶ島まで行ったりしても油は1/3くらいあまるかな。それで1日遊べるんだから安い遊びですよ。」

今日の相棒もワンチャン。
漕ぎ魂に目覚めた最近は、週末が近づく度に海快晴と睨めっこし「今週末は漕ぎに行くんですかあ〜」と連絡が入る。
目覚めちゃった人 〜葉山周辺〜

来る途中で買ったコンビニのドリップコーヒーを飲みながら、海を眺める。
陸の上での体感風速は6メートルくらいだろうか。

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草地でカヤックを組立て、久しぶりにパタゴニアのナイトロ II ジャケットを羽織って浜に降りた。
海上は北東風で少しワサワサしてるけど、波が高くないので大丈夫。
南に向かうことにした。
「城ヶ島は行く?」
「行かない」

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8日前に届いた改良版シーソックを初使用。
海を越えてやってきた感動

今まで使っていた不良品の物とは触り心地がぜんぜん違うし、見た目も "水なんて一滴も通しませんぜ" 的にピカピカと光ってる。
さてさて、これで浸水が無くなるかどうか…お楽しみ。

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時間があるので、小網代に行ってみることにした。
湾内には、庶民にとっては高値の花というか、夢にもすらも出て来ないほどの羨ましい別荘がポツリポツリと建っている。
中にはスロープ付きの家もあり、その奥には艇庫の様な建物がある。

今日はポカポカな陽を浴びてテラスが輝き、いつにも増して "羨ましいぞ度合い" が高まっている。
ふ〜む…宝くじが当たったら…って宝くじ買ってないからダメか…。

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海には見えない小網代湾最深部。
まだ歩いたことがない小網代の森は、この左奥に広がっている。

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羨ましい羨ましい。

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さて、庶民はすごすごと去ることにしましょう。

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小網代湾では、ボートやカヤックは北側を航行するのがローカルルール。
湾の入口まで来たところで、油壺側に横断してみた。
海の色が綺麗。

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追い波、追い風に揺られながら諸磯に向かう。
こういう時のフェザークラフトは、船体がたわんで波を受け流し、海と喧嘩しないで進んでいく。

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諸磯に上陸した直後のシーソック。
お〜〜水玉になってる!
ワクワクしながら船内を見てみると…一滴の水も入っていなくて完全なドライ!
やっぱり、浸水の原因はシーソックだった。
ありがとうフェザークラフト!

少し早いけど、風が避けられる岩陰を探して、昼飯にすることにした。
ポカポカで気持ちがいい。
鳥が海上に集まっている姿を見てワンチャンがボソボソ言ってる。
「あそこには魚がいるんだろ〜ね〜」
ほんとにトローリングやる気かも…

諸磯の海を見下ろせる小高い丘の上にも別荘がある。
どの家にもテラスがあるけど、今日は住人がいないようだ。
こんなにいい天気なのにもったいない…って思うのは大間違い。
天気がいいからとノコノコやってくる我々とは違い、金持ちは時間の使い方が違うのだろう。
羨ましい羨ましい。

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岩礁で打ち上げられる波しぶきが小さくなり、風の音も止んできた。
予報よりも風は残っているみたいだけど、向かい風で苦労することはないだろう。

冬が近づき透明度の上がった諸磯の水路に浮かぶと、誰もいない海岸が目に入った。
そして、今年のツーリングは撤退ばかりしていて、まともに漕げていないことに気がついた。

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三戸浜に近づくと、穏やかになった波の下に海底が見通せるようになった。
海水の透明度はどんどん上がるので、これからの時期がカヤックのベストシーズンと言えるかもしれない。

アマゾンのショッピングカートには、ずいぶん前からTG-1用の偏光フィルターが入っている。
この透明度が続くうちに、家の主の顔色をうかがいながら注文ボタンを押す事にしよう。

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もう少し時間があるので、黒崎の鼻まで足を伸ばしてみた。
岬の手前の浜では、レフ板の前で五色の戦闘服を着た正義の使者が悪者と戦っている。

そして、今日はサザエ獲りの舟がとても多い。
箱メガネで海中を覗き込み、長い棒の先についた又金でどんどんサザエを獲っている。
見ていて飽きない。

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三戸浜の草地でカヤックを乾かし撤収。
今日はしっかり乾かすことができた。

後はスキンを畳んでおしまいという時に一時カヤックから離れ、戻ってみると、なんだか様子が少し変わっている。
はて…とスターンの辺りを見ると、しっかり濡れている。
少し前に、2匹の犬を連れたオジサンが散歩で通り過ぎていた…やられた!
カヤックが馬に踏まれそうになった事はあったけど、犬に右足(左足?)を上げられたことは初めてだ。
今年最後の三浦海岸 〜菊名から戸津浜〜

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今日は気温が高かったけど、パドリングジャケットを着ていても汗はかかなかった。

そして、こんな夕陽を見ていると、天気のいい日にノコノコと出かける我々の暮らしも、まんざら捨てたもんじゃないな…と思う冬の入口だった。

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