腰痛おじさん通りゃんせ(よいよい編) 南房総1日目〜金谷から大房岬〜
12月7日 土曜日。
久里浜港から東京湾フェリーに乗り、千葉キャンプツーリング初日の出艇場所である金谷港にやって来たのは、タケさんと私の二人だけだった。
イイダーとワンチャンは不参加。
イ「仕事で土日は当分潰れるので、残念ですが参加できません。」
ワ「残念ながら今回は欠席です。じ、じつは…左足部靱帯損傷で昨日からギプス&松葉づえ。」
私「年内は漕げませんな。ちなみに私は軽いぎっくり腰中です。」
タ「私も奄美大島サバイバルツアーで、若干腰が痛くなっています。」
困ったものだ。
仕事のイイダーを除く約3名は、体に何らかのトラブルを抱えている…。
さすがに松葉づえのケガ人を無理矢理参加させるわけにはいかないけど、腰痛持ちのおじさん2名は、2日間の寒空キャンプを乗り切れるんだろうか?
そもそも、ぎっくり腰中の私は、床に座ったり、靴下を履いたり、車に乗り込むだけでも "ウグッ" となっている状態。
果たしてこんなんで、カヤックを組立て、移動させ、乗り込み、漕ぐ…なんて事ができるのだろうか?
ちょっと心配…。
今日の天気は晴れ、風は北風3〜5メートルでまったく問題なし。
明日は朝のうちは少し吹くけど、午後に向けてじょじょに落ちて、それほど吹かない予報。
まあ、キャンプ地は大房岬の南側なので、北風が吹いても寒くない…はず。
組立て中のタケさんは、早々と半袖一枚。
知らない人がこれを見たら "えっ夏?" と思うかもしれないけど、それは間違い!
夏場のタケさんは、上半身裸&ラッシュショーツ一枚だけで組立てている。
見てみたい場合は、夏にタケさんの出艇場所に来れば必ず見れます。(女性限定)
ちなみに、腰痛2号の私はこれ以上腰を痛めないよう慎重に動いているので、今のところ大丈夫。
コンビニでの買い出しが終わった後、重大な忘れ物をしている事にタケさんが気がついた。
「ウイスキー忘れました。」
「お〜〜出発前でよかったねえ。」
2度目のコンビニでウイスキーを調達し、タケさんの酒はビール6缶とウイスキーになった。
めでたしめでたし!
カヤックを漁港のスロープに運ぶと11時20分出航のしらはま丸が狭い港内で回転している最中だった。
空荷のカヤックであれば、肩に担いでも腰は大丈夫。
全ての荷物をパッキングし準備が整ったのは、11時10分。
フェリーの出航までは10分ほどあるけど、念のため待つことにした。
しらはま丸を追うように、我々も出艇。
そして、カヤックに乗り込む際も腰は痛まなかった。
あれ?意外に大丈夫?と思ってパドルを入れてみると…ん〜少し痛いかも…。
腰を捻りながらのパドリングはちょっと厳しそう。
金谷港の防波堤を回り込んで、カヤックを南に向けた。
やっぱり逆光になりますかね。
北西からの追い波を受けながら保田の海を行く。
予報よりも風がある感じ。
タケさんがまたもや忘れ物を思い出した。
「昼飯買い忘れましたっ」
「もしカップラーメンでよければ、予備で持ってますよ〜」
そんなに漕いでいないのに、もうお昼の時間。
大六海水浴場に上陸すると、タケさんが昼飯を買いに走った。
私は梅おにぎりを使ってシェルパ斉藤さんのレシピ「ツナ缶おにぎりチャーハン」でも作りますかね…ほ〜ほっほっほ(by やまとなでしこ)
ん?
無い?
自炊袋の中身を全部かき出してみても…無い!
あ``〜〜ストーブを忘れた!
新品のガスカートリッジは2本もあるのに…
仕方がないので、そのまま梅おにぎりを食い、悔しいのでツナ缶をそのまま食べてやった。
あまり美味くない。
「ストーブ忘れちゃいました。」
「僕のがあるので、どうぞ使ってください。」
しょぼん…
忘れ物合戦では、私が優勢だと思っていたのに…逆転。
中途半端な昼飯を食べて再出艇。
風はやみ、先週の三浦と同じようにゆったりとしたウネリの海を幸せに進む。
千葉では勝山までに凹む事があっても、浮島を過ぎ南無谷崎が見えるこの海域に入ると、不思議と幸せモードになる。
⇨風の千葉 1日目 浸水編〜金谷から富浦〜
南無谷崎を通過中。
海面下は、イワシの群れだらけで、投網でガサっとやったらめちゃくちゃ獲れそう。
今回のルートでは、ちょうどこの辺りから雰囲気が変わる。
のんびりとした感じの集落が続き、どことなく田舎の島っぽく感じるのは私だけだろうか。
富浦の海を行くタケさん。
私「富浦に住んでる人が言ってたんですけど、いつも穏やかな感じがする富浦も冬になると風が強いらしいですよ。」
タ「へ〜僕は千葉は2回目ですけど、穏やかな時しか知らないですね。」
私「えっそうなの?僕なんか毎回撤退してますよ。」
大房岬に到着。
今日のキャンプ地が見えた。
昼飯の時間を除き金谷から3時間なので、順調に漕ぎ進めることができた。
この日、岬の上に建つホテルには、私の息子が大学の研修で来ている。
時間があったらキャンプしている浜まで来ればと話したら「そんな時間ないよ」と一蹴されてしまった。
学生さんは忙しい。
上陸。
非常に快調・快適なパドリングでしたっ!
現在の潮位は120センチ。
満潮は今から3時間半後で40センチ上げてくる。
浜は狭いけど、テントを張る場所はある。
この場所は、タケさんが一度キャンプ経験があり、私は前回やめておいた。
⇨嵐は来るのか? 千葉1日目〜元名から富浦〜
今年の9月までは無かったのに、館山側の崖下に大量の落石がある。
「僕がキャンプした時は風が強くて、あの崖下にテントを張りましたよ。」
「死んでたね。」
落石の心配がない場所で一晩過ごす我が家を設営。
モンパの木ではないけど、干したり吊るしたりできる木があって便利便利。
二人手分けして焚火用の流木を集めている時、西の海に夕陽が沈んでいった。
まだ17時前だというのに、この暗さ。
タケさんが火を起こし、キンキンに冷えたビールを始める。
濃いブルーとオレンジの空の下で館山の町の明かりが輝き始めた。
風が無いので思ったよりも暖かい。
ストーブが無いので、ユニフレームの小さな網を焚火の上に置いてBBQをする。
ウインナーも魚もまたたく間に焼けるので、これはこれでOKかも。
これからは焚火用の網もキャンプツーリングに持ってくる事にしよう…忘れなければ…。
ビールからバーボンのロックに替わり、増々気分が良くなってきた。
本日の酒の肴は、タケさんの奄美大島サバイバルツアー。
ソロで東海岸を漕ぎ抜けたわけだけど、なかなかハプニング満載で面白い。
最終日にカヤックが海に流れていっちゃった話しなんて、なんとかなったから笑い話になるけど、その時の当人の慌てふためき振りを想像すると…やっぱり笑い話になる(^^
カヤック旅は無事に生還できれば、全て大成功!
火の粉が飛び、フィツロイ ジャケットに穴が開いても気にならない。
ふと下を見ると何故か地面が動いている。
はて…ヘッドランプで照らしてみた。
小さなフナムシ達がモゴモゴ動いている。
ここの砂利浜は狭いので、浜の奥の方でも上の乾いた砂をどけると下が湿っている。
こういう浜にはいるって事ね。
フナムシ大嫌いなイイダーが来ていたら大騒ぎしていたかもしれない。
タ「フナムシも、赤ちゃんだとかわいいですね。」
私「赤ちゃんは、みんなかわいいみたいよ。」
(2日目につづく)