ここをキャンプ地とする 伊豆1日目〜戸田から米崎〜
11月の三連休。
仕事で<修羅場状態>継続中のタケさんをおいて、イイダー、ワンチャンと3人でキャンプツーリングに行くことになった。
場所は伊豆で、日程は土日だけの予定。
しかし、直前の天気予報によると、土曜日に8〜10メートルの東風が吹き、日曜には雨マークがある。
風も天気も心配ない "千葉" にしようかと考えメールをしても、イイダーからの返事はない。
ふむ…伊豆大好きなイイダーにとって、千葉はまったく眼中に無いらしい。
幸いにも金曜日の時点で雨マークはなくなり、イイダーから「土日に伊豆決定」の号令が下った。
風の予報はまだ予断を許さない。
しかし、今回のルートは、西伊豆の戸田(へだ)から松崎までのワンウェイなので、東からの風に対しては風裏になる。
大丈夫かな!?
松崎に集合してポンコツゴルフ号を置き去りにした後、出艇地の戸田に移動。
旅のスタートを切るにはなかなかいい場所だ。
風はほぼ無し。
予報は完全にハズレている。
組立が終わったカヤックを波打ち際まで運んでいる時、地元の漁師さん(?)にイイダーが話しかけられた。
湾内のブイに係留してはいけない事と、カヤックには旗を立てて欲しいという事だった。
今回は二人が旗を立てているので、我々は問題なし。
(撮影:イイダー)
キャンプツーリングということで、パッキングする荷物の写真を撮ってもらった。
ゴール後は、車でここまで戻ってくるので、トラベルスタイルバックやパックカート、そしてリュックサックなどは積んでいかない。
ちなみに、中央のソフトクーラーはワンチャンに積んでもらい、晩飯(鍋)の食材はイイダー艇に積んである。
(撮影:ワンチャン)
イイダー艇の鍋を除きパッキング完了。
はて?
松崎には8時に集合したにも関わらず、何故かこの時点で12時を回っている。
この "ノンビリいきましょ〜ぜ" 的な雰囲気が、その後の我々の運命を左右することになろうとは、誰一人思っていなかった。
"その旗は、あえて斜めに立てているの?"…と思わせていたイイダー艇のデッキフラッグ。
7作目はこんな感じ。
ちなみに、6作目の様子はコチラ。
⇨夏の終わりの健康診断 〜葉山大浜から江ノ島〜
カッコよさよりも実利を優先した最新作は、"ついに" 直立した状態を保っている。
その代わり、間近で見てはいけません的なオーラを感じるのは私だけだろうか…。
風光明媚で独特な形をした御浜岬(みはまみさき)を回り込み、駿河湾に出た。
海は "超" ベタ凪ぎ。
残念ながら、しっかりとした曇り空で富士山はまったく見えず、海と空の境目も曖昧だ。
(撮影:ワンチャン)
まったりとした海をまったりと進む3人。
この時点では、キャンプ予定地まで2時間もあれば着いちゃうね…などと思い込んでいる。
戸田から北は知らないけど、戸田と土肥の間はこんな海岸線が続いている。
そして、海岸線の様子は富士見台(恋人岬)を境に劇的に変化する。
小土肥の小さな港で遅めの昼飯休憩をしてから再出艇。
土肥港のある湾をショートカットして八木沢に向かう。
相変わらずベタベタの凪で潮の流れもいいのか、ひと漕ぎ毎にグイグイと進んでいく…様な気がする。
15時04分。
15時09分。
(撮影:イイダー)
15時39分。
低くなった太陽の両側に幻日(げんじつ)が現れた。
英語では「parhelion」という。
ズームアップ。
虹の様に色がついている。
初めて見た幻日はとても幻想的。
大気がどの様な状態の時に見られるのか…という説明はWikipediaなどを見て欲しいが、とても珍しい現象らしい。
15時46分。
今日のキャンプ予定地は「恋人岬と宇久須(うぐす)の間にある」という情報だけが頼りで、そこがどんな場所なのかということは誰も知らない。
そして恋人岬はもう少し先にある。
16時14分。
恋人岬の手前には、米崎(こめざき)という小さな港がある。
その辺りで船を浮かべていた漁師さんに話しかけてみた。
「恋人岬の先に上陸できるような浜はありますか?」
「あの先だとしばらくそういう浜は無いよ。この辺りは灯りが無いので暗くなったら真っ暗になる。カヌーだと危ないから気をつけて。」
「ありがとうございます。」
私達が思い描いている様な浜は、近くに無いらしい。
その間にも辺りはどんどん暗くなっている。
案は2つ。
一つ目は、安全策で米崎の港の隣りの浜に上陸する。ただしその浜はキャンプができそうな浜に見えない。
