私はまっすぐ進みたい 〜逗子から三崎海外〜

昨日までの数日間、なんとなく足が怠く熱っぽい感じがあったので、昨日の夜は20時には布団に入っていた。
明日の祝日は、娘が車を使うということなので、電車で移動できる体力がなければ海に行けない。

そして2月11日、朝起きたら体が軽い。
これなら大丈夫ってことで、パックカートを転がして地元駅に向かった。
キッカーは久留和〜江ノ島を往復予定、私は逗子からカヤックを出し三崎の海外(かいと)までワンウェイで行こうと思う。

逗子海岸逗子海岸で出艇準備完了。
今日は終日北東の風で、午前中が6-7メートル、午後からは落ちる予報。
向かう方向の海面は風でささくれだっているものの波は無し、追い風ならば多少吹いていても問題はないだろう。
キッカーに「海上で会いましょう」とメールで告げ、GPS-Trkをオンにしてから珍しく人の少ない逗子の砂浜を蹴った。

逗子思ったよりも吹いてる。
北東風に背中を押されてグイグイと進む。

“葉山”葉山森戸沖では、ウインドの兄ちゃんがもの凄い勢いでかっ飛んでて気持ちよさそう。
9時を少し過ぎたばかりなので、風が落ちるのはまだまだ先かな?…な〜んて事を考えながら葉山灯台と名島の間の岩礁帯を抜けようとしたら、突風にカヤックが横に飛ばされ、スターンが岩の上に乗り上げてしまった。
グラつくカヤックと格闘している時に来た次の波で一瞬カヤックが浮き上がり脱出。
ふ〜風の強い日は、狭いルートを通らない方がいいかも。

P2110008_20160211.jpgP2110009_20160211.jpg長者ヶ崎の近くまで来ると、正面からオレンジの旗を立てたカヤックがこっちに向かって来るのが見えたので手を振る。
「江ノ島行くの?厳しいかもよ。」
「行けるところまで行ってみようと思います。」
「今日はラダーが欲しい。」
そう二言三言会話をして、キッカーは江ノ島にまっすぐ向かって行った。

長者ヶ崎こちらは長者ヶ崎西側の浜に上陸。
デッキに立てた旗の傾きが落ち着くまで、コーヒーを飲みながら風が落ちるのを待つことにした。
強風の中で小田和湾を横断するパワーは無い。

50分ほど休憩すると、目の前を数艇のカヤックが通り過ぎ、旗もバタバタと揺れなくなってきた。
よしこれなら行けるかな。

葉山まだ吹いてる。
時々パドルが飛ばされそうになりながらも、この時は比較的まっすぐに進んでくれていた。

カモメ小田和湾ブイの上で最初に羽休めしていたウミウ2羽がカヤックを警戒して下手くそなテイクオフをした後、1羽のカモメが入れ替わりで羽休め。
カヤックが真横に来ても、お互いが「あなたはだあれ?」状態でしばし気まずい時間を共有する。
ここまでも比較的順調。

ところが、荒崎を正面に見据えた立石沖の辺りからカヤックがまっすぐに進まなくなった。
何も調整しないでストロークすると、進行方向の60度くらい左を向いてしまう。
こういう時はテクニックの無さを痛感する。
仕方がないので、バウを亀城灯台の方向に向けフェリーフライドっぽく進んでいくものの、少し気をぬくと、まるで見えないラダーが固定されたんじゃないかと思うくらいググ〜んと左を向いてしまう。
そして、漕いでも漕いでもその場所に止まっているかのような感じで、なかなか荒崎が近づいて来ない…ような気がする。
疲れる。
しかし、亀城灯台とカヤックの位置関係を見ると、しっかり進んでいるようだ。

荒崎荒崎ようやく荒崎に到着。
時間を確認すると、長者ヶ崎を出てから1時間20分なので特別遅かったわけじゃない。良くある事だけど、漕ぎづらい感覚と実際の速度は一致しない。
運動してお腹が空いたので、昼飯休憩のために上陸することにした。
正面の浜は、観光客の人達がいるので手前右手の磯に上陸し、カヤックが流されないように岩へ括りつけた。

荒崎昼飯は、カップヌードルの中で一番好きなトムヤンクン味、それとビール(発泡酒だけど)で一息。
そういえば以前、みんなでここへ上陸した時に誰かさんのカヤックが漂流した事があったっけ。
救助隊出動 2日目〜荒井浜から久留和〜

荒崎30分ほど休憩して13時に出発…と思ったら、岩場にグローブを忘れてしまったので再上陸。トホホ…
荒崎の海は綺麗。

諸磯まっすぐに進まない状態はその後も続いた。
ひどい場所では、左側に120度くらい向いてしまう。ふむ…今日は三崎から逗子に向かった方が良かったかもしれない。
そして、諸磯の辺りまで来るとウソのようにまっすぐ進むようになった。
そして、そのまま4か月ぶりに海外に上陸してゴール。

“三崎海外では、こんな感じで撤収できる場所がある。
ただし水道やトイレは無し。
ゆうパックの集荷を予約した後、到着ビールをやりながらノンビリと撤収する。

IMG_6292.jpgいつもの店に入り、ワインを一口飲んだところで目の前に郵便局の赤いバンが停まった。
担当はいつもの人だ。
「やっぱりあなたでしたか。集荷場所がココなので、そうじゃないかなぁと思ってました。」
「どもども、今回もよろしくお願いします。忙しいですか?」
「今日はなぜか集荷が多くて。それと一人移動になっちゃったので忙しいですね。」
バッグのサイズを測る。
「160ですね。」
「えっ160に収まってます?」
「はい大丈夫です。前回の伝票もあるので1,720円になります。」
やった!

気分良くアラビアータを食べていると、キッカーからメールが入った。
「行きに8メートルくらいの向かい風をノンストップで江ノ島(知床岬に見えました)まで行ったのが祟り、帰りは虫の息でした。行きも帰りも向かい風で予想以上の運動になりました。」
行きも帰りも向かい風というのは不思議に思われるかもしれないけど、これはカヤッカーがちょいちょい感じる事かもしれない。

ほろ酔いになったところで帰り道。
三崎口駅行きのバスの座席でふと思い出した。
あっ…長者の浜にクッキー袋(ジップロック)を忘れて来た。

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