下北半島への入口 下北1日目〜移動〜

はやぶさの指定席は8月3日で予約してある。
カヤックで下北半島を巡るのは、8月4-5日の二日間。
ところが、7月31日になって風予報を見ると、ぴったり8月4日から強い西風が吹き続くらしく、これでは遠路はるばる青森まで行っても観光だけで終わってしまう。
風男の本領発揮である。

先に出発して男鹿半島を漕いでいるハマちゃんに「日程を変更したい」とメールすると返事がきた。
「私は如何様にも移動できますよ」
よしっ!
日程を変更し、8月1日に出発することにした。
はてさて、切符は取れるのか?!

朝一番でみどりの窓口に行き、切符は変更できた。
新幹線移動初心者の私は、事前にハマちゃんにアドバイスを受けていた。
「新幹線ではいつも一番後ろの席(できれば三座席側)を取り、その裏側に荷物を置いてます。」
新幹線は、通路はもちろんデッキも狭いので、大きなカヤックのバックを置くスペースは無い。
ところが、日程の変更をしたことで、どうしても取りたかった一番後ろの席が取れなかった。
仕方が無いので、あとは当日なんとかするしかない。

日曜出勤から戻って大急ぎで準備をする。
平日を使った遠征なので、仕事道具(Macbook Air)も持っていかなければならない。

はやぶさ新幹線は7時40分発のはやぶさ49号。
今日は今回のツーリングで下北半島への入口となる蟹田まで移動する。
東京駅までの移動は朝のラッシュに重なりそうなので、少し早めに家を出て東京駅でゆっくり朝飯を食べた。
そして発車10分前、新幹線のホームで待機していた車内販売員に聞いてみた。
「大きな荷物があるんですが、置き場所はありますか?」
「一番後ろの席の裏くらいですねぇ。足元にも置けますよ。」
やはり、他に置き場所は無いらしい。

始発駅では"一番後ろの席"は空いていたので、とりあえずそこにパドルとカヤックを置いた。
そして、大宮駅でその席の持ち主が乗車し、車椅子や大きなトランクで"席の裏"は占領されてしまった。
2人掛けに座っているカップルに声を掛けてみる。
「すみません。席の後ろに荷物を置いてもいいでしょうか?」
「いいですよ(^^)」
「リクライニングは大丈夫ですか?」
「はい、これくらい倒れれば大丈夫です(^^)」
本来このスペースは、誰のものでも無いはずなのだが、荷物を置くことでリクライニングができなくなってしまう。
今回は感じのいい方だったので、快くスペースを提供してくれた。

IMG_8686.jpg月初に行わなければならない仕事は昨日終わらせてきたものの、月曜日の午前中に大切なメールが届くので、青森までの3時間はほとんど仕事をしていた。
ふと見ると、窓側の席に電源コンセントが付いていたので、隣の人が降りた後で拝借。
長時間移動する新幹線や飛行機などでは必須のサービスだと思う。

青森駅IMG_8688.jpg青森駅では、津軽線への乗り換え待ちが1時間半近くあった。
駅前に食堂くらいあるだろうと思い、一旦駅から出て昼飯を食べようと思ったものの、青森駅にはエレベーターもななければ、下リのエスカレーターも無かった。(ブザーで駅員に連絡すると"下り"に切り替えてくれる)
考えること30秒…カヤックは駅構内に置いたまま一旦改札を出て駅弁とビールを買い、ホームにある冷房の効いた待合室で食べることにした。
駅では「ねぶた祭り」のノボリが立ち並んでいる。しかしそれがいつからなのかは、全く気にしていなかった。

蟹田津軽線の蟹田駅では、まるで地元の人かと思うくらい馴染んでいるハマちゃんが待っていてくれた。
今日から4日間よろしくお願いしま〜す。

最初に立てた計画では、外ヶ浜町観瀾山公園海水浴場にあるキャンプ場でテントを張ろうと思っていた。
ところが、昨日現地に電話してみると、今年からキャンプ場は使えなくなっている。
先着していたハマちゃんが野営地にみつくろった浜は、なんと駅から200メートル。
シャワーは無いけど、駅前にある綺麗なトイレは使えるし、コンビニなんてスキップで行けるほど近い。

蟹田で、肝心の海はどうかというと、東風ビュービューで大荒れ。
一瞬カヤックはバックの中に入れたまま、フェリーで下北半島まで行こうかなぁ〜なんてことも考えたけど、"出れる海" になった場合は早朝に出発するので、消防署の裏手の日陰でカヤックを組み立てることにした。
暇なハマちゃんが私の組み立てる様子を見てる。
冗談でスターンのフレームをバウに突っ込んでみようか…とも思ったけど、いちおう真面目に組み立てる。
どうも、ハマちゃん艇はフレームのセンターが出づらく、何度か出し入れしなくちゃならないらしい。IMG_8699.jpgGPVの予報では日付が変わるまで風が吹くらしい。
ジメジメした海風のせいで、浜に置いてあるものは人間も含め、全てがベタベタになりつつある。
これでは不快指数120%なので、ハマちゃんが野営適地を偵察に行った。

P8010012.jpgハマちゃんお勧めの適地は、駅前にある食材屋兼お土産屋さんの裏だった。
夜は人気もなくなり、トイレや水道も近いのでなかなかいい。
そして、2人でこしらえた宴会場は、素晴らしく快適だった。
長い1日だったけど、冷えたビールも飲めるし、鍋で飲む酒も美味い!
あとは、予報通り風が止み、明日の海況が好転することを祈るだけだ。
さあて、明日は遅くても7時には出発なので、オジサン2人は早めに寝ましょう。

夜中、とんでもない音で目が覚めた。
どうも線路の脇で何かの作業をしている。
ガガガガガァ〜〜、ブ〜〜ンブ〜〜ンブ〜〜ン、ダダダダダ…なぜ深夜にこんなデカい音を立てて作業をするのかわからない。
何かの罰ゲームじゃ無いかと思うくらい圧倒的にうるさ過ぎるけど、作業している人達も、こんなところで誰かが寝てるなんて夢にも思っていないだろう。
はてさてハマちゃんは寝れてるんだろうか?…と思って聞き耳を立てて見た。
ふむ…爆睡しているらしい。

(2日目につづく)