7年ぶりの右 〜奥利根湖〜

群馬県みなかみ町にある奥利根湖には時々行きたくなる。
過去の記録を調べて見たら、計3回行っていた。
2012年5月 右か左か
2015年10月 左へ
2017年5月 春の左へ
今回も5月なので、紅葉の秋よりも春の雪山とか新緑が好きらしい。

今週末の海天気は、珍しく土日共にバツグンのカヤック日和。
当然カヤック仲間は、6月からのキャンプ禁止前に伊豆でのキャンプを企んでいる。
自分自身、キャンプツーリングは昨年の11月以来していないので、参加したいのはやまやま。
しかし、雪の奥利根湖は矢木沢ダム管理道路が開通した直後に行くのがベストなので、既に10日間ほど経過している今週を逃したら行っても意味が無い。
考えに考え、今回は魅力的な伊豆への遠征を諦め奥利根湖へ行く事にした。

IMG_9790.jpg当日は、自宅を3時半に出発。
今日の開門時間は6時半なので、7時半には現地に到着したい。
開門時間は時期によって変わるので、たまにしか行かない私みたいな人は、事前に管理事務所に電話をして確認しておいた方がいい。
水上インターチェンジの出口では雪を被った谷川岳が見えた。
それにしても…、みなかみ町は "みなかみ" という字が平仮名だったり漢字だったり…町の合併でこの様な事になったらしいけど、どちらかに統一して欲しいものである。

現地に着くと、既に駐車場は満杯に近かった。
今日は、土曜日で天気もいいので想像していた通りカヤックを組み立てている人も多い。
という私は、途中で昼飯や行動食を買って来るのを忘れてしまい、持っている食料は予備で持ってきたリフィルのカップヌードル一つだけ。
以前は資料館に売店もあったらしいが、商売にならないので今は無い。
ふむ…水やコーヒーはあるからとりあえず我慢。

P5250006.jpg管理小屋で入湖申請書の半券をもらってから出艇。
今日は7年ぶりに"右"に行くので、行き先には「本流」と書いた。
ここが二股の分岐。
毎回の事だけど、ここから見える雪山の景色は、左に行った方が良さそうに見える。

P5250018.jpgまだ5月だというのに、今日の群馬県の最高気温は33度くらいまで上がるらしい。
ここ奥利根湖でも、カヤック組み立ての時は半袖でも暑いくらいだった。
なので、束の間の木陰は涼しくて快適。
ちなみに、バウデッキに見えるグレーのテープのようなものは、組み立て時に見つけたスキンの破れを補修したダクトテープ。
とりあえず応急処置しただけなので、今回のツーリングが終わり自宅に戻ったらちゃんと補修しようと思う。
ポリテックの補修用スキンは初めて使う。

P5250028.jpgP5250020.jpg先日降った大雨の影響で、湖面には沢山の木屑が浮いていた。
ひどい場所では、ご覧のようなあり様で、エンジン付きのボートでやって来た人はここで引き返していた。
なんだか、2011年の粟島を思い出した。
2011年8月 粟島

P5250032.jpg雪は少なめ。
新緑は素晴らしく綺麗。

P5250033.jpgP5250036.jpgそれでも湖の奥の方では、こんな残雪が残っていたりする。
そして、ここまで来ると水温もだいぶ低くなり、カヤックが浸水したのではないかと思うくらい、足元が冷たくなる。

P5250040.jpgIMG_9802.jpg最深部に到着。
先客のソロカヤッカーが一人。

上陸して、なけなしのカップヌードルを作っていると、次から次にカヤックが到着。
意外にもソロの人が多い。
みんなここで昼飯休憩するのかな?…って思ったら、最初にいた人を除き、休憩だけして皆さん帰っていった。
はて…どこで食べるんでしょ?
この日の貯水率はほぼ100%なので、上陸できる場所は多く無い。

暫くすると、先客のパドラーも立ち去り一人になった。
アブがまとわりつくので、虫除けスプレーで防衛しながら、質素な食事の後でコーヒーをやる。

P5250024.jpgP5250054.jpg帰りがけ、少し涼もうと飛沫を浴びに滝に寄り道。

木陰を漕いでいると、エンジンをトロトロ回しながら、ゆっくりと進む一艇のボートに会った。
近づいて、今日の釣果を尋ねる。
「今日はどうでした?」
「二匹だけ。」
「春と秋では、何か違いがあるんですか?」
「春の方がいいですよ。秋は魚が深く潜っちゃうので。」
「水温は冷たい方がいいんですね。」
私の釣り経験は、小学生の時に宮城県の田舎でやったフナ釣りくらいなので、知らない事だらけ。
この方が何を釣りたかったのかわからないけど、この湖ではワカサギ、ヤマメ、イワナ、バス、トラウトなどが釣れるらしい。

P5250056.jpgここにだけポツンと咲いていたタムシバの花。
モクレンとかラテン語の学名であるマグノリアの仲間と言った方が、イメージがわかるかもしれない。
風にヒラヒラとそよぐ様なその花姿は、とっても可憐で美しい。
花言葉は「友情」。

P5250058.jpg途中で会ったもう一艇のボートの人は、トローリングしながら「今日は全くダメなのでそろそろ帰ります。」と言っていた。
少しだけ残念そうだけど、とってもいい顔をしている。
さっきの人もそうだけど、気持ち良さそうにボートに揺られ、春の湖を楽しんでいる様に見えた。
私も戻ります。

map_20190525.jpg今回は入江に寄り道をしなかったので、航行距離は19キロ。
次回はまた2年後だろうか…

IMG_9811.jpgIMG_9812.jpg宿は、湖の近くに空きがなくて沼田まで戻って温泉民宿。
民宿には珍しく、土曜日でも一人で泊まれ、モツ鍋がついているのが決め手となった。
沼田なので、尾瀬に行く時にも利用できるかもしれない。

そして、参加できなかった伊豆キャンプ組みの連中には、例によって様々なドラマが起こっていた…。