2020年モータースポーツシーズン開幕…せず

今日は、2020年3月15日。
本当なら、インディカーもF1も開幕戦を迎えているはずだけど、パンデミックとなった新型コロナウィルス「COVID-19」の猛威が全世界に広がり、どちらのレースも中止されてしまった。

f12020_1.jpgせっかく3月からGAORAを契約していたのに、4月いっぱいはレースが無いかもしれない。
しかし、毎年この時期にその年のモータースポーツの見所や予想を書いているので、今ある情報で今年の見どころを書いてみようと思う。
2019年モータースポーツシーズン開幕
2018年モータースポーツシーズン開幕
2017年モータースポーツシーズン開幕
2016年モータースポーツシーズン開幕

"予想" と書いてみたものの、どちらかと言うと興味のあるカテゴリーやドライバーの事を書いているので、非常に偏っている事を最初にお断りしておきます。

まずは、ここ数年一番興味のあるカテゴリーであるインディカーから。
今年も佐藤琢磨が去年と同じ「Rahal Letterman Lanigan Racing」から参戦する。
昨年のランキングは9位。
中盤戦まではシリーズチャンピオンも狙える位置につけていたので、非常にもったないシーズンになってしまった。
第6戦「Indianapolis 500」では2ラップダウンになりながらも、素晴らしい追い上げであわや2連勝か!!と思わせる活躍で3位になり、続く第7戦「Chevrolet Detroit Grand Prix Race 1」でも3位。
勢いに乗っていた琢磨にケチがついたのは、第8戦「Chevrolet Detroit Grand Prix Race 2」だと思う。
このレースを9番グリッドからスタートした琢磨は、45ラップ目に2位まで順位を上げていた。
しかし、イエローからの再スタートで2回も無理なオーバーテイクを仕掛けて失敗し、最終順位は13位になってしまった。
そして第9戦の「DXC Technology 600」。
ポールポジションからスタートした琢磨は、1周1.5マイルのショートオーバルを快調に飛ばし、60周目までレースを支配していた。
しかし、あろうことかピットイン時にオーバースピードでピットに止まりきれず、スタッフを跳ね飛ばしてしまった。
その結果3ラップダウンの15位。
勢いを失ってしまった琢磨は完全にシリーズ争いから脱落。
そして、第14戦、Poconoで行われた「ABC Supply 500」でインディ初の大クラッシュ。
クラッシュのきっかけを作ったと誤解され、多くの人から非難を浴びた琢磨を救ってくれたのはチームだった。
そして第15戦「Bommarito Automotive Group 500」。
スタート後、前戦の二の舞を避けた琢磨は、オープニングラップで慎重になり、見ているこっちが心配になるような抜かれ方で数台にオーバーテイクされてしまった。
ところが、ピットインタイミングと運が重なり、188周めにラップリーダーとなった後は、一度もトップを譲らず今季2度目の優勝を飾った。
この絵に描いたような復活劇は、2019年シーズンのハイライトだったと思う…と、長々と2019年を振り返ってしまうほど、見所満載のシーズンだった。

そして、2020年。
目に見えるマシンの最大の変更点としては、エアロスクリーンが採用された事だ。
F1で採用されたHalo(ヘイロー)と違い、エアロスクリーンにはチタンフレームに積層ポリカーボネート製のスクリーンがはめ込まれている。

indy2020_2.jpgこれはスコット・ディクソンがマシンに乗り込む時の様子。
これまではサイドポッドを跨いで乗り込んでいたが、これからは一度サイドポッドの上に立ってからコクピットに入る。

indy2020_1.jpgこれは、琢磨のマシンを上から見たところ。
個人的には、横転した時の事が気になる。
これまでは、前後のロールバーの間にできる隙間から這い出す事が出来たけど、このマシンでは隙間ができないので、コクピットに閉じ込められてしまう。
まあ、昔のマシンとは違い火災が発生することは稀なので、ほとんど問題にはならないだろうけど…。
ヘルメットについている見慣れないダクトは、ヘルメット内に空気を送り込む為のもの。
風の当たらなくなったフォーミュラカーのコクピットは、ものすごく静かになっているはずで、無線の音も聞きやすいんじゃないだろうか。
しかし、問題なのはそのスタイルである。

indy2020_3.jpgindy2020_4.jpg前から見るデザインは超不恰好。
横または、斜め後ろから見るデザインは、そこそこカッコイイ。
F1のHaloは、見慣れるのに2年かかったけど、果たしてインディカーのエアロスクリーンも見馴れるんだろうか?

そして、今年活躍するドライバーは誰か?
今年も一番の見所は、佐藤琢磨がシリーズチャンピオンにどこまで近づけるか!!…だ。
新人では昨年スーパーフォーミュラを走ったアレックス・パロウは間違いなく速い。
しかし、チームは「Dale Coyne Racing」なので、活躍できるサーキットはそれほど多くないかもしれない。
チャンピオンシップを争うのは、いつものメンバーだろう。
そこに、今年は昨年の新人王フェリックス・ローゼンクヴィストが加わり、「Andretti」に移籍したコルトン・ハータも加わる。
琢磨は、全レースで勝利を狙うのではなく、クレバーに戦えば上位6人の中に入れるだろう。
勝負は、最後の5レースだ。

次は、ここ数年全くテレビ観戦しないF1。
youtubeでレースダイジェストすら観ないけど、いちおう予想だけ。
まずチャンピオンシップを争うチームは、いつも通りメルセデスとフェラーリとレッドブルの3チーム。
ドライバーはルイス・ハミルトンとフェラーリのセバスチャン・ベッテルとシャルル・ルクレール、それとマックス・フェルスタッペンが争う。

das-system.jpgこの動画では、今年のバルセロナテストで、メルセデスの新兵器「DASシステム」を操作するルイス・ハミルトンが見れる。
「DASシステム」とは、走行中にフロントタイヤのトー角をドライバーが調整できる仕組みで、2:15あたりから始まるオンボード映像では、最終コーナーを立ち上がったルイス・ハミルトンがステアリングを手前に引き、コーナー手前では押し込んでトー角を調整している。
このシステムは、メルセデスが昨年から極秘に開発していたものなので、他のチームでは真似ができない。
どの程度のアドバンテージがあるかわからないが、今年のマシンに採用してきたってことはそれなりの効果があると思われる。
もしこのシステムがレギュレーションに引っかからなければ、最終的にチャンピオンになるのはルイスで決まり。
それよりも、見どころが多いのはセカンドグループだ。
レーシングポイントとアルファタウリ、そしてマクラーレンとルノーが紙一重で激戦になると思う。

f12020_2.jpgこれは、レーシングポイントの2020年用マシン「RP20」。
昨年のメルセデスにそっくりなマシンで速そう。

f12020_3.jpgそして、今年チーム名をトロロッソから変更したアルファタウリ・ホンダ。
クールなマシンカラーもカッコイイけど、マシンも速そう。
この二つのチームは、上位に何かあれば表彰に上がれるかもしれない。

superfomula2020_1.jpg次は日本のスーパーフォーミュラ。
チャンピオン争いはニック・キャシディとユーリ・ビップス(写真)で決まり。
新人のサッシャ・フェネストラズもサーキットによっては速さを見せるような気がする。
そして、初めての女性ドライバー、タチアナ・カルデロンはトップから3〜4秒離されレースにならないだろう。

fomulae2020_1.jpg最後は、これまた全く興味ないけどフォーミュラE。
あのポルシェが参戦し、ドライバーはニール・ジャニ!!とアンドレ・ロッテラー。