西伊豆のドラマ

私が群馬の湖と民宿でマッタリと過ごしていた正にその時、伊豆では様々なドラマが繰り広げられていた。
伊豆に終結したのは、ハマちゃん、キッカー、イイダーの三人。
"三人でツーリング" とは言っても、例によって集合する場所が決まっているだけで、出発する場所も違えば、時間も違うし、到着予定の時間も違う。
集合場所は、入間と吉田の間にある浜である。

キッカーは、漁船に改装したバタフライカヤックを使って年がら年中伊豆で釣りをしており、当日は車中泊していた松崎より集合場所に向かう。
なんと!! 昨年ソロで遠征した奄美大島以来、カヤックにテントを積んだ事がないらしい。
ハマちゃんは、今年の10連休ゴールデンウィークに四国に遠征したものの、雨と風に翻弄され40キロ漕いだだけで停滞&撤退。
リベンジで臨んだ伊豆遠征も、「絶好の海、みんなおいでよ〜」という🤗付きメールの後でカミナリとヒョウにやられ、「コワイヨ〜😱」のメールを発信した後、カミナリがおさまるまでシーソックの中でビールを飲んで過ごした。
年に3回しか漕がないイイダーは、最近 "アドベンチャーカヤッカー" の呼び声が高い。
イイダーの修行

「本物のアドベンチャーカヤックが見たいです。」
「見るだけ?ぜひ体験してください。いい汗かけますよ。」
「遠くから見るだけで十分です。また、鍋の具材をぶちまけないよう最新の注意をはらいたいと思います。」
と、冒険者イイダーとの再会を楽しみにしているキッカーは、最近西伊豆でメジマグロ(クロマグロの子供)なるものを釣り上げている。

IMG_20190430_3353.jpgこの写真を見た連中は、まだ釣れるかどうかわからないのに「マグロづくしを楽しみにしております。」などと途端に色めき立ち、それぞれがバラ色のキャンプツーリングを思い描いている。
そして、ハマちゃんの「有料カヤック組み立てサービス」の申し出を断り、遠征に参加しないワンチャンまでも「マグロづくし✨いいなぁ✨」などと妄想している。
1枚の写真の威力は素晴らしい。まさにピューリッツァー賞ものである。

前日飛び交っていたメールでは、電車移動組のハマちゃんは子浦出艇の楽チンコース、イイダーは本瀬から出艇し石廊崎を超えるコースにするらしい。
「伝説のアドベンチャーカヤッカーにお会いできるの楽しみです(^o^) マグロは移動速度が速く釣れるか怪しいですが、もっと美味しい真鯛かハタを狙いたいと思います。」

DSCN6465.jpg25日 13時7分、キッカーからメールが入った。
「夕飯のおかずゲットして、今、妻良湾に入りました。もう食べれないは禁句でお願いしますね。」
なんと!! キッカーは、狙い通り(?)70センチの真鯛を釣り上げていた。
すぐさまイイダーからもメールが入る。
「ヤッホー、お疲れ様でした。今、中木を過ぎたところです。快晴の空、穏やかな海、そよ風、そしてお魚とビール、最高だ!幸せすぎて怖いです。」
昨年のキャンプツーリングで合流できなかったイイダーを心配したキッカーからメール。
「手前の浜でキャンプしないでくださいね!」
30分のロスタイム

キッカーの夕飯ゲットメールから1時間後、ハマちゃんから悲痛なメールが届いた。
「松崎から出た私は南の風にメゲ、波勝で撤退💦 ここに出前お願いします。」
なんと!! 子浦出艇の楽チンコースを考えていたハマちゃんは、松崎出艇の "頑張って漕がないと着きませんぜコース" を選んでいた。
そして、予想以上の風にやられ撤退。
ふむ…たしか以前にもあったような展開である。
やっぱり中木は遠かった
「もう食べれないは禁句でお願いしますね。」という70センチの真鯛は二人でたいらげなければならない。

キャンプ予定地には、先着した別のカヤックツーリングの人達がいたとのことで、"無事" 到着した二人は隣の浜に移動。
奇しくも "手前の浜" でキャンプする事になった。

P_20190525_181251.jpg「鯛づくし」の始まりである。
魚に合う日本酒をたんまり持っていったハマちゃんは、一切れの魚もありつけず、地震の揺れなのか、酔っ払った揺れなのかわからなくなっていた。
そして、そんな涙目ハマちゃんがいない浜では、たった二人のカヤッカーが、刺身、焚き火で焼いたカマ、昆布〆…などを、5時間の間ひたすら食べ続けた。
拷問のような食事だったにもかかわらず、味は絶品だったらしい。

翌日、朝から妻良湾で釣りをしていたキッカーから涙目ハマちゃん宛にメールが送られた。
「もし海でお会いできるようでしたら、お土産にいかがですか?」
添付されていたのは、100センチ近くあるブリの写真だった。

皆さん、楽しいキャンプツーリングお疲れ様でした。
次回は私も参加させてください。
そして…"全員で" 合流しましょう。

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