ヤクに捧げる映画 -ブータン山の教室-

映画「ブータン山の教室」を観た。
素晴らしい映画だった。

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この作品の脚本と監督は、パオ・チョニン・ドルジさんで来週38歳になる。
長編映画は初めてにも関わらず、奥さんでプロデューサーのステファニー・ライさんと共に素晴らしい作品を作り上げた。
2019年のバンクーバー国際映画祭で上映された時は、15分間でチケットが売り切れたという。

ブータンは、ネパールの東、中華人民共和国チベット自治区の南に位置する国で、面積は九州とほぼ同じ。
仏教王国で「世界で一番幸せな国」として知られている。
果たして、実際はどうなんだろ?
映画の主人公である見習い教師ウゲンは、どこにでもいそうな普通の若者で、突然のルナナ行きに気が乗らない。
ちなみに、ルナナというのはブータンで一番辺境の部落で、首都ティンプーから行こうとすると8日もかかる。
なぜ8日もかかるんだろと思いながら映画を見ていたら、2日目からはずっと歩きだった。
調べてみたら200キロくらいある!!

日本版ポスターに出てくる可愛い女の子ペム・ザムは、実際にルナナに住んでる。
そればかりか映画に登場する村人達のほとんどはルナナの住民。
なので、これは映画でもありドキュメンタリーでもある。


予告編

ペム・ザム

監督のパオ・チョニン・ドルジ

2021年の大阪アジアン映画祭でこの作品が上映された際、ライターの桂伸也さんが、素晴らしいレビューを投稿されていた。
https://cinemarche.net/column/2021oaff-bhutanclassroom/

この中の「まとめ」に書かれている一節を紹介すると…
『「先進国」「発展途上国」などといった国へのランク付け…(中略)…ある意味「勝手に押し付けられる」価値観に対して、大きな疑問を投げかけているようでもあります。』

「先進国」って何?
というのは、自分自身も常日頃から疑問に思っている。
先日イギリスでは、G7サミット(主要国首脳会議)という世界が抱えている問題に対して、なんの問題提起もしないバカバカしい会議が行われた。
ウィキペディアにはこんな事が書かれている。
『メンバーは世界最大のIMF先進国であり、最も裕福な自由民主主義国であり、グループは多元主義と代議制政府という共通の価値観に基づいて公式に組織されている。』
ウィキペディアに突っ込んでどうするの?…とは思いながら敢えて突っ込むと、日本は精神的後進国だと思うし、自由民主主義国家でもないし、多元主義に基づく国でもないと思う。
もちろん自分で話ができない日本の総理などは、間違っても「首脳」ではない。

お金のあるのが先進国?
ビルが建ち並んでいるのが先進国?
先進国とは、その国に暮らす人々が笑顔でいる国のことだと思う。
なので、日本は100%先進国では無い。

以前「幸せの条件」というブログを書いた。
一匹の犬と暮らすそのおじさんは、とても幸せそうだった。
幸せの条件