島でスパイ 〜浜比嘉島から浮原島〜
今日は11月9日。
間違いなく金曜日である。
天気は今日までが晴れで、明日になると崩れ風も上がる予報である。
そして、午前中には大事な打ち合わせがある。
ごめんなさい!
午後から仕事休みます!
レンタカーにカヤックを積み込み、約束の時間よりも早めに打ち合わせ先に向かった。
客「お忙しいのにすみません」
私「いえ、ぜんぜん大丈夫です(きっぱり)」
無事打ち合わせが終わり、革靴のまま浜比嘉島に向かった。

浜比嘉島には、11時過ぎに到着。さっそく組立を開始する。
今日は夕方から風が上がってくる予報なので、12時に出艇できたとしても16時くらいまでには戻ってきたい。
津堅島には行けない。

1年前は、浜の右手にある岩山の間から外海に出て行ったが、今は潮が引き過ぎていてダメ。
⇨ようこそ沖縄 〜浜比嘉島から浮原島〜
正面の岩山を右に回り込み浮原島に向かう。
少し波があるかも…?

浮原島は正面。
波はそれほどでもないけど、もっと風が上がってきたら帰りは追波で苦労しそうな感じ。
浜比嘉島と浮原島の間は海が浅い。ちょっとの風でも白波が立ってくる。
五感を全開にし、風と天候の具合を感じながら進んで行く。


浮原島の近くまで来たところで、やっと海の色が "沖縄の色" になった。
こうでなくちゃいけない!

いちおう時計回りに一周。
正面から見ると小さく見える島も、ぐる〜っと回っていくと2キロくらいはありそうな感じ。
島の最大標高は4メートル。ぺたっとした島だ。
だけどハブがいる…らしい。


裏側に1/3ほど回ると、一面グリーンの海になった。
この島に来たら、ぜったいに見たい色だ。
見れてよかった。"ウキバルグリーン" と呼んでしまおう!

外海側で上陸。
なんか見た事も無いブイ(?)が浜にある。
ちなみに、浮原島は自衛隊がうるま市から年間2千万円ほどで借りている練習場。
島内には「この島は自衛隊の練習場につき関係者以外立ち入り禁止」という立て看板がある。
また、海上保安庁のサイトにある「在日アメリカ合衆国軍海上訓練区域一覧表」には、下記の記載がある。
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浮原島訓練場(沖縄島金武中城港及び付近)
区 域 :26-18-05.1N 127-59-31.7E の地点を中心とする半径850mの円内区域
訓練の種類:水陸両用訓練
制限事項 :本区域が使用されているときであっても、その使用を妨げない限り漁業及び船舶の航行に制限はない。
備 考 :本区域を使用する際は予告される。
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ん〜…これを読む限り、"訓練の邪魔をしなければ近づいてもいいよ" てことなのかな?
近づいてもいいけど上陸はダメってこと?
⇨在日アメリカ合衆国軍海上訓練区域一覧表


一周して、浜比嘉島側の砂浜に再上陸。
昼飯にする。
南浮原島には今回も行かない。せっかくの無人島なので、その分ノンビリすることにした。
雲が広がり晴れ間が無くなった。
そろそろ戻ろうかとカヤックの準備を始めた時、一機の軍事用ヘリコプターがやって来て島の裏側に消えた。
そして、カヤックを浮かべようとしたその時、轟音とともに再度空中に現れ、自分の真上を低空で通過した。
私はスパイ?
帰りの海況は、来た時とほぼ同じ。
斜め後方からの追波もそれほど酷くなく、出艇した浜とは違う浜を目指して漕いで行く。
軍のヘリはその後も3度ほどやって来て、海上にいる自分の上空を通過していった。
やっぱり怪しいっすか?

焚火の煙が立ちのぼる浜に上陸した。
ここは、先月ピザパーティに誘ってくれた人の家だ。もう一度会って挨拶できれば嬉しい。
⇨島では何かが起こる
家の裏に回るとオジサンがいた。
そして、1ヶ月前と同じ様に家の周りを片付けている。
「あれからずっと沖縄にいた?」
「いえ一度帰りましたよ 相変わらず大変そうですね」
「壁がダメになっちゃったので張り替えないと」
オバサンはいなかったけど、オジサンだけでも挨拶ができて良かった。

ピザパーティが開催された家の中は、床のビニールシートが取り払われ、ハンモックが吊るされていた。
あっ…これってスパイ活動?(^^;


"ピザの浜" を後にして、出艇場所に戻る。
まだ15時なのに(関東では14時の感覚)、陽は完全に隠れ薄暗くなってきた。


戻った。
干潮で露出していた場所も "海" になり、音が聞こえるような勢いで海水が押し寄せている。


公園の隅っこでノンビリと撤収。
雲行きは怪しいが、カヤックも装備も乾かすことができた。
津堅島〜南浮原島〜浮原島を巡るアイランドトリップは、いつ実現できるんだろうか?
風の穏やかな時期に来ないと難しそうだ。

本島側と浜比嘉島を結ぶ橋の上から見る夕焼け。
この夕焼けを浮原島から見てみたいと思った。
那覇へ続く道は渋滞している。
空が燃えている間の渋滞は大歓迎です。
