リュックの中身は何ですか? 尾瀬2日目〜見晴から三条ノ滝・鳩待〜

IMG_1961.jpeg2日目の朝。
まだ5時前だけど外はこんなに明るく、そして清々しい。
昨日の夜は20時半に部屋に戻り、真っ先に寝たパーヤマの鼾をものともせず、こちらも爆睡した。

小屋前のベンチに座って朝飯。
コーヒーのお湯を沸かしている間に、キュウリとミョウガの浅漬けを作った。
私は珍しくアルファー米のキノコご飯。

セトがリュックからホワホワのフリースを取り出して「これ着たかったなぁ」と私に訴えかけている。
続けてユキちゃんも「ほんとよねぇ、着たかったなぁ」と相槌を打っている。
ふむ…尾瀬では10日前に霜が降り、朝の気温が10度を下回っていたので「薄手のダウン」がいるかも…と言っていたのは私である。
決行2日前にも「ダウンはいらないけど、フリースはあった方が安心かも」…と言っていたのも私。
そんなことを言っておきながらフリースを持ってきていない私に対する "静かな抗議" のようだ。
しかし、そんな抗議の視線をこちらに向けながら、2人は"がんこ職人" のお煎餅パックやら、バカでかお椀と400ccマグカップをテーブルに並べた。
パーヤマも、昨日の昼飯に続き二つ目のカップ麺にお湯を入れている。
ふむ…次回(あるのかっ?)は、余計なことは言わず、それぞれの判断に任せた方がいいかもしれない。
この人達であれば、どんな嵩張るものでも何食わぬ顔で楽々と持って来れそうな気がする。

IMG_1966.jpegリュックを山小屋に預かってもらい、6時に三条ノ滝に向かって出発。
サブバッグを持ってきていない女性陣は、まるで近所のマーケットに買い物にでも行くような雰囲気である。

IMG_1973.jpegぬちゃぬちゃどろんこ道で、なぜそっちを歩くの?的な側を歩いて靴をグチャグチャにしたり、買い物バックを無理やり両肩に通そうとして肩掛け紐をぶち切ったりしながらこんな道を行く。

IMG_1978.jpeg昨日の時点で靴底が寿命を迎えていたパーヤマのトレッキングシューズは、このどろんこ道でついに末期的な状況になった。
このシューズは、スイスやドロミテ、マウントクックを共に歩いてきたもので、かれこれ10年くらい使ってるとのこと。
頑張ってくれたんだなぁ〜と思う。

IMG_1987.jpegカキツバタ。

IMG_1989.jpeg見晴に帰還中。
こちら側の木道は、ほとんど人が歩いていない。

IMG_1993.jpeg山小屋に到着。
パーヤマのシューズは、私が予備で持っていた細引きで応急処置。
歩きづらいとは思うけど、ここからは、平らな木道と山の鼻からの若干の登りがあるだけなので、なんとかなりそう。

P7030007.jpegニッコウキスゲ。

P7030010.jpeg龍宮小屋の先には、4年前にはなかった鹿避けの柵が設置されていた。
ミズバショウやニッコウキスゲが復活してくれたら嬉しい。

P7030012.jpeg尾瀬アオイトトンボ。(拡大できます)

20230703_110352.jpeg(撮影:パーヤマ)

イトトンボを撮影する私。
もっと近づけばいいのに…(^^;

20230703_111656.jpeg(撮影:パーヤマ)

至仏山をバックに記念撮影。

P7030022.jpegカキツバタの咲く木道を行くパーヤマとユキちゃん。

20230703_114034.jpeg(撮影:パーヤマ)

微妙に風が吹いていて逆さ至仏にはならず。

P7030027.jpeg尾瀬ヶ原ともお別れ。

山の鼻小屋で丼飯を食べて元気を補充。
最後の登りを頑張って、13時53分に鳩待峠に到着した。
14時に戸倉行きのバスが出るとのことなので、速攻でバスのチケットと花豆ソフトをゲットして、バス乗り場に向かった。
ソフトクリームを食べながらバスに乗り込んだ我々が最後かな?…と思ったら、その後からも数人乗り込んできた。
駐車場には戸倉行きのワンボックスタクシーも沢山待機してるんだから、そんなに満席にしなくてもいいのにぃ。

お風呂に入ろうと思っていた尾瀬ぷらり館はなぜか休業中。
仕方がないので、日帰り温泉を探すことにした。
片品温泉で、源泉かけ流しの小さな温泉を発見し、とってもいいお風呂に入ることができた。
皆さん、楽しい2日間ありがとうございました!

