5月12日の試練 後半〜檜枝岐歌舞伎〜

幾多の試練を乗り越えて、檜枝岐の民宿に到着したのは16時。
ちなみに、檜枝岐歌舞伎のある日は民宿の予約が取りづらく、今回はいつも利用する民宿が予約できなかった。
仕方がないので、檜枝岐の観光協会に電話して、空いてる宿を探してもらった。

歌舞伎が行われる"舞殿"の開場時間は18時なので、この日の夕飯は17時スタート。
まずは、気持ちのいい宿の温泉に入って13時間分の疲れを癒し、キンキンに冷えた一番搾りを開けた。
至福の時である。

IMG_5505.jpg夕飯は、山菜を中心にした品の良い山人料理(やもーどりょうり)で、沢山のお皿がテーブルの上に並んでいる。
檜枝岐山人料理
塩で食べる山菜の天ぷらは最高。
ダイエットを続けている最近の私は、胃袋も小さくなっているようで、おかずだけでお腹がいっぱいになってしまった。

2年前の歌舞伎はこれまでにない超満員で、舞台がよく見えない場所しか確保できなかった。
満員御礼 尾瀬1日目〜檜枝岐歌舞伎〜
5月の奉納歌舞伎はそれほど混まないと思うけど、少しだけ早めに宿を出た。
歌舞伎の舞台までは歩いて10分ほど。会場に入る前に近くの酒屋でカップ酒を二つ仕入れて向かうのが恒例である。
しかし、燧ヶ岳でくぐり抜けたと思った "5月12日の試練" はまだ終わっていなかった。
なんと平野商店と井桁屋商店のシャッターが閉まっている。
お酒は会場の中でも買えたかもしれないが、酒を仕入れてから狭い参道に入る…というルーティーンが崩れるのが悔しい。
困ったなぁと思いながら平野商店の前で考えていると、隣の家の玄関から人が出てきた。
「今日、平野商店さんはお店を開けないんですかね?」
「あら?開いてない?あっほんとだ」
と言って、家の中にいる人に声をかけた。
「ちょっとあんた、お店開けないの?お客さん待ってるわよぉ〜」
どうも、その人の家にお店の人がいたらしい。
シャターがガラガラと開き、無事カップ酒二つとつまみをゲット。

P5120045.jpg石段の上に入り口でもらったマットを敷いて着席。
いつも感動させてくれる町長さんの挨拶が終わり開演までの待ち時間、前に座っていた若いお父さんとお母さんの間に座っていた3才くらいの男の子がこっちを振り向いた。
これは、何かを求めているんだろうか?
とりあえず、人差し指を1本立てて挨拶した。
ニヤッと笑って顔を正面に戻した後、もう一度振り向いてきた。
しまった!! この子の遊び心に火をつけてしまったらしい。
今度は指を2本立てた。
またもや顔を正面に戻し、また振り向いてくる。
ふむ…これは今日最後の試練かもしれない。
寿式三番叟が始まるまで頑張ろう。