期待 パノラマ銀座1日目〜一ノ沢から常念乗鞍〜
北アルプス表銀座縦走…燕岳から大天井岳、槍ヶ岳を縦走するそのルートは、自分の体力では山小屋に3泊か4泊する必要がある。
お風呂に入れるのは早くても4日目の夕方になってしまうそんな山歩きを、私は本当にしたいのだろうか?
2019年9月に山岳会女子1号と燕岳に行った2日目の朝、大天井岳に向かう人達を見て、今度来る時は自分もそっちに向かって歩いてみたいと思っていた。
⇨女王様のお膝元
しかし、私にとって山小屋泊が続くそのルートは少しハードルが高い。
- 最低でもお風呂のない山小屋に3泊
- 混む休日を避け4〜5日間平日に休む必要あり
- 前泊しない初日に高山病が発症する可能性大
しかし、それでも行ってみたい…そお思っていた矢先にパンデミックが発生した。
そして4年後の2023年、前回と同じく、台風が迫り来る隙間でパノラマ銀座をプチ縦走することにした。
ルートは、一ノ沢から常念乗鞍に登り常念小屋で一泊、無理して常念岳には登らず、翌日は燕山荘まで行って一泊、3日目に中房温泉に下山する。
4年前に一緒に燕岳へ行き、同じように縦走に憧れていた山岳会女子1号に連絡してみた。
白馬でヘロヘロになったことと、山小屋に2泊が不安と言いながらも参加が決定。
9月3日 日曜日、予定より30分早く穂高駐車場に到着したにも関わらず、予約していたタクシーが待