新年会は舟盛りで 〜鋸山〜

各都道府県の最高峰で最も低いのは千葉県 愛宕山(あたごやま)の408mである。
東京都は雲取山の2,017m、神奈川県は丹沢にある蛭ヶ岳の1,673m、山なんか無いように見える埼玉は秩父山塊を抱えているので意外に高く三宝山の2,483m。
ちなみに、日本で二番目に低いのは沖縄県石垣島にある於茂登岳(おもとだけ)の526m。
沖縄県を除くと、京都府の皆子山(みなごやま)が972mと低いものの、その山でさえ千葉県愛宕山の倍以上高い。
しかし、南房総の真ん中にある愛宕山は自衛隊の施設内にある為、無断で登ることができない。
では、標高329mの鋸山は千葉県内で何番目に高い山なのか?
なんと25番目である。

私が所属している “山に登らない山岳会” でも、標高329mの鋸山くらいは登れるはずなので、新年会登山を提案してみた。
「ロープウェイで行くこともできますよね?」
「千葉だとやっぱり海の幸で一杯ですかね?」
「できればお酒を持ち込めて、部屋食がいいなあ」
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いっちょ雪山に登ってみましょ〜ぜ…などと言う会員は一人もいないのである。

“東京湾フェリー”2016年最初の3連休。1月9日 9時25分出航の東京湾フェリーで山岳会の有志4名が集合した。
雨男がいないので、天気は快晴である。

鋸山金谷港近くのコンビニで昼飯を買いだして、登山開始。
我々は車力道(しゃりきどう)を選択し、”ちゃんと” 足で登っていく。
本日のルートは、まず石切場跡を見学、東京湾が一望できる展望台を経由して鋸山山頂の三角点にタッチ、そのまま尾根道を抜け林道を歩いて保田駅に行く。

鋸山 石切場跡鋸山 石切場跡石切場跡に到着。
圧倒的な人間の仕事っぷりに唖然とする。
ここで切り出された房州石(金谷石)は、さっき登ってきた車力道を通って港に運ばれ、東京湾の港湾設備などに使われた。
しかし、山を削って自然を壊してはいけません!ということで、昭和57年を最後に採石を終了した。
ということは、今から33年前、私が25歳の時までは石を切っていたってことだ!

鋸山 石切場跡鋸山 石切場跡現場で使われた重機や機械は天空の城ラピュタのように朽ち果てたまま放置(保存?)されているので、廃墟マニアの人には楽しいかもしれない。

鋸山 山頂 三角点展望台には沢山の人がやってくるけど、ほとんどの人が日本寺の方に下って行ってしまう。
我々は、予定通り鋸山山頂に向かった。
これほど見向きもされない山頂も珍しい。
そして、これも予定通り一等三角点にタッチ。

鋸山この後は尾根道を歩いて、保田駅に通じる林道口へ向かう。

鋸山途中で観れた東京湾。
浮島がなんとなくいい感じ。

快適な尾根道を下り、林道口に出た。
金谷港からここまでにかかった時間は、買い出しや昼飯の時間を入れて4時間半。ところがこの時間帯の内房線は便が少なく、次の電車まで1時間近く待たされることが判明した。
そこで予定変更。
下山をした以上、後は飲むだけなので、それぞれが持ち寄ったツマミで「到着ビール」をやることにした。
そんなこんなで有意義に時間を使い、今夜の宿がある岩井駅に到着。
岩井駅には品揃えのいい酒屋があった。
持参した酒と酒屋で購入した酒のリストは、日本酒4合瓶2本、四万十市の栗焼酎ダバダ1本、ワイン1本、ラム300ml、バーボン180ml、ビール500缶3本。
各自の飲み能力と経験を重ねて算出した酒量なので、これでピッタリなはずである。

“岩井海岸”宿のベランダからは、遠く伊豆半島に沈む夕陽が観れた。
展望風呂でさっぱりした後は、待ちに待った舟盛り新年会の開始。
時計の針が深夜2時を回った頃、用意された酒はピッタリ飲み干されていた。
ちなみに、今回は予約が取れずホテルになってしまったけど、料理の満足感は民宿泊に遠く及ばない…って事が再確認された。
やっぱり民宿が一番!

“岩井海岸”P1100076.jpg翌日は海沿いの道を通って、金谷港まで歩いて戻ろうとした。
しかし、二日酔い1名、足に豆を作った者1名がギブアップしたため、勝山の大六海岸で撤退することが決定された。
お酒の量をピッタリ選べるようになることと、翌日も元気でいられるかどうかは全く別のことのようだ。

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