ガジュマルの樹の下で

IMG_1816.jpg「ガジュマルの樹の下で」が届いた。
古本屋さんの入荷待ちに登録したのは2020年だったので…手にいれるまで3年かかった。

この本の作者は「城ノ内真理亜(じょうのうちまりあ)」さん。
そんな作家は知らないなぁと思った人…それは正しい。
逆に、本の表紙や挿絵を見て、あ〜あの「ちゅらさん」に出てくる真理亜さんねっとピンときた人がいたら…それは素晴らしい。

2001年に放送された朝ドラ「ちゅらさん」は、沖縄県の小浜島(こはまじま)で生まれ育った国仲涼子さん演じる古波蔵恵里(こはぐらえり)(愛称「えりぃ」)の物語で、主な舞台は、小浜島、那覇、えりぃが住むアパートとえりぃが働く病院、そして沖縄料理屋。
菅野美穂さん演じる城ノ内真理亜は、えりぃが住むアパート「一風館」に住んでいる口の悪いメルヘン作家である。
作家になったきっかけは、病気の妹に自分でつくった物語を話して聞かせていたことで、これは宮沢賢治に通じるものがある。

全156回の内84回までは、えりぃが結婚するまでの物語で、城ノ内真理亜は小学生の時に結婚の約束をしたというえりぃの純粋な気持ちに惹かれ、それを題材にした小説を書いた。
それが、「ガジュマルの樹の下で」である。
と言っても、この本を菅野美穂さんが書いたわけではない。
あくまでも、物語の中の城ノ内真理亜が書いた本という設定で出版されているのが面白い。
「ガジュマルの樹の下で」というサブタイトルが付いているのは第79〜84回。
この第84回は、何度観ても感動で胸がいっぱいになってしまう。
ちなみに、その第84話は視聴者による "朝ドラで記憶に残っている名シーンランキング" で第4位らしい。
朝ドラ史上最高の絶景でプロポーズ(外部サイト)

IMG_1817.jpg田中渉(たなかわたる)さんの挿絵がとってもいい。
本の奥付に書いてあった本当の著者は蒔田陽平(まいたようへい)さん。
あの「この世界の片隅に」や「最後から二番目の恋」をノベライズした方だった。

「E.Uに贈る」のE.Uとは、結婚して苗字が上村に変わったえりぃのイニシャル。