最後の一声 〜外浦から片瀬白田〜

三連休突入4日前。

私「三連休の日月で漕ぎたいなあと思っています。伊豆は渋滞がいやなので、千葉か三浦でキャンプかお気軽民宿泊はいかがでしょう?」
イ「何処でも行きますよ。伊豆は7月だとダメですかね〜。」
ワ「穏やかそうだったらどこでもお供したいで〜す。暑すぎて…海入りたい…。」

タケさんは、鳥取へ遠征に行く。
金曜日の夜行バスで行って、土日でキャンプしながら55キロ漕ぐらしい。
ふ〜〜む…さすがに一番の若手!
腰が曲がった我々では、夜行バスなどという乗り物ははなから頭に浮かばない。

その後、だんだんと海況が明らかになってきた。
台風の影響もあり、西伊豆と外房はNG。千葉は内房であればなんとか漕げるかもしれない。
ただし、南無谷崎では波高が1.5メートルある。
どんな感じなんでしょ?

ギリギリまで海況をチェックして、金曜日の夕方に千葉富浦地区の民宿に電話すると…どこも満室。
そりゃそうか!

イ「これでキッパリ諦められます。」
ワ「天気予報では雨の心配なしみたいだし、みんな早くに民宿予約しちゃいますよね(^^;」


明けて土曜日、
諦められない自分は、渋滞覚悟の東伊豆はどうなんでしょ?と思って "じゃらん" してみると、今井浜の辺りで空いてる民宿がある。

私「東伊豆の今井浜辺りなら宿が取れそうなんですが、いかがいたしましょう?」
イ「三連休対策にビデオをたっぷりかりちゃいました。北の国から 家でラーラー、ララララ、ラーララーと過ごします。」

なんと、変わり身の早い!
ワンチャンに中止の連絡。

ワ「日帰りで行っちゃいません?」
私「へ?」

P7140103.jpg 外浦海岸には8時に着いた。
しかし、この時期の外浦海岸は初見参。
いつも無料の駐車場は1500円になり、すでに満車。遊泳エリアにはロープが張られ、砂浜からのエントリーはできない。
漁港の方の駐車場も、民宿やシーカヤックショップの契約となっていて、一般の車を停めることはできない。
ふ〜むどうしましょ?
ワンチャンが、KAI'TOさんの所に行って確認したところ、基本的に夏場はこの海岸からカヤックを出すことはできないらしい。
ふ〜むどうしましょ?

車は1,000円で廣和荘(こうわそう)に預かってもらった。
防波堤付近であれば、遊漁船も浮いているし遊泳エリアの外だから大丈夫かな…と判断して、組立開始。
足場に注意しながらカヤックを水際に運んだ。

P7140105.jpg 今日のルートは、白浜方面へ北上し、気分次第ではそのまま片瀬白田まで行き、気分が乗らなければ外浦へ引き返す。
しかし、私の心は "片瀬白田までのワンウェイ" で決まっている。

P7140109.jpg 正面に本根岬が見えるけど、その先は霞の中。
なんだか湿度が高く、ちょっと休憩するとすぐにサングラスが曇ってしまう。

白浜大浜海岸はパラソルで埋め尽くされ、その先にある下田プリンスのプライベートビーチっぽい白浜中央海岸ではそこそこの人、そしてその先の浜は何故か誰もいない。
どうも夏の海は、沢山人がいる所に次々と人が集まるらしい。

穏やかな海上では、トビウオが100メートル滑空し、ウミガメが頭をぴょこんと出したりしている。

P7140110.jpg 外浦から1時間。

龍宮島のある一色(いちき)海岸のすぐ隣りにある小さなスロープに上陸した。
ここはウネリのある日でも上陸できそうだし、目の前に「龍宮」という感じのいい民宿もあるので、ここを拠点にするのもありかも。
トイレもある。

大きな木の下の木陰にあった白いチェアを民宿の人が貸してくれたので、少し早い昼飯にした。
これから先は上陸ポイントが不明なので、ワンチャンは慎重を期して2度もトイレに向かった。

P7140114.jpg P7140117.jpg 龍宮島を回り込み、本根岬を越えると、このエリアの中では比較的ワイルドな景観になる。
ただ、写真ではわかりづらいけど、ウネリが入っているので岸の近くにはあまり近寄れないし、洞窟の中も覗けない。

ここから鬼ケ崎までの海岸線はなかなかいい。

P7140121.jpg 鬼ケ崎。
ここを越えると河津の海岸がある。

P7140123.jpg 左手に河津、今井浜を見ながら岬から岬へショートカットする。
霞の中に浮かんだ稲取岬は、なんだか遥か彼方にあるように見える。

潮の向きがいいのか一漕ぎ毎にグイグイとカヤックが進んで気持ちがいい。
しかし、後でGPSの速度を見てみたらたった6キロしか出ていなかった。

P7140010.jpg(撮影:ワンチャン)

ゆったりとしたウネリの中を進んで行く。
稲取は、岬全体にホテルや旅館が立ち並んでいるような先入観があったけど、実際はこんな感じ。

少しブーマーが立ち上がっている。

片瀬白田には14時過ぎに上陸。距離は18.9キロだった。
これで自分は東伊豆の真鶴から西伊豆の安良里までの内、下田湾から弓ケ浜までを除いて漕いだことになる。
近々、このルートもやっつけてしまおう。


上陸地点から片瀬白田駅までは、ほんの数百メートル。
ワンチャンに留守番を頼み、電車とバスを乗り継いで外浦に置いた車を取り行った。

ワ「ここから大川まで漕ぐと、外浦から伊東まで繋がるんだよね。行っていい?」
私「へ?」

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