--<余談>---
さて、ここからは余談である。
とってもくだらない話なので、この先は読まない方がいいかもしれません。

足の痛みでセトが悶絶したり、パーヤマのシューズが壊れた事を除き、ここまでは大きなトラブルもなく "楽しい2日間" が終わりそうだった。
温泉を出た時点で、時間は15時を回っている。
パーヤマは今日が結婚記念日だけど大丈夫なんだろうか?

「夕方までに戻れれば…」と言っていたものの、ここからまっすぐ帰っても夕方までには帰れない。
「どこかで野菜を買って帰ろうかなぁ」
と言いながら、奥さんのご機嫌を取る作戦を考えている様子。
温泉を出て少し走ったところにあった道の駅にパーヤマのBMWがノーズをきった。
私のAUDIも後に続く。
道の駅の野菜売り場で、何気なく見た私の左手に違和感。うっ時計がない…(^^;
「ごめん、温泉に時計を忘れてきたので取りに行ってくる。」
私の忘れ物事件で、30分のロス。
ごめんなさい!

沼田インターに向かって走り始めたBMWのリアウィンドウでネギの束が揺れている。
パーヤマに電話をしてみる。
プルルゥゥゥ…プルルゥゥゥ…プルルゥゥゥ…(なかなか出ない)…プルルゥゥゥ…
「(女性の声で)はい。」
パーヤマの助手席に乗っているユキちゃんの声に聞こえた。
「あっユキちゃん?」
「あの〜どちらにおかけですか?」
「ユキちゃんでしょ?!」
「◯◯ですけど…」
ここで気づいた(!!)
間違ってパーヤマの自宅に電話してしまったらしい
「あっチバです。ご無沙汰してます。間違って自宅にかけちゃったみたいです。いまご主人がネギ積んで前を走っています。」
どうなんだろ?これはまずい状況なんだろうか?
慎重に番号を選んでパーヤマの携帯に電話する。
「いま自宅に電話しちゃった。」
と言って、奥さんとの短い会話を報告した。
苦虫を噛み潰したようなパーヤマの顔が眼に浮かぶ。
「大丈夫?」
「…大丈夫だと思う…」

赤城高原サービスエリアに到着。
私はここでお土産を買う。
パーヤマがそわそわしている。
「ここで解散して、まっすぐ帰ろうかな…」
急いで帰りたいみたいなので、パーヤマとはここで別れた。
「あ〜あぁ、降ろされちゃったぁ」
とユキちゃんがボヤいている。

いったいパーヤマはなんと言って家を出てきたのだろう?
雰囲気からすると、奥さんは私と尾瀬に行くことを知らないようだった。
その後、残された3人が乗る車の中では、なぜ私が自宅に電話してしまったのか?…という話になった。
私は、スマホの発信履歴から電話をかけた。
履歴は2つあった。
そこで、昨日の一件を思い出した。
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高坂サービスエリアの手前でもう一度電話をしてみる。
呼び出し音が鳴っているのになかなか出ない。
一度切って、もう一度かけると出た。
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この呼び出し音が鳴っているのに出なかったのが自宅にかけていた履歴と判明。
私は、昨日も自宅に電話をしていたらしい(^^;

もう一つの原因は奥さんとユキちゃんの声があまりにも似ていたことだ。
それは車内のスピーカーで奥さんの声を聞いていたセトも証言してくれた。

翌日、パーヤマからメールが届いた。
奥さんは、会社の同僚との尾瀬と思っていて、"結婚記念日だけど、お付き合だからしょうがないな" と諦めていたのに、私からの電話で仲間内の尾瀬だってことがわかってご立腹…というのが事の顛末だったらしい。
メールの最後に「秋のトレッキングは記念日と被らないので問題ありません。」とあった。
へ?秋にもどこかへ行くの?