粟島 2日目〜内浦から内浦〜
2日目。
朝飯の前にカヤックを組み立ててしまおうと宿を出たら、ちょうど民宿の玄関に若旦那がいて、軽トラで運んでくれた。
朝からついてる!
昨日、下見しておいた場所に到着すると、若旦那が興味津々で質問。
「組立にはどれくらいかかるの?」
「ん〜、30分くらいですかねえ〜」
若旦那、組立見学。
いろいろ話をしながら組み立てたわりには、20分で完成。
「意外に簡単そうに見えるなあ」
「ん〜、初めは1時間くらいかかりますよ〜」
その後、キャンプ場について気になってる事があったので、聞いてみた。
「昨日、キャンプ場に泊まっている人が、商店に虫除けを買いに来ていたんだけど、虫って多いんですかねえ?」
「そうだなあ…、ブヨがけっこういるかもな」
えっ、ブヨ(@@;
自慢じゃないが、私はヤブ蚊に刺されただけで、赤く腫れたり、水ぶくれになったりするくらいデリケートなお肌を持ってる。
そんなのに取り囲まれたらテントから一歩も出れない… って思っている自分の周りには早くも数匹のアブがまとわりついている。
キャンプ中止っ。
といって、夏休み週末の民宿はどこも一杯なので、今日は1日で島を一周し、最終便のフェリーで本土に帰ることにしよ〜っ。
決定(^^;

宿に戻り、しっかり朝飯を食べてからチェックアウト…、ん〜民宿でチェックアウトってのもどうなんでしょ?!
朝早くからやっている酒屋でビールと氷を買い、出艇場所に戻った。
小さな浜にカヤックを下し、アブと格闘しながら "使わないキャンプ道具" などを積み込み準備完了。
8時半に出発。

漕ぎ始めると、すぐに鳥崎が見えてきた。
あの岬を回り込めば、怒濤のロックガーデンエリアが始まるはず。
風波ともに穏やかで、今日一日なんの心配もなし!


鳥崎を回り込んで行く。

島の北側。
無人地帯に入った。
波が穏やかなので、幅が1メートルも無い岩の間をすり抜けて行ったりする。
ところが…

しばらくすると、流木やゴミが沢山浮遊するようになった。
あ〜、これが台風8号の水害で川から海に流れ込んだものなのかあ。
宿の人が話していた。
いまいち海の透明度が高くないのも、そのせいかもしれない。
新潟・福島地方を襲った台風8号は、7月27〜30日にかけて大雨を降らせた。
加茂市の雨量は600ミリを超え、三条市に設置された雨量計にいたっては1000ミリを超えたという。
1000ミリっていえば、1メートルなわけだから、すぐには信じられない量だ。



休憩地点を探しながら、西側海岸線を進んで行くと、八ツ鉢鼻(やつはちばな)の辺りに上陸できそうなゴロタ浜があった。
冷えたビール!
沖合を観光船「SEA-BIRD」が通って行くだけで、相変わらず人っ子一人いない。

オオミズナギドリのコロニーがある立島が見えてきた辺りから、ダイナミックなロックガーデンが多くなってきた。





ここは観光ポスターの写真になった場所だけど、観光船は入って来れるんだろうか?
もし向かって左から入って来れたとしても、この先の水路には進めない。
ふむ!
ここは、まるでシーカヤッカーの為に作られた様なロックガーデンで、狭い水路が迷路の様に張り巡らされている。
一見、この先は行き止まりかなあ〜っと思って漕いで行くと、意外に先に進めたりするので面白い。

隠岐でも見かけた柱状節理。(⇨隠岐 3日目〜中ノ島明屋から知夫里島〜)
元々まっすぐだったものが、地殻変動で持ち上げられて斜めになった…って感じかな?
蜂の巣と同じ様に、もっとも強いとされるハニカム形状になっているのが面白い。


立島に近づいた。

オオミズナギドリの糞の痕。
粟島浦村のサイトによる説明はこん感じ。
「全長約48cm。粟島ではサバドリと呼ばれ、魚群の位置を知らせる鳥として親しまれている。島の地面に長い横穴を掘り、中に枯葉などを引き込んで巣をつくる。立島付近は全国的にも貴重な生息地として、国の天然記念物に指定されている。」
夏場にいるはずなんだけど、見つけられなかった。

キャンプ予定地だった釜谷を過ぎ、とある入り江で昼飯休憩。
念のため、ロープでカヤックを係留する。
なんだか、いろんなものがデッキの上やらコクピットに散乱している写真で臨場感あり?
この後、ビール缶の横にある氷水が大活躍することになる…。

昼飯は、簡単に炒めるだけでできあがるナポリタンにした。
トッピングは、タマネギとナスのみ。
水は麺をほぐすのに少ししか使わず、ガスの消費も最小限。

昼飯の後はスノーケル。
しかし…ここの海の水がなんだかオカシイ。
水に浸けてた顔そして唇のあたりが、やたらヒリヒリする。
日焼け後のヒリヒリとは違って、根本的に水に何かが含まれているような感じで変。
5分くらい潜ってたけど、岸に上がり、さっきの氷水を顔にかけて洗った。
なんなんだろ?
こんな感じになったのは、初めてなのでビックリした。

気を取り直してヘンテコな入り江を出発し、さらに南下した。
そして、楽しみにしていた八幡鼻近くの鳥居岩に着くと…まさかのこんな状況。
…。
流木の溜まり場になっていて近づけないばかりか、沢山のアブにブンブンまとわりつかれる始末で退散。


八幡鼻、矢ガ鼻を回り込み、あとは退屈な東海岸を黙々と漕くだけ。
暑い。
サーフブリムに海水を汲み、何度も頭から浴びながら、アブのいる内浦の小さな浜に戻った。
ノンビリと漕いできたので、到着は15時。
フェリーの出る時間までは、まだタップリとある。
ゆっくり片付けた後は、「おと姫の湯」で汗を流すことにする。
湯船に浸かっている時に、船の汽笛が鳴った。
出航まではまだ時間があるはずなのに変だなぁ〜と思いながら、17時過ぎに温泉を出た。
(旅を終えて)
(あとがき:2017-8-20)
粟島では下記のような制限ができました。
これから粟島でシーカヤックをしたいと思っている方は、トラブルにならないように十分気をつけて下さい。
⇨粟島海域レジャーに関する海面利用協定