元気をありがとう 〜金峰山〜

2日目、今日は金峰山に登る。
金峰山の読み方は2つあり、山梨県では「きんぷさん」長野県では「きんぽうさん」と呼ぶ。
私は、今回の計画を立てるまで「きんぽうさん」と読んでいた。

山荘からクネクネ山道を奥へ奥へと上がって行き、標高2,365mの大弛峠についた。
この高さまで車で来られることが素晴らしい。
ちなみに、富士スバルラインで行ける富士山5合目の標高は2,305mである。

山道の運転に慣れていない人は、バスを使えば気軽に行ける。
塩山駅から大弛峠までは約1時間半。
ただ、予約が必要だったり途中でマイクロバスに乗り換えたりってこともあるらしく、これはこれでなかなか難易度が高いかもしれない。

大弛峠には無料の駐車場やトイレがある。
月曜日の早朝なので何も心配していなかったけど、着いてみたら駐車場はほぼ満車。
たまたま1台出て行く車があったので、そこに滑り込んだ。
最近は平日でも油断できない。

IMG_9646.jpg歩き始めるとすぐに、こんな立ち枯れ(縞枯れ)の場所が現れた。
場所によって、この様な状態になるのは何故なんだろ?

IMG_9648.jpgIMG_9647.jpg朝日岳の手前では岩の道になり、大きく視界が開けた。
今日は、雲が多く快晴ではないけど、空一面を覆った薄い雲が光を通すフィルターとなり、なんとも穏やかで美しい。

IMG_9651.jpg朝日岳からは、これから向かう金峰山が見えた。
ここから1時間半の道のりである。

IMG_9654.jpg美しい道が続く。

IMG_9657.jpgIMG_9658_20221003.jpg山頂に向かう途中の尾根で、カメラを抱えた私よりもだいぶ年配の男性と立ち話をした。
「今年の紅葉はどうですか?」
「今年も良くないねぇ」
「最近よかったのは何年くらい前ですか?」
「20年くらい前かなぁ」
その男性は昔を思い浮かべながら、少しガッカリした表情でそんな話をしてくれた。
この男性は、ここの自然の何かが変わっている事を実感しているんだろうと思った。

そんな話をしていると、同じ宿に宿泊していた84才のソロ男性が山頂から下りて来た。
このソロ男性、昨日我々と同じ山を登り、同じように2時間ドライブして我々と同じ宿に到着した。
そして夕食時に少し話しをさせてもらった。
「この年になって心配されるんだけど、毎週どこかに行きたいんですよ。」
「明日は金峰山に登られるんですか?」
「皆さんと同じようなペースでは歩けないので、少し早めに出発しようと思っています。」
「その後はどうされるんですか?」
「茅野の近くに、安く泊まれる温泉宿があるので、そこで旨い酒でも飲みます。」

私が、
「この方同じ宿だったんですが、昨日奥さんが心配して宿に電話がかかって来たんですよ(^^」
と話すと、その写真家の男性は、
「僕は、連絡できない時があると余計な心配かけるので、家にはいっさい連絡しないことにしてますよ(^^」
84才のソロ男性も苦笑い。
それにして、自分がもっと年を取った時、この男性達のようにパワフルに動けていられるだろうか?
いや、動いていられるようにしよう!!
なんだかとっても元気をもらえた気がする。

IMG_9661.jpgIMG_9663.jpg金峰山の山頂に到着。
五丈岩の手前は大きな岩だらけで、どこから行けばいいのかパッと見わからない。
我々は、切れ落ちている左端を行ってスリルを味わった。
たぶん五丈岩に向かって真ん中から右側を行くのが正解。

それにしても不思議である。
神様の子供が遊び半分に大きな岩を積み上げたようにしか見えない。

IMG_9666.jpgIMG_9669.jpg五丈岩の左側から裏に回れるみたいなので行ってみた。
裏側から見る五丈岩は、正面から見えるイメージと大違い。

IMG_9670.jpgほぼ真後ろから見上げてみた。
これは、やっぱり誰かが積み上げているに違いない。

IMG_9671_20221003.jpgその下でたたずむ女子1号の勇姿。
リュックに括りつけたトレッキングポールが、何かのアンテナに見える。

下山し、靴を履き替えていると、84才のソロ男性が下山して来た。
「美味しいお酒までもう少しの辛抱ですね(^^」
手を振りながら駐車場を離れた。

勝沼インターチェンジ近くの日帰り温泉に入り、地元までの到着時間が見えたところで打ち上げの居酒屋に予約の電話を入れた。
きっと生ビールが美味いはず。

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