ぶらぶら歩きの勧め 〜大原隧道〜

早いもので、保土ケ谷に事務所を構えてからもうすぐ25年になる。
仕事とはいえ長年慣れ親しんだ土地でも、意外に知らない場所があるものである。

生糸の輸出のため八王子と横浜を結んだ「絹の道」の終点(起点?)が近くにあり、昔、当時の絹の道を探しながら2日かけて八王子から歩いた事がある。
その年に書いた100件ほどのブログは消えてしまったので、残念ながら今読み返す事はできない。

また、現在の事務所に引っ越す前にいた横浜ビジネスパークの前には、ビール坂という急坂があった。
なんでそういう名前が付いたんだろ?と思って調べてみたら、昔、東京麦酒(後の大日本麦酒)という会社があり、ビール坂を登った先にある所から湧き出ていた清水を使ってビールを作っていた。
ちなみに、後にビール瓶工場になった大日本麦酒の跡地に建てられたのが横浜ビジネスパークである。
サッポロビールの年表ページでは、当時の東京麦酒保土ケ谷工場の写真を見る事ができる。
1907年 東京麦酒新株式会社の買収(外部サイト)

原節子が14年間暮らした実家が保土ケ谷駅の近くだったことも、つい最近知った。
時の流れを超えて 〜原節子の余生〜


9月26日 日曜日。
特にやることもないので、黄金町で映画を観た後、そのまま歩いて保土ケ谷の事務所まで行き、美味い肉でも焼きながらビールを飲むことにした。
スマホの地図アプリで検索すると、大原トンネル(隧道)がおすすめスポットで表示された。
大原隧道というものがあるというのは知っていたけど、どこからどこへ通じてるトンネルなのかいまいちわからない。
特にやることもないので(二度目の呟き)で、そのトンネルを通って事務所に向かうことにした。

IMG_6887.jpgIMG_6888.jpg黄金町から少しの間大岡川沿を行き、南太田から入った平戸桜木道路の南太田交番辺りから清水が丘の方へ曲がった。
少し行くと首都高速の下を潜る。
これが、その橋脚。
路地に架かるほとんど人目に触れない橋にもかかわらず、なぜかしっかりデザインされている。
そして、その橋の真下に獅子頭共用栓があった。
獅子頭共用栓というのは、横浜に水道が普及していなかった時代にできた給水設備で、今でも沢山残っているらしい。
水は、獅子の頭から流れている。
ディズニーランドの隠れミッキーじゃないけど、この獅子頭共用栓を探しながら街を散歩するのも楽しいかもしれない。

IMG_6889_20210926.jpgIMG_6891.jpgそして、大原隧道。
車が通れないトンネルで、長さは254メートル。
夜ここを歩くのは、なかなかスリルがあるかもしれない。

IMG_6894_20210926.jpg大原隧道の出口から事務所までは1キロ。
出口を出てから普段通っている道に出るまでは、たったの1分だった。
これが本当の灯台下暗し。
特にやることもない時のぶらぶら歩きは面白い。