Kean NAKAMURA-BERTAが来る日

kian-1.jpgヨーロッパから素晴らしいニュースが飛び込んできた。
Kean NAKAMURA-BERTA -中村紀庵ベルタ-がFIAヨーロッパカート選手権のOKクラス(15-18才)でシリーズチャンピオンを獲得した。
表彰台でチャンピオントロフィーを持つ彼が心なしか申し訳なさそうな顔に見えるのは、下記のようないきさつがあったから。

最終戦前のシリーズ順位は、こうだった。
1- Joe Turney (GBR) 79 points
2- Kean Nakamura-Berta (GBR) 62 points
3- Alex Powell (JAM) 55 points

Keanは、シリーズ2位で最終戦を迎えた。

最終戦では、Keanの予選順位は9位で圧倒的に不利。
しかし、予選がKeanよりも後方だったJoe Turneyが早々にコースアウトしてしまい脱落。
Keanは、24周レースの21周目の時点で3番手。
この時点で、Alex Powell(メルセデスAMG F1ジュニア)が2位以下を引き離していたので、このままゴールすればシリーズチャンピオンはAlex Powellのものだった。
1- Alex Powell (JAM) 80 points
2- Joe Turney (GBR) 79 points
3- Kean Nakamura-Berta (GBR) 78 points

しかし、ここで2番手を走行していたEvan GiltaireにKeanが所属するチームからチームオーダーが発令され、EvanとKeanがチェンジ!!
Keanが2位でチェッカーを受けたことにより最終順位はこうなった。
1- Kean Nakamura-Berta (GBR) 82 points
2- Alex Powell (JAM) 80 points
3- Joe Turney (GBR) 79 points
⇨最終的なリザルト
https://www.fiakarting.com/championship-standings/2022-fia-karting-european-championship-standings-ok

かわいそうなAlex。
Keanは、Alexの気持ちを思いやって上の写真の表情になったんだと思う。

最終戦の様子は下記のビデオで見れます。

Keanは、2007年11月生まれの15歳。
スロバキア人の父親と日本人の母親の間に生まれた。
ちなみに、2021年は、FIAヨーロッパカート選手権のJuniorクラス(14才まで)でシリーズチャンピオンになっていたので、2年連続でチャンピオンを獲得したことになる。
メディアでは "日本人の…" とか "日本人初の…" とかの前置きがつくけど、ハーフなんだからその言い方はちょっと違う気がする。
国籍で言うのであれば、FIAに届けられたKeanの国籍は英国なので、"英国籍の…" とか "英国の…" が正しいし、どうしても日本という字を入れたいのであれば "日系の…" とか "日本人の血をひく…" という言い方が正しい。
いつものことながら、日本のメディアはナショナリズムを煽り過ぎる傾向がある。

16歳になっている来年は何に乗っているかわからないけど、4年後にはF1に乗っているかもしれない。
まだフォーミュラカーに乗ってもいないのに、気が早いとは思いつつ心から応援したい!! と思えるドライバーが出てきた。
F1の表彰台の一番高い場所にKean NAKAMURA-BERTAが上がるその日が今から楽しみで仕方がない。
その景色を見れるように、自分も元気でいたいものである。