青天を衝けた日 〜谷川岳〜

遅ればせながら昨年の大河ドラマ「晴天を衝け」を観た。
渋沢栄一にはあまりいい印象がなかったので、実際に放送されていた時には観ていなかった。
「NHKオンデマンド」で、たまたま第14話「栄一と運命の主君」を観たら興味が湧いて、気がついたら1週間で全41話を一気観していた。
ちなみに、私はNHKの地上波は見ることができないので、NHK制作の番組を観る時は「"お金を払う価値のある" NHKオンデマンド」である。

第7話は「青天の栄一」。
2021年3月28日に放送されたこの回は、ドラマのタイトルにもなっている "青天" がサブタイトルにも入っている唯一の回。
NHKオンデマンドに書いてあるあらすじを抜粋してみる。
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長七郎が江戸へ武者修行に行き栄一は千代と気まずい関係が続いていた。さらに喜作が千代を嫁にもらいたいと言いだし栄一は動揺する。一方江戸では、老中・阿部が亡くなり、幕府は大混乱。慶喜を次期将軍に推す声が日増しに高まる。そんな中、惇忠と藍売りに出かけた栄一は、山道で漢詩を読み歩く中で真の思いに気づき山頂で青天を衝く!
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sc2_20220701.jpg© NHKsc4_20220701.jpg© NHKsc1_20220701.jpg© NHKsc3_20220701.jpg© NHK

山道を歩き、山頂に出た栄一は、その景色に圧倒され、岩の上に立ち上がって、真っ青な空に拳を突き上げ、青天を衝く…。
ロケ地を調べると、その山は谷川岳だった。
遠くない! 行ける! 是非自分も同じように青天を衝きたい!! と思った。
事務所で外泊した翌日、晩酌をしながら家の主人に伝えた。
「明日、山に行って来ま〜す。」

IMG_8754.jpg7月1日 金曜日 8時半、谷川岳ロープウェイに乗っている。
快晴!! 冷房のないロープウェイの中は暑い!!
ここ数日続いた暑さは今日も続き、都会の気温は35℃まで上がる予報。
事前に見た谷川岳の予報が本当なら、山頂の気温は20℃。
本当なら嬉しい。

IMG_8757.jpg標高1,320mの天神平駅から歩き始めて10分で、谷川岳はこんな感じで見える。
今日は、トイレのある肩ノ小屋からトマの耳を経由し、1,977mのオキの耳まで。そこから引き返して同じ道を下山する。

IMG_8766.jpgドラマの中で拳を衝き上げている場所は、周りの山々の様子からすると、谷川岳の山頂ではないと思っていた。
そして、登山道の脇に同じような岩を見つけた。
先端まで上がり、栄一と同じように手のひらを太陽に向け、静かに握って青天を衝いた!
私の後から登ってきた登山者は、私が何をやっているかわからない様子で不思議そうな顔をしながら通り過ぎて行った。

IMG_8768.jpgIMG_8771.jpg早々と目的を達成してしまった。
このまま帰ってもいいところだけど、せっかく安くない交通費をかけて群馬までやって来たので、予定通り山頂まで行ってみることにする。
金曜日にも関わらず、たくさんの人が登山道を登っている。(1枚目の写真をクリックすると大きな写真で確認できます)
そして、山頂近くではまだ雪渓が残っているようだ。

IMG_8777.jpg振り返って見たところ。
思ったよりも暑い登山道では、所々でリュックを下ろし座って休んでいる人たちがいる。
ところが、体重が減っている今の私は元気。
けっきょく昼飯を食べたオキの耳までリュックは担いだままで、全くの疲れ知らず。

IMG_8778.jpg雪渓はこんな感じ。

IMG_8807.jpgトマの耳から見たオキの耳に続く登山道はこんな感じで、なかなか良さげ。
遠そうに見えるかもしれないけど、ここからはたったの10分。

IMG_8798.jpgIMG_8799.jpgミヤマキンポウゲとユキワリソウ。

IMG_8802.jpgオキの耳に到着。

IMG_8804_20220701.jpg万太郎山、仙ノ倉山、平標山(たいらっぴょうやま)に続く稜線。
とっても歩いて見たいけど、ワンウェイなのでアクセスは電車になる。

IMG_8805.jpg山頂で昼飯を広げるのは気がひけるので、数十メートル先まで行ったこんな場所で腰を下ろした。
昼飯は、コンビニのおにぎり弁当とコーヒー。

IMG_8801.jpg帰路。
トマの耳の頂上には人が立っている。
風が止んで暑くなった。

IMG_8808.jpgトマの耳を過ぎ、眼下に肩ノ小屋が見えた。
どこからでも目立つ独特な形の標識を真っ直ぐ行くと、下りが少し危険な西黒尾根。

下山中、登って行く人と何人もすれ違った。
これから山頂まで行ったら、帰りのロープウェイに間に合わない可能性大だけど、大丈夫なんだろうか?

天神平駅のレストランで到着ノンアルビールをもらい、ロープウェイで下山。
下山後、山岳資料館を覗き、ガイドの方と立ち話してから、場違いなBGMが流れている駐車場に戻った。
後は、コロナで何年も行くことができていない沼田の民宿に向かい、至福の温泉&夕飯にありつくだけだ。

(あとがき:2022.7.2)
翌日、大泉学園に住んでいる息子の家にお土産を届けた。
練馬は暑い!!

(あとがき:2022.7.11)
「晴天を衝け」の徳川慶喜(草なぎ剛)がとても良かった。
徳川慶喜は、いろいろな目で見られていて評価が分かれる人だけど、実際はどんな人だったのか俄然興味が湧き、もっと徳川慶喜のことを知りたくなった。
で、「徳川慶喜 最後の将軍(司馬遼太郎 著)」を購入。
今読んでいる、川路聖謨(かわじとしあきら)のことを書いた「落日の宴(吉村昭 著)」が読み終わったら読みます。