すっきりしないのは何故なのか

東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)が起きてから3週間と2日が過ぎた。
被災地では復興に向けた取り組みが少しずつ始まってはいるものの、まだまだ沢山の方が行方不明のままだし、被害の全貌もわかっていない。
余震が多いことも、不安を煽っているだろう。

しかし、今みんなが漠然と「すっきりしないなあ」と感じているのは、原発の問題が片付いていないからだと思う。
それも、ただ片付いていないということではない。
先が見えない、先がわからないってことが始末悪い。
どの情報が正しいかわからないし、誰が正しいのかもわからない。
わからないことだらけなんだけど、そこに悪魔が潜んでいることだけはみんな知ってる。
経済優先で想像力の無い一部の人達が、この国を未曾有の危機に陥れている。

昔、怖いものと言ったら「地震 雷 火事 親父」だった。
語呂は悪いけど、今では「原発 津波 地震 雷 火事」だ。
怖い親父はいなくなった。

houshanou.jpg 気象庁のデータに基づいて海外で公開されている
4月5日21時の放射性物質拡散予測
(日本では公開されていない)

政府では、すでに最悪のシナリオは検討されていると思うが、もしそのような事態になった場合は、ここ横浜も避難対象地区になる。
そして、信頼できる学者の試算では北は札幌、西は岡山辺りまでが放射線管理区域になる。
日本は狭いのに、どうするんだろ?

原発推進派の人達は、"日本は資源が無いし、地球の温暖化を防ぐ為にも原子力発電は絶対に必要だ。" と言ってきた。
自分は、原子力発電は昔から反対だったが、"ただ反対" というわけじゃあない。
事故が起こっても、被害を最小限に抑え、環境にも害を与えない技術が開発されれば、「原子力の平和利用」を反対する理由はない。
今はそのような技術が無いんだから、原発は作ってはいけないと思っている。

たぶん、この事故をきっかけに世界各地で原発反対運動が起こるだろう。
その点については、この福島の事故が狂った経済至上主義に待ったをかける機会になるかもしれない。

しかし、核兵器による唯一の被爆国である日本が、自らの手で再度被爆することになるとは、本当に情けない。
この国の政治家と役人は、誰の為に仕事をしているのかを、根本から考え直さなくてはいけない!
何が大切なのかを見つめ直し、国民の為に政治を行ってほしい。
そして、だいぶ壊されてはしまったけれど、まだまだ豊かな自然が沢山残っている "日本" を大切にしてほしい。

(あとがき:2011-04-04)
"地震 雷 火事 親父" の親父というのは、「台風」のことらしい。