嵐は来るのか? 南房総1日目〜元名海岸から富浦〜
昨夜、夜9時半まで続いた町内会の理事会から帰り、部屋いっぱいに広げた荷物の整理を始めた。
三連休の後半は久しぶりにキャンプ道具を積んでツーリングに出かける。
2013年9月22日 千葉県の元名海岸にカヤックを運んだ。
小笠原諸島の辺りにいる台風20号の影響でウネリが入る予想なので、太平洋側は避け、いつものように南房総をツーリングする。
朝見た天気予報では、"所により雷雨が…" ということらしい。
雨はともかく、雷だけは勘弁なので、雲の様子を見ながら漕いで行くことにする。
波も風も問題無し。
ただ、ウネリのせいで大きく波が砕けているところがあるので、グルンと避けながら進んで行く。
そういえば、自分のカヤックの写真を見た人から、「前についてる丸くて黒いものは何ですか?」と聞かれたことがある。
「ベレー帽です」と答えておいた。
勝山海水浴場に上陸し、どこかで昼飯でも食べようと思ったけど、岸の近くはサーフになっていて容易には近づけない。
サーフの様子を観察しながら、どうしようかな…と思っていたら、カヤックのすぐ後ろを数台の水上バイクが高速で通過した。
案の定、引き波とウネリが重なって、大きくカヤックが傾いた。
三浦と同じ様に千葉も水上バイクが多い。
たまに小型のボートや釣りボートの近くを猛スピードで通過する人達がいるけど、水上バイクの引き波は思ったよりも影響があるので、気をつけて走行してほしいものだ。
浮島を通り過ぎると、沖合に潜水艦の様な構造物が海上に出ている。
その辺りは水深が浅く、大きく波が砕けていたので、当然大きく沖出しして迂回して行く。
正面に南無谷崎(なむやさき)が見えると、海上は明るく平穏になった。
しかし、東の空には黒っぽい雲があり、こちらに流れてくるようだ。
小腹を満たすためにカロリーメイトをかじった後は、デッキバッグから日焼け止めを取り出して塗った。
南無谷崎に近づき、海は沖縄色になった…かと思ったとたん、黒い雲が上空を被い寒々しい雰囲気になった。
雲の動きが速い。
南無谷の磯場も沖からサーフになっていて、ここでも上陸はできない。
昼飯はキャンプ予定地までお預けになりそう。
正面に大房岬(たいぶさみさき)。
キャンプ予定地は、あの岬の向こう側にあるはず。サーフになっていなければいいんだけど…。
こんな感じの天気の日に岬から岬へショートカットしていると、急に風が吹き出したらいやだなあと思いながら漕いでいる。
大房岬に到着。
足場の悪そうな岩場には、あっちこっちに釣り人がいる。
あ〜青空が遠ざかっていく〜。
大房岬の先っぽ。
ここを回り込むと館山湾に入る。
以前来た時は、館山湾からものすごい風が吹き出していて、ねじ込んだカヤックを押し戻されてしまった。
⇨富浦で沖縄を感じる 1日目〜金谷から富浦〜
キャンプ予定地が見えた!と思ったらドシャ〜と雨が降ってきた。
カヤックに乗っている時の雨はまったく気にならないので大丈夫。雷の音はしていない。
なかなかワイルドなロケーションの浜に上陸。
雨はやんだ。
昨日行った城ヶ島の赤羽根海岸の様な黒い砂利浜。
でも、流木の散らばっている位置を見ると、5時間後の満潮では相当奥まで潮が上がってきそうな感じ。
そしてもっと波が出てきたら崖下まで飛沫を被ってしまうだろう。
簡単に逃げられる場所ではないので、ちょっとココでのキャンプはリスキーかなあ…。
いなばのチキンタイカレーとビールで遅い昼飯を食べながら思案した結果、この浜でのキャンプはやめることにした。
"黒い浜" を離脱したとたん、また雨が降ってきた。
自分が陸にいる限り雨は降らない。
再度岬の先端を回り込み富浦に向かう。
途中の岩場にいた釣り人に、カヤックの上から両手で丸印を書いて質問したら、釣り人は両手でバッテンを返してきた。
釣果はイマイチらしい。
まったくワイルドではない多々良海岸に上陸。
雨はやんだ。
芝生の上に陣地を設営。
雨が降ってきてもいいように、初めて持ってきたヒルバーグのタープを張ってみた。
⇨夏装備追加 -HILLEBERG Tarp XP 10-
キャンプ場の近くでは数人の若者が爆竹やロケットを打ち上げて奇声を上げている。
花火がなくなれば、そのうちいなくなるだろう。
ビールを飲みながら、卵も海鮮も入っていないスンブドゥチゲを作っていると、一人の男性が散歩に通りかかった。
お互いにニッコリと挨拶すると、カヤックを見た男性が声をかけてきた。
「フェザークラフトですね。」
「よくご存知ですね。」
「僕も川用のフェザークラフトを持っていて、20年前くらいまでやっていました。富浦に別荘を建てたんだけど、家族はあまり来ないんですよ。」
「なぜ富浦だったんですか?」
「家から2時間くらいで行ける場所を探していて、千葉の太平洋側にも行ってみたんですが、あっちは波が高くて、海岸を散歩しても面白くなさそうで…。」
「富浦はのんびりしていい所ですよね。」
食事の後は枝豆を食べながらウイスキーをチビチビやる。
富岡海水浴場の辺りでは、"ちゃんとした花火" が打ち上がっている。
いい気持ちになってテントに潜り込むと、あっという間に寝てしまった。
夜、風の音で目を覚ました。
テントが揺れている。
ゴソゴソと外に出てペグを打ち直した。
(2日目につづく)