途中解散 南伊豆2日目〜富戸の浜から石廊崎・奥石廊〜

P3050045.jpgP3050046.jpg2日目
静かに夜が開け、同じ時間に三人がテントから這い出してきた。
黙々と三者三様の朝飯を摂り、カップにコーヒーを注いでいる。
キャンプ地で迎える朝はいつも清々しく爽やかだ。

しばらくすると渡船のエンジン音が聞こえ、一人また一人と岩礁に釣り人を降ろしていく。
この時間にやって来るということは、漁港には早朝5時には到着して準備をしているはずなので、自宅を出ている時間は深夜。
皆さんちゃんと寝ているのだろうか?
この洞窟で終わりとする 伊豆2日目〜米崎から松崎〜

行きつけの三崎の店の主人が磯釣りをする人で、南伊豆にも行った事があると言うので先日話を聞いてみた。
南伊豆での磯釣りは、多少海が荒れている時の方がいいらしく、そういう時はウネリで渡船の舳先が3メートルくらい上下している中で、足元が狭い岩礁に飛び移らなければならないらしい。
緊張しますよって言ってたけど、そりゃそうだ。
以前、波勝崎の辺りを漕いでいる時に、断崖絶壁の狭い崖にいた釣り人に「怖くないんですかぁ〜」と声をかけたら「怖いですよぉ〜」と返事があった。

“富戸の浜”8時過ぎ、波打ち際に運んだカヤックへのパッキングも終わり出発の準備が整った。
今日は、石廊崎に向かって南下し電車組二人は弓ヶ浜まで、私は石廊崎辺りで別れて奥石廊を散策して入間に戻ってくる。

P2170649.jpgP2170651.jpg三ツ石山から続く断崖の上から太陽の日差しが降り注いできた。
今日もいい日になりそうだ。

キッカーから声がかかった。
「すみません、バウのハッチを閉じてもらえますか」
見ると、クルーソーのロールアップハッチが開いている。
カヤックを横に並べハッチを閉じた。

三ツ石岬三ツ石岬三ツ石山の真下を通り千畳敷方面へ抜けて行く。
この山の白い岩肌は遠くからでもよく目立ち、入間地区の絶好のランドマークになっている。
特に石廊崎側から北上した時に見える三ツ石岬は美しい。

奥石廊奥石廊入間を過ぎ中木に向かう。
海が穏やか過ぎて何かピンとこない。
私「いっそのこと石廊崎を100回くらい往復しましょうか?」
ハ「ここがこんなに穏やかでも石廊崎はわからないんですよね〜」

奥石廊透明度は抜群!

奥石廊 石廊崎 遊覧船マリンバード号ヒリゾ浜を過ぎたところで、石廊崎の遊覧船マリンバード号がやって来た。
今日はAコース「奥石廊埼(ヒリゾ海岸)コース」で運行している。

昼飯の提案をしてみた。
「石廊崎漁港にある龍宮という伝説の食堂でサザエ丼を食べませんか?」

奥石廊を過ぎ石廊崎に近づくと、ハマちゃんの予想が的中し東風に押された波がガンガン入っていた。
灯台下から石廊崎漁港へ続く入江への入り口に近づいたところで、一隻の漁船が近づいて来たのでカヤックを停止させると、漁師さんが拡声器で怒鳴った。
「ここはカヌー禁止!」

石廊崎漁港意味がわからなかったので、そのまま入江の中に漕ぎ進み予定通り龍宮の前のスロープに上陸した。
すると、先ほどの漁師さんがこちらに近づいて来た。
「ここはカヌー禁止って言ったろぉ。それとここは漁港の施設だから使っちゃダメ!」
初めて聞く話なので、事情を聞いてみた。
どうも石廊崎でカヌー(たぶんカヤック)が転覆する事故があったらしく、カヌーと漁船がぶつかったら漁船が悪いってことになっちゃうから禁止にした…ってことらしい。
話をしてみると悪い人ではなく、どちらからというと気さくな感じのオジさんだった。
「帰りも通りますが勘弁してくださいね。」
と挨拶すると、「おぉ〜わかった。」と返事をしてくれた。

(あとがき:2016-3-13)
この件について、南伊豆でシーカヤックガイドをしている武田さんに聞いてみました。
下記は、武田さんからのコメントとアドバイスです。
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現在僕の方では石廊崎でカヤックの禁止は知りません。
転覆の事故も初めて聞きました。ただ、石廊崎港のある長津呂の入江は以前トラブルがあったようでカヤックの出艇上陸は嫌がられているようです。
我々はツアーでは石廊崎港へは入らないので、漁師の方に注意された事はありません。

ただ石廊崎港は渡船の漁船を始め遊覧船など南伊豆地区の中では比較的船の往来の多い場所です。
どのような状況で漁船より言われたのかわかりませんが、我々は入江入り口を通る際は最短距離で石室神社直下へわたり沿岸沿いから岩礁地帯へ抜けていきます。

海をカヤックで航行することは正確には誰も禁止することはできません。
ただ海岸線の管理は各地区に県から委託されています。上陸や出艇は地区が禁止と決めた場合は利用はできなくなります。現在石廊崎区に関しては 正式な禁止事項などはなく先ほど申しましたようにトラブルがあったため我々は自粛をしている状態です(以前から使っていなかったので事実上は 全く影響ないのですが)
航行に関しての禁止もまだ聞いてはおりません。
しかしそう言っている漁師さんがいる事実がありますので今すぐ航行を止める必要はありませんが航路はパドリングせず最短距離でまとまって横断するよう心がけていただけますと助かります。また石廊崎周辺は岩礁が多いのでバラバラで漕いでいると次々現れるカヤックを見て漁師さんはイライラしてきますので石廊崎だけではありませんが必ずまとまって漕いでいただけるとトラブルの原因になりにくいと思います。また釣り人がいる 場合はもちろん近づかないのが良いのですが、竿をしまってタバコなんか吸ってる時は迎えの船がやってくる場合が多いいので周りを注意して漕いでいただければと思います。
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ハマちゃんは、五十肩(本人は四十肩と言っている)や肘の調子が思わしくなく石廊崎で撤収。キッカーは、向かい風の中を弓ヶ浜まで行く。
そして、私はもう一度バシャバシャしている石廊崎を超えて入間に戻る。

奥石廊石廊崎を超えてしまえば、穏やかな海があり数年ぶりに奥石廊を隅々まで探索してみる。それにしても奥石廊では、全く人の気配を感じない。
一羽のウミウが入江の奥にいて、横目でこちらをチラっと見た後、入江の奥へ逃げて行った。
そして、私もその奥へ。
ウミウは再度私が登場してビックリしていた。

奥石廊奥石廊時間はたっぷりある。
奥石廊の岩礁帯の隅々を行き、いくつかある入江の一番奥まで全て見届けた。

ヒリゾ浜中木に戻り、誰もいないヒリゾ浜に上陸して、シェラカップでコーヒーを沸かしていると、キッカーからメールが入った。
風に苦しみながら無事弓ヶ浜に着いたらしい。
石廊崎で撤収したハマちゃんは無事バスに乗れただろうか?
目の前にある大根島の前を何度もマリンバード号が通り過ぎて行く。

“南伊豆南伊豆 入間南伊豆 入間時間が止まっているようなヒリゾ浜を後にし、素晴らしい色に輝くコーストラインを通って入間に戻る。

南伊豆 入間海岸入間に帰還。
最高の金曜日、そして心が洗われる土曜日だった。
誘惑してくれた二人に感謝!

(あとがき)
石廊崎で撤収したハマちゃんは、石廊崎口からのバスの本数が少なく本瀬海岸までカヤックを転がした。
弓ヶ浜で撤収したキッカーは、路線バスが観光バスタイプだったらしく狭い通路のせいで大いに体力を消耗した。
二人とも素晴らしいフォールディングカヤッカーである。

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