二つ目は、「恋人岬と宇久須の間にある」という情報を信じて先に進んでみる。
そして、微かな望みではあるけど、恋人岬の手前に上陸できそうに見える小さな小さな入り江が薄らと見える。
そこで、二手に別れて偵察することにした。
自分は米崎のゴロタ浜を見に行き、浜の様子と上陸が可能かどうかを確認する。
イイダーとワンチャンは、恋人岬手前の小さな入り江の様子を確認する。
米崎のゴロタ浜はキャンプをするには狭そうだった。
しかし、海から見ててもはっきりとはわからないので、上陸して確認することにした。
幸い今日はウネリが少ないので、荷物を積んだ重いカヤックでも上陸できそうだ。
上陸。
やはり、浜は狭く急斜面で大きな石だらけ。
ここでのキャンプは相当大変だろう。
ただし、港の中であればキャンプするのに問題はない。
16時26分。
この日の日没は16時50分。
だいぶ暗くなってきた。
この写真の中には2艇のカヤックが写っている。
ワンチャンに電話してみる。
「そっちの様子はどお?」
「あの場所はぜんぜん上陸できる場所じゃなかったので、とりあえず恋人岬の先を覗きに行ってみるって。」
「こっちはなんとかキャンプできそうだよ。」
少ししたら電話がかかってきた。
「恋人岬の先は全然ダメらしい。そっちに向います。」
16時46分。
二人はこっちに向かっている。
恋人岬の先を見に行ったイイダーは、暗い海の中を戻る際、ワンチャンのカヤックが急に現れてビックリしたらしい。
以前、フェザークラフトのスキンカラーの選択枝が限られてしまった時期があり、カーボン色のウィスパーが沢山売れた。
カーボン色は、雲天の中でも目立たないので、なるべくウエアなどを明るい色にした方がいい。
まあ、ここまで暗くなってしまうとカーボン色だけでなく小さなカヤックは暗闇に溶け込んでしまう。
霧に取り囲まれた場合も同じ事が言えるので、フラッシュライトは必要な装備かもしれない。
それほど暗くなった中を二人が無事上陸してきた。
「恋人岬の先を見たんだけど、絶望的な光景が広がっていて、とてもキャンプなんかできそうな感じに見えなかった。」
ここをキャンプ地とする!(©水曜どうでしょう)
荷物を出して軽くなったカヤックを浜の奥へ引き上げ、今日は堤防の中の平なコンクリートの上でキャンプすることにした。
港の人への挨拶は明日すればいい。
しかし、今日の予定ルートは10キロ程度しかなかったはず。
にも関わらず、昼飯の時間を除いても、ここまで4時間半もかかっている。
これは変だ。
"ノンビリいきましょ〜ぜ" にもほどってものがある。
後日、距離を調べてみると15キロあった。
反省!
夕飯は鍋。
焚火はできないけど、"なかなか快適なキャンプ地だね" ということで、三人の意見は一致した。
ともかく、今日の寝床は平だ!
(2日目につづく)
仕事で<修羅場状態>継続中のタケさんをおいて、イイダー、ワンチャンと3人でキャンプツーリングに行くことになった。
場所は伊豆で、日程は土日だけの予定。
しかし、直前の天気予報によると、土曜日に8〜10メートルの東風が吹き、日曜には雨マークがある。
風も天気も心配ない "千葉" にしようかと考えメールをしても、イイダーからの返事はない。
ふむ…伊豆大好きなイイダーにとって、千葉はまったく眼中に無いらしい。
幸いにも金曜日の時点で雨マークはなくなり、イイダーから「土日に伊豆決定」の号令が下った。
風の予報はまだ予断を許さない。
しかし、今回のルートは、西伊豆の戸田(へだ)から松崎までのワンウェイなので、東からの風に対しては風裏になる。
大丈夫かな!?
松崎に集合してポンコツゴルフ号を置き去りにした後、出艇地の戸田に移動。
旅のスタートを切るにはなかなかいい場所だ。
風はほぼ無し。
予報は完全にハズレている。
組立が終わったカヤックを波打ち際まで運んでいる時、地元の漁師さん(?)にイイダーが話しかけられた。
湾内のブイに係留してはいけない事と、カヤックには旗を立てて欲しいという事だった。
今回は二人が旗を立てているので、我々は問題なし。
キャンプツーリングということで、パッキングする荷物の写真を撮ってもらった。
ゴール後は、車でここまで戻ってくるので、トラベルスタイルバックやパックカート、そしてリュックサックなどは積んでいかない。
ちなみに、中央のソフトクーラーはワンチャンに積んでもらい、晩飯(鍋)の食材はイイダー艇に積んである。
イイダー艇の鍋を除きパッキング完了。
はて?
松崎には8時に集合したにも関わらず、何故かこの時点で12時を回っている。
この "ノンビリいきましょ〜ぜ" 的な雰囲気が、その後の我々の運命を左右することになろうとは、誰一人思っていなかった。
"その旗は、あえて斜めに立てているの?"…と思わせていたイイダー艇のデッキフラッグ。
7作目はこんな感じ。
ちなみに、6作目の様子はコチラ。
⇨夏の終わりの健康診断 〜葉山大浜から江ノ島〜
カッコよさよりも実利を優先した最新作は、"ついに" 直立した状態を保っている。
その代わり、間近で見てはいけません的なオーラを感じるのは私だけだろうか…。
風光明媚で独特な形をした御浜岬(みはまみさき)を回り込み、駿河湾に出た。
海は "超" ベタ凪ぎ。
残念ながら、しっかりとした曇り空で富士山はまったく見えず、海と空の境目も曖昧だ。
まったりとした海をまったりと進む3人。
この時点では、キャンプ予定地まで2時間もあれば着いちゃうね…などと思い込んでいる。
戸田から北は知らないけど、戸田と土肥の間はこんな海岸線が続いている。
そして、海岸線の様子は富士見台(恋人岬)を境に劇的に変化する。
小土肥の小さな港で遅めの昼飯休憩をしてから再出艇。
土肥港のある湾をショートカットして八木沢に向かう。
相変わらずベタベタの凪で潮の流れもいいのか、ひと漕ぎ毎にグイグイと進んでいく…様な気がする。
15時04分。
15時09分。
15時39分。
低くなった太陽の両側に幻日(げんじつ)が現れた。
英語では「parhelion」という。
ズームアップ。
虹の様に色がついている。
初めて見た幻日はとても幻想的。
大気がどの様な状態の時に見られるのか…という説明はWikipediaなどを見て欲しいが、とても珍しい現象らしい。
15時46分。
今日のキャンプ予定地は「恋人岬と宇久須(うぐす)の間にある」という情報だけが頼りで、そこがどんな場所なのかということは誰も知らない。
そして恋人岬はもう少し先にある。
16時14分。
恋人岬の手前には、米崎(こめざき)という小さな港がある。
その辺りで船を浮かべていた漁師さんに話しかけてみた。
「恋人岬の先に上陸できるような浜はありますか?」
「あの先だとしばらくそういう浜は無いよ。この辺りは灯りが無いので暗くなったら真っ暗になる。カヌーだと危ないから気をつけて。」
「ありがとうございます。」
私達が思い描いている様な浜は、近くに無いらしい。
その間にも辺りはどんどん暗くなっている。
案は2つ。
一つ目は、安全策で米崎の港の隣りの浜に上陸する。ただしその浜はキャンプができそうな浜に見えない。
二つ目は、「恋人岬と宇久須の間にある」という情報を信じて先に進んでみる。
そして、微かな望みではあるけど、恋人岬の手前に上陸できそうに見える小さな小さな入り江が薄らと見える。
そこで、二手に別れて偵察することにした。
自分は米崎のゴロタ浜を見に行き、浜の様子と上陸が可能かどうかを確認する。
イイダーとワンチャンは、恋人岬手前の小さな入り江の様子を確認する。
米崎のゴロタ浜はキャンプをするには狭そうだった。
しかし、海から見ててもはっきりとはわからないので、上陸して確認することにした。
幸い今日はウネリが少ないので、荷物を積んだ重いカヤックでも上陸できそうだ。
上陸。
やはり、浜は狭く急斜面で大きな石だらけ。
ここでのキャンプは相当大変だろう。
ただし、港の中であればキャンプするのに問題はない。
16時26分。
この日の日没は16時50分。
だいぶ暗くなってきた。
この写真の中には2艇のカヤックが写っている。
ワンチャンに電話してみる。
「そっちの様子はどお?」
「あの場所はぜんぜん上陸できる場所じゃなかったので、とりあえず恋人岬の先を覗きに行ってみるって。」
「こっちはなんとかキャンプできそうだよ。」
少ししたら電話がかかってきた。
「恋人岬の先は全然ダメらしい。そっちに向います。」
16時46分。
二人はこっちに向かっている。
恋人岬の先を見に行ったイイダーは、暗い海の中を戻る際、ワンチャンのカヤックが急に現れてビックリしたらしい。
以前、フェザークラフトのスキンカラーの選択枝が限られてしまった時期があり、カーボン色のウィスパーが沢山売れた。
カーボン色は、雲天の中でも目立たないので、なるべくウエアなどを明るい色にした方がいい。
まあ、ここまで暗くなってしまうとカーボン色だけでなく小さなカヤックは暗闇に溶け込んでしまう。
霧に取り囲まれた場合も同じ事が言えるので、フラッシュライトは必要な装備かもしれない。
それほど暗くなった中を二人が無事上陸してきた。
「恋人岬の先を見たんだけど、絶望的な光景が広がっていて、とてもキャンプなんかできそうな感じに見えなかった。」
ここをキャンプ地とする!(©水曜どうでしょう)
荷物を出して軽くなったカヤックを浜の奥へ引き上げ、今日は堤防の中の平なコンクリートの上でキャンプすることにした。
港の人への挨拶は明日すればいい。
しかし、今日の予定ルートは10キロ程度しかなかったはず。
にも関わらず、昼飯の時間を除いても、ここまで4時間半もかかっている。
これは変だ。
"ノンビリいきましょ〜ぜ" にもほどってものがある。
後日、距離を調べてみると15キロあった。
反省!
夕飯は鍋。
焚火はできないけど、"なかなか快適なキャンプ地だね" ということで、三人の意見は一致した。
ともかく、今日の寝床は平だ!
(2日目につづく)