Go To 不公平キャンペーン

goto-logo.jpg国土交通省の「GoToトラベルキャンペーン」に続き農林水産省の「GoTo Eatキャンペーン」が始まった。
どちらも、コロナで売り上げが激減した宿泊業界や飲食店を支援する為に始まった経済対策の事業である。
また、内閣官房に設置された「新型コロナウイルス感染症対策本部」の第43回会議では、10月中旬以降に募集が開始される経済産業省の「GoToイベント」や「GoTo商店街」についても資料配布と説明がなされた。
議題は大きく分けて5つ。
・最近の感染状況と厚生労働省の取組
・新型コロナウイルス感染症に関する今後の取組(抜粋
・Go Toイベント事業について
・Go To商店街について
・国際的な人の往来の再開
それに加え、最後に内閣総理大臣の所感が話された。
この会議には、内閣総理大臣をはじめ30人近くの大臣・副大臣・長官・副長官・審議官が集まったものの、会議時間は「18分」。
こんな盛りだくさんの議題の説明と検討が「18分」で行われるなんて、政府の人達の話すスピードは10倍速で映画を観るよりも早く、皆さんがIQ200以上のスーパー頭脳を持っているに違いない。
第43回(令和2年9月25日開催)資料(PDF/1,390KB)
第43回(令和2年9月25日開催)議事概要(PDF/304KB)
ちなみに、同じく内閣官房に設置されている「新型コロナウイルス感染症対策本部幹事会」は、2020年2月25日開催の第2回幹事会(10分間の会議)を最後に開かれていない。

さて、見事に縦割りで各省庁に利権が割り振られた「GoTo事業」であるが、我々はこの事業をどう考えればいいのだろう?
コロナにより人の動きが止まった事で、「個人向けのお客さま商売」をしていた事業者は大きな減収となり、それにより雇用の確保も難しくなった。
これらの事業者を守ることは、この国の基盤を守る事であり、国として最優先で取り組まなければならない課題である。
なぜなら、我々が汗水たらして納めた税金の使い道は、国が決める事ができるのだから。
GoToキャンペーン事業の総予算は「1兆6,794億円」である。
この予算の額に異議はない。
しかし、このお金が税金である以上、その分配は公平でなければならないし、この事業によってコロナの収束に悪影響が出たり、まかり間違っても感染が拡大するような事があってはならない。
そんな事になったら、この8ヶ月間の国民の努力が無駄になってしまう。
10月になっても東京都で毎日200人以上の人が感染している状況を考えると、本来であれば人の動きを加速させる事業は行なってはならないと思う。

私達は8月に貸別荘を利用した。そして10月中に別の貸別荘を利用する。
どちらの貸別荘も「GoToトラベル」の対象かどうかなんて、全く気にせずに選び、直接宿に連絡した。
ところが、どちらの宿も「GoToトラベル」に事業者登録をしていた事で、思いがけずキャンペーンの恩恵を受ける事になった。
しかし、この事業に公平性はあるんだろうか?
私が好きな民宿の日記にこんな事が書いてある。
「GoToトラベルが始まりましたが、大手の旅館、ホテルは満室のような話を聞きますが、私たちのような小さい民宿はかえってお客様が少なくなる現象だと思います。」
公平ではない。
私は、高級なホテルや旅館を目指して旅行するタイプではないので、旅行代理店やホテル予約サイトを利用する事はほとんどない。
予約サイトを通すと宿がサイト側に手数料を払わなければならないので、これまでも、予約サイトを通さずできるだけ宿に直接連絡して予約していた。
コロナで影響を受けているのは、どの宿も同じなので、公平に支援されなければならないと思う。
それは、「GoTo Eat」や「GoToイベント」も同じで、運営を委託された業者や予約サイト、そして旅行や食事に行ける余裕のある人だけが儲かる事業スキームは変だと思う。
もう一度声を大にして言いたい。
税金は、全ての国民が納めている。その税金を使った支援事業は国民に対して公平でなければならない。