この道はいつか来た道 〜天城峠と八丁池〜

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この道はいつか来た道
ああ そうだよ
あかしやの花が咲いてる

あの丘はいつか見た丘
ああ そうだよ
ほら 白い時計台だよ

この道はいつか来た道
ああ そうだよ
お母さまと馬車で行ったよ

あの雲もいつか見た雲
ああ そうだよ
山査子(さんざし)の枝も垂れてる
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童謡「この道」の作詞は、このブログに何度も登場する北原白秋、作曲は山田耕筰。
そして、今日向かった山は紛れもなく3週間前にも来た "この道" なのであった。

IMG_4853.jpg2020年11月27日 金曜日、1年と3ヶ月ぶりに山岳会女子2号が山歩きの企画に参加している…が、いろんな事が不安なようで、山に入っても途中で引き返す可能性があるらしい。
雷鳥と雷雲 〜仙丈ヶ岳1日目〜

3週間前と違って、天気は曇り。
向かっている途中、少しだけ青空が広がったが、水生地下(すいしょうちした)駐車場に到着する頃には、再び厚い雲に覆われてしまった。

PB270001_20201127.jpgまずは、お約束の旧天城トンネル(天城山隧道)のトイレで最終準備。
霊感が強い女子2号は、トンネルには入らない。

PB270002.jpgPB270003_20201127.jpg山の中は、ガスが立ちこめ幻想的。
そして雨がパラついてきた。
この山に初めて来た女子2名は文句を言っているが、私は前回とは違う雰囲気を味わえているので逆に楽しい。

IMG_4860.jpgPB270006.jpg歩き始めてから1時間。
ガスは益々濃くなり、雨も止んでいない。
このまま進むべきか戻るべきか、女子2号が下した最終判断は「気が進まないけどとりあえず進む」であった。

PB270004.jpgPB270008.jpg紅葉も終わり、ガスのために遠くの山々を見渡す事も出来ないので、おのずと視線は足元にいく。
何気ない苔の表情に見惚れてしまう。
この森にある木は、朽ちても森の糧となり森の一部になっている。
私は、不安だらけの人の気持ちを逆なでするように、所々で苔に手を触れながら歩いた。

PB270011.jpg逞しい根っこ達。
時々、この様に木の根が地表に露出している場所がある。
これは、地中に硬い岩盤などがある為だと思うけど、これでちゃんと水分を摂りこめられるんだろうか?
ひょっとしたら、摂りこむ為に、より広く長く根を張っているのかもしれない。

昼飯は八丁池ではなく、寒天林道の終点にあるベンチで取った。
私はシーフードヌードルと具にイクラと蟹が入った高級オニギリ。
女子1号は暖かい味噌汁をすすっているけど、女子2号はオニギリだけなので、ヌードルの残り汁を提供した。
気温はたぶん7℃くらいで、ガスが流れている。
寒さはお腹に良くない。

PB270014.jpgトイレを済ませ、とりあえず展望台に上がると、流れるガスの隙間から八丁池が見えた。
八丁池に寄り、下り御幸歩道の素晴らしく快適な道を下って行く。
落ち葉が積もったアセビのトンネルは、やっぱり楽しい。

予定より遅れて下山。
今日は、このまま河津の民宿に泊まる。
バス通りから脇道に入り、急坂を登りきった所にある民宿に着くと、すでに浴衣を羽織ったシュニンが窓から手を振っていた。

IMG_4868.jpg今宵の酒量は、到着ビール1本、風呂上がりビール1本、女子1号誕生日スパークリングワイン1合、利き酒会で3合、夕食時に6合+焼酎1杯、部屋での二次会で7合、ウィスキー1合。
怪我人はゼロ。

PB280021_20201128.jpg翌日、波来港から観た朝焼け。