紅葉と穴地獄 〜チャツボミゴケ公園〜

2日目、今日はチャツボミゴケ公園から森に入り、昨日歩けなかったルートを歩く。
それにしてもチャツボミゴケ公園とはヘンテコな名前の公園である。
「チャツボミゴケ」とは何なのか?
それは強酸性の温泉水が流れる場所で育つコケの一種で、ウィキペディアによると「水中に含まれる鉄イオンを使ってエネルギーを得る過程の副産物として鉄鉱を作り、体内に鉄などを蓄積した死骸が沈殿することで褐鉄鉱の鉱床もできる。」と書いてある。
コケやバクテリアにより、この場所で褐鉄鉱の鉱床ができ、長い間鉄鉱が採掘されていた。
鉄鉱採掘は1970年以降行われていないが、今でもチャツボミゴケにより褐鉄鉱が生成されているらしい。
コケやバクテリアが鉄を作る…というのは全くピンとこない話である。

ちなみに、穴地獄という名前の由来が「トリドリ」という旅行サイトに載っていたので引用する。
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かつてチャツボミゴケ公園周辺には鉄鉱石の鉱床があり、1966年(昭和41年)まで露天掘りによる採鉱が行われていました。その露天掘りのくぼみに動物が落ちると、抜け出せずに死んでしまうことから“穴地獄”と呼ばれるようになりました。
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IMG_9883.jpgIMG_9884.jpg朝飯の前に湯畑を散歩してみた。
温泉というと我々も含めてお年寄りが行く所…というイメージがあるけど、草津は若者が多い。
自撮り棒を持った女の子が、何か話しながら歩いていたりする。
温泉街はこじんまりしていて、かつ、どの宿や店もリニューアルされているようで、"古びた" 感じはいっさいない。
私は昨日、老舗っぽい酒屋に入り、感じのいい主人に勧められた日本酒をお土産で1本買った。

IMG_9888.jpgチャツボミゴケ公園までは、宿から20分ちょっと。
我々以外でリュックを担いでいる人は一人もおらず、受付から公園の入口までのたった1.3キロを専用バスに乗って移動している。
我々は、もちろん舗装されていない登山道を行く。

IMG_9892.jpgIMG_9894.jpg公園入口からは、普通の靴でも歩きやすいようにビニールのシートが敷かれていて、ちょっと興醒め。

IMG_9897.jpgチャツボミゴケが群生する穴地獄まではすぐ。
広大に群生しているかと思ったらそうでもなくて、写真では少ししか撮せなかった。
ここから登山道に入る。

IMG_9899.jpg水池、大池に向かう道。

IMG_9905.jpg大池。

IMG_9911.jpg平兵衛池(へいべいいけ)、八石山(やついしやま)に向かう途中。

IMG_9914.jpg標高1596メートルの八石山から草津の街を見下ろす。

IMG_9920.jpg平兵衛池。
日本全国 池さんぽ」の著者である市原千尋さんが、この池にまつわる大蛇伝説について興味深い解説をしてくれているのでリンクする。
登山で行く標高1,500mの天空伝説の池(外部サイト)

IMG_9922.jpg平兵衛池から公園までは約1時間。
こんなに楽しく快適に下れる道は滅多にない。
赤毛のアンが笑顔で歩いたプリンス・エドワード島の森もこんな感じなのだろうか?
新緑の頃にも歩いてみたい。

IMG_9924.jpgIMG_9929.jpg公園に着くと、色づいた紅葉と観光で来た人達に再会。
森の中を歩いていた2時間ちょっとの間は誰にも会わなかった。
芳ヶ平湿地群ミニブック(外部サイト)