品(ひん)

品のある人が好きである。
似たような言葉で「気品」とか「上品」というものもあるけど、その言葉の持つイメージとはちょっと違う。

学校の先生では、小学校6年の時担任だった今村ヨシ先生、高校3年の時担任だった橋本邦雄先生は品がよかったという印象が残っている。
27才の時、会社を辞めフリーで最初に契約した会社の部長さん。
2013年、伊豆の本瀬で話をした91才のおばあちゃんと、西馬音内の民芸店にいた年配の女性。
2019年、仕草だけで品の良さがわかった西馬音内盆踊りで踊っていた女性。
横浜でお好み焼き屋を営むおかみさんと、小料理屋のおかみさん。
三崎で店を営むマスター。
他にも品のいい人にたくさんあった。

自分に品があるかどうかは別にして、常日頃、品のある態度や仕草で行動したいと思っている。
品というのは何歳になったら身につくものなんだろ?
品のいい子供なんてのがいたら絶対に友達になりたくないと思うし、10代、20代、30代くらいまでは、そんなこと考えもしなかった。
でも、品というのは子供時代を含め長い時間をかけて培われ、その人の真ん中に根付くもののように思う。
なので、60才にもなって品のない振る舞いをする人間は、そのような生き方をしてきた人だ…と言えるんじゃないだろうか。

ちなみに、21世紀以降、自民党から出てきた総理大臣の品の無さは痛々しいし、情けない。
…「日本は天皇を中心とした神の国」などと真顔で発言したノミの脳みそ森喜朗。
…「自民党をぶっ壊す」と言って日本をぶち壊した小泉純一郎。
…「ナチスの手口に学べ」と言って実際にその通りに行動したマフィアファッションが好きな麻生太郎。
…「ニッキョーソ、ニッキョーソ」と国会でヤジを飛ばし、ゴミを床にポイポイ投げ捨てた安倍晋三。
…「全く問題ない」が口癖で異なった意見に耳をかさなかった菅義偉。
…「検討、異次元」が口ぐせで強い意見に逆らえない「聞く力」がゼロの岸田文雄。
首相以外の閣僚についても、品のない人間のオンパレードであり、悪い意味で "類は友を呼ぶ" 状態である。

品のいい政治家を選ばなければ、品のない国になってしまうのは時間の問題だと思っていた。
しかし、「高齢者は集団自決しろ」と発言するような輩を平然とテレビに出すメディアを見ていると、既に日本は「品」を失い「下品」な国になっているのかもしれないな…とも思う。