誰もいない海 〜三戸浜から逗子〜

2016年元旦
皆さま、明けましておめでとうございます。

今日は、3年連続となるキッカーとの新年初漕ぎ。
大晦日は22時前には寝てしまい、まだ家族が寝入っている時間に起きて家を出たので、新年最初の「明けましておめでとう」はキッカーになる。

ちなみに、僕はほとんどテレビを観ない。
その生活は年末年始でも変わらず、唯一観たのは12月30日にNHKで放送された「西之島へ〜エンジニア達の熱き挑戦〜」だけ。

毎年楽しみに観ているNHKの大河ドラマを別にすると、昨年で面白かったテレビ番組は二つ。
「下町ロケット」「芸能人本気バレエ!密着200日…白鳥の湖を踊りたい!SP」
最近は政治的な問題でメディアとしてのあり方が問われているけど、テレビが本気を出せば、まだまだ心に届く番組を作れるんだなぁ〜と思った。

IMG_5583_20160101.jpg三崎口駅でキッカーと合流し、タクシーで三戸浜に移動すると穏やかな海の先に富士山があった。
この時間の風予報は7〜8メートルだけど、陸上ではそれほど吹いていない。
海況に問題がなければ、三戸浜〜荒崎〜亀城灯台〜長者ヶ崎を経て、名島から海の参道を通って森戸神社にお参りし、逗子で撤収する…という去年と同じルートを行く計画だ。

P1010003.jpg荒崎に向かう海上は、ほぼ予報通りの風が吹き出していた。
しかし、この風も昼前には落ち着き、穏やかでポカポカな初漕ぎになるはず。

荒崎まで来て、若干白波が見える亀城灯台の方を観察する。
「どう思います?」
「ちょっと吹いていますかね?」
「とりあえず向かって、ダメだったら戻りましょう。」

P1010012.jpg亀城灯台に向かい始めると同時に風が落ちたようで、海は全く問題なかった。
亀城灯台は、荒崎から続く根(亀城礁)の上に立っていて、陸地からは相当離れているにもかかわらず灯台周辺の水深はビックリするくらい浅い。
しかし、このすぐ西側は水深が一気に400メートルくらいまで落ち込んでいる。

P1010015.jpg昨年に引き続き、水温をチェックするキッカー。
今年も水温が高い。

DSCN4202.jpgここから、まっすぐ長者ヶ崎に向かう。
空気が澄んでいると、ここから見る江ノ島はすごく近く見える(距離は15キロ)。
長者ヶ崎ではなく、江ノ島に向かいたくなってしまうけど、なにせ今日は元旦である。江ノ島も電車も鎌倉も大混雑なはずなので、そんな中をでかいバッグを引っ張りながら移動するのはちょっと無理。
でも、いつかはやってみたい。

予報どおり風はなくなった。
しかし…船が一艇もいない。正月なので漁船がいないのはわかるけど、いつもなら沢山見えるヨットの帆が一つもいない。
カヤッカーは、長浜の辺りでフィッシングカヤックの人を一人見かけただけだ。
ふむ…こんなにいい日なのに、皆さん元旦には海に出ないのだろうか?
まあ、普通は家族揃って家でおせちを食べながらノンビリ過ごすんだろうけど…。

DSCN4206.jpg長者ヶ崎では、昨年と同じように富士山の見える西側の浜に上陸した。
冬のポカポカ陽気の中で食べる昼飯が美味い。

P1010032.jpgP1010033.jpg長者ヶ崎を出て名島の沖をくるっと周ると、SUPでやって来た男女のグループが上陸して写真を撮っているのが見えた。
そういえば一度も上陸した事がなかったので、鳥居の近くにカヤックを乗り付けた。
ここには「龍神(雨や風をもたらす神様)」が祀られている。
その鳥居の下で森戸神社に向かって手を合わせた。

森戸神社のお参りは、森戸海岸に上陸することにした。
昨年までは駐車場の真下にカヤックを乗り付けてからお参りしていたけど、まるで神社の裏口から入るみたいなので、今年はみそぎ橋を通って「表」から入る。
神社に向かおうとすると橋に人が並んでいる。
あれ?何に並んでいるんだろ?…と頭の中に「?マーク」を10個くらい並べながら鳥居をくぐると状況がわかった。

P1010035.jpgうううっ…
それは参拝する人達の列だった。
そうかぁ、元旦に来たのは初めてなのでこの状況を予想できていなかった。

列に並ぶのは嫌なので、そそくさと古いお守りを返納し、新しいお守りを手に入れて退散。
いちおう名島の鳥居で手を合わせてきたのでヨシとする。
ちなみに、去年のお守りは子供っぽいデザインの「水難」のお守り。今年は「海上安全」の祈祷をしてある木製のお札にした。

P1010037.jpg森戸海岸を離脱。
たぶん今度立ち寄るのは来年になるだろう。

P1010041.jpgP1010047.jpg予定通り逗子海岸に到着。
この海岸の砂は軽いので、カヤックを乾かす時にはコックピットやハッチを閉めておいた方がいい。
のんびりと1時間半かけて撤収する。
暮れに3週続けて伊豆に遠征したキッカーは、子浦で撤収する際にバスの時間を読み間違えた。しかし、大慌てだったとはいえ、わずか30分でバスに乗り込んだらしい!
そのバスを逃すと3時間待つので頑張ったみたいだけど、よくぞまぁ〜そんな短時間で撤収できたもんだ。

全ての荷物をバッグに収め終わった頃、夕陽が海上を照らし始めていた。
多くの人が写真を撮りながら、海と雲と夕陽のショーを楽しみ、誰も帰ろうとしない。
我々も、ウィスキーを飲みながら1時間ほど美しい海を眺めていた。
2016年の出だしは最高だ。

map_20150101.jpg