静寂か紅葉か 〜涸沢カール〜

2日目。
宿から上高地へ向かうマイクロバスは8時30分に出発する。
マイクロバスには10人ほどの乗客がいたけど、大きなリュックを抱えているのは我々だけ。
ちなみに、宿に泊まっていた人の内、中の湯から焼岳に登るのは、4人の女性パーティ1組だけだった。

IMG_9352.jpgバスターミナルに到着し、出発準備。
今日の宿は、涸沢ヒュッテで食事は付けていない。
女子1号は、テラスで飲む酒のつまみや、朝食用にリゾットのようなものを持ってきているらしいが、私は夕食も朝食も山小屋やバスターミナルにある売店で買えるもので済ます。
なので、ここでは昼飯用に美味しそうなパンだけを仕入れた。
山小屋で飲む酒は、ワイン1本とナルゲンのフラスコに入れたウイスキーがあるので "たぶん" 足りるはず。

IMG_9353.jpg前回涸沢に行ったのは2015年9月11日だったので、今回とほぼ同時期で快晴。
天の川の夜 1日目〜涸沢カール〜
そして、今回も快晴!!

IMG_9361_20220914.jpg1時間半歩いて、徳沢に到着。
紅葉シーズンは、ここのベンチも人だらけになるのかな?

IMG_9362.jpg横尾で昼飯を食べて再出発。

IMG_9364_20220914.jpg本谷橋の手前で、猿の集団が歩いて来た。
あなた達はどこでも歩けるんだから、無理して人間と鉢合わせする登山道を歩かなくてもいいと思うけど…(^^;
この後、本谷橋で休憩していると、群れからはぐれた一匹が大きな声を出しながら橋を渡って来た。

はぐれる時は、何か別のことを考えていたり、興味があったり、ぼ〜っとしているからである。(経験者談)
私も子供の頃、両親とデパートに行き母親の服の裾を掴んで歩いていたはずなのに、いつの間にか違う人の服を掴んでいて迷子になったことがある。
もっと小さかった頃には、こんなこともあった。
親におもちゃのバケツをもらった。
「これはなににつかうの?」
「これはね、水を汲んだりする時に使うんだよ」
その後、迷子になった。
親や近所の人が必死になって探しても見つからず、いよいよ警察に…と考え始めた時、ある人が「バケツを持った子なら銭湯に方に行ったわよ」と教えてくれた。
銭湯に入った親が見たのは…、一人黙々とバケツで水を汲んでは捨てている私だった。

IMG_9370.jpg涸沢カールに到着。
前回はテント泊で、気温は4℃まで下がった。
今回は小屋泊で、気温も10℃くらいの予報。

涸沢の紅葉は今月の終わり頃から。
小屋の宿泊料金も今週末から値上がりし、1泊2食付きで16,000円になる。
それでも、予約状況を見るとすでに満室。
私は、"紅葉"と"静寂"の比較なら静寂を取りたいので、夏休みが終わり紅葉の前の "この" タイミングになる。

IMG_9376_20220914.jpg太陽が穂高の後ろに沈んで行く。
夕食時間なので、テラスにはほとんど人がいない。
売店でもらった絶品ラーメンを食べ終わった我々は、絶景ワインタイム&ウィスキータイムを楽しんだ。
この壮大なテラスで酒を飲む時間は、私の中でベスト5に入るお気に入り!!

IMG_9384.jpg翌日、我々は朝5時過ぎにテラスにある自炊席に移動。
5時20分を過ぎると、沢山の人がテラスに集まってきた。

5時30分、背後にそびえる山々が燃えるようなモルゲンロートになり…

IMG_9388.jpgそして終了。

上高地バスターミナルから涸沢カールまでは、徒歩で6時間。
行きは、横尾までの2時間半がなんとも遠く感じる。
しかし、帰り道のこの2時間半は、さっきまでいた非日常的な場所から、日常に戻る通路のようでなんとも名残惜しく感じる。
次はいつ来れるだろうか?
その時も横尾までの2時間半が遠く感じるだろう。