100%と102%


100%と102%。
これは、小林可夢偉と佐藤琢磨の違いかもしれない。
"上のカテゴリーに乗せてみたい!" と思わせたら勝ちなのが、ステップアップカテゴリーの戦い方。
その点、琢磨の戦い方はスゴかった!
F3では連戦連勝。
圧巻は、ジョーダンチームのレースドライバーに決まった後で参戦した2001年のマカオF3世界一決定戦。
そのレースに出た全てのドライバーを敵に回した。
世界で一番期待されているドライバーを同じ土俵でやっつければ、それだけで注目を浴びるからだ。
しかし、琢磨はその格闘技の様なレースて堂々優勝した。
まさに天下無敵。
そして琢磨は、無敵だった "F3時代の戦い方" をそのままF1に持ち込んだ。
しかし、1年目から目立ってはいたが、結局F1では十分な「結果」を残すことができなかった。
琢磨は、いつも102%のアタックをしていた様に思う。
そして、現在参戦中のインディーカーレースでも、同じ戦い方をしている。
でも、自分は琢磨の様なファイターが大好き。
F3時代に一度だけメールのやり取りをした事がある。
琢磨は、"強いドライバーになりたい" と言ってた。
来年こそ、"強いドライバー" になってくれるような気がする。
可夢偉はどうか?
フォーミュラ・ルノーでチャンピオンになったり、GP2アジア選手権でチャンピオンにはなったが、琢磨に比べたら、周囲の「期待感」は少なかったように思う。
しかし、トヨタのテストドライバーを経て、2009年の終盤戦にスポットで参戦したレースで一気に注目を浴びた。
まるでアランプロストとジャンアレジを足して2で割った様な、クレバーでアグレッシブな戦い方をした。
残念ながら、トヨタは2009年でF1から撤退したが、見る人は見てた。
ドライバーの潜在能力を見る目では定評のあるペーター・ザウバー氏が、可夢偉の力を見抜き、チームのレースドライバーとして契約したからだ。
その後の可夢偉の戦い方はすごい。
凡ミスはほとんどなし。
どのレースでも100%の力(102%ではない)を発揮し、戦う相手が誰であろうと、そんな事はいっさい関係なく冷静に戦っている。
いよいよ来週は日本グランプリ。
可夢偉はきっとやる!
