今度はあっちで!! 那須岳2日目〜三斗小屋温泉から下山〜

2日目の朝、いつもどおり4時になると目が覚めた。
さっそくタオルを持って、誰もいないであろう露天風呂へ向かう。
露天風呂は、1階にある露天風呂用の出入口でスリッパから外用のサンダルに履き替え、宿の外通路を通って少しだけ山道を上った所にある。

2階の部屋から急な階段を下りた所にある狭い洗面所で顔を洗い、露天風呂出入口へ歩き出すと、昨日の夕食時におしゃべりだった老夫婦のオバサンがトコトコ歩いている。
うぅ…まさか…そのまさかであった。
オバサンはスリッパを脱いで露天風呂出入口のドアを開け外に消えた。
たしかに朝は女性専用時間がない。
このまま私が行ったらオバサンと2人で混浴になってしまう。
年齢はともかく、素敵な女性とならそれもありかもしれないけど(ありなのか?!(^^;)、仕方なく部屋に戻り、時間を置いて出直すことにした。
それにしても危なかった。
もし、私が1分早く露天風呂に行っていたら…、あのオバサンは躊躇することなく堂々と混浴しただろう。

20分経過…出入口のスリッパを確かめると、まだ置いてある。
長風呂だ…
10分経過…なぜかスリッパが増えている(^^;
外用サンダルに履き替え、そ〜っと山道を上がると、おしゃべり老夫婦の話し声が聞こえた。
20分経過…出入口に行くとおしゃべり老夫婦がスリッパに履き替えていた。
これでスリッパはゼロ。
心の中でガッツポーズをしながら何食わぬ顔ですれ違い、外用サンダルに履き替えて露天風呂へ急いだ。
誰もいない!!

IMG_2419.jpeg苦節50分…やっとのことで湯船に浸かることができた。
最高に気持ちがいい!!

独り占めの時間を楽しみ、通路を通って出入口に戻ると、一人の男性客が外用サンダルに履き替えていた。
「誰もいませんよ」
と話しかけながらすれ違う。
選手交代である。

朝飯まで時間があるので、外にあるベンチでお湯を沸かしコーヒーを飲んだ。
昨日の道中で少しだけ話した男性がいた。
「コーヒーいかがですか?」
「じゃお湯だけください。今回はストーブを持ってこなかったので。」
その男性は、ここの温泉宿に泊まることが目的で富山から8時間かけて来ていた。

朝飯のお膳は、おしゃべり老夫婦の隣だった。
話しかけられないように黙々と食べ、お膳を後にした。

IMG_2422.jpeg7時30分 宿を出発。
今日は、姥ヶ平(うばがだいら)経由で牛首に登り、茶臼岳西側斜面の噴気地帯(無間火口)を通って避難小屋に抜け、ロープウェイ下まで歩いで下山する。

姥ヶ平の手前で、大黒屋に泊まっていたという女性に会った。
「大黒屋さんってどうですか?」
「いいですよぉ、もう13回くらい泊まっています。食事も部屋まで運んでくれるので…」
次回(あるのか?!)は、大黒屋に泊まってみよう。
ちなみに、大黒屋のお風呂は女性と男性が1時間ごとに交代するので、望まない混浴で苦労することはない。

P8260031.jpeg紅葉名所の姥ヶ平でひょうたん池に向かう木道。

IMG_2425.jpegIMG_2426.jpegひょうたん池はこんな感じ。
池自体はなんてことないけど、紅葉の時期に来たら素晴らしいかもしれない。

IMG_2431.jpeg牛ヶ首から噴気地帯を行く。
前回来た時よりも、噴気の量は少ない感じだけど生きてる山を実感できる。
ちなみに(何度も書いているけど…)、こういう噴気を見るたびに、女子2号が硫黄の吹き出している穴に手をかざしたことを思い出す。

IMG_2434.jpegP8260035.jpeg気持ちのいい道が続く。

下の白い実は、見たまんまの名前がついたシラタマノキの実。
ちなみに、この白い実を潰すとサロメチールの匂いがする。

IMG_2436.jpeg避難小屋までもう少し。

避難小屋からの下山道では、大人に引率されたたくさんの子供達とすれ違った。
子供達は日帰りだろうけど、今日の三斗小屋温泉の宿は満室。
そして、紅葉の時期は平日でも満室の日がある。

IMG_2438.jpegトリカブトの花がたくさん咲いている。
トリカブト…と聞くと、すぐに昔あった事件のことが思い浮かぶ。
たしかに猛毒のようで、どの部分に触っても手を洗った方がいいらしい。
致死量は、たったの葉っぱ1グラム!!
花言葉は「復讐」。
ちなみに、怖い花言葉の植物は他にもある。
クロユリの「呪い」は、イメージ的にわかるけど、めちゃくちゃ可憐なスノードロップの花言葉は「あなたの死を望みます」…。
怖い〜〜!!

下山し、峠の茶屋でノンアルをもらう。
登山口にある広い駐車場は満車だった。
ここに停められず、離れた場所に駐車したらしい人が次から次に歩いてくる。
昨日私が一番乗りで停めたロープウェイ乗り場下の駐車場も満車で、空くのを待っている車が並んでいる。

IMG_2439.jpeg下山後のお風呂は、人気の鹿の湯ではなく、昨日の道中で目をつけておいた旅館のお風呂を借りた。
非常に快適!!

IMG_2440.jpeg昼飯は蕎麦で!! と決めていたので、蕎麦屋の看板を探しながら車を走らせた。
で、入った店が「新鈴(しんすず)」という蕎麦屋。
なんと1日限定30食らしい。
私が注文したのは、天ぷらそば。大満足。

今回の山旅は天気もよく、酷暑のことなど全く忘れて過ごすことができた。
三斗小屋温泉は山間なので、別段眺望がいいわけじゃない。
でも、山道を歩いてしか行けず、携帯も繋がらない温泉宿はなかなかいい。
どっちの宿にするか迷っていた時に、大事な視点がなかったことに気がついた。
"ゆったり過ごせること"…この視点で選ぶと大黒屋だったような気がする。
できれば紅葉の時期に再訪してみたいけど、人が多いその時期は、ゆったり過ごせないような気がする。
紅葉を取るかゆったりを取るか…この選択には全く迷わない。
私は確実に後者を取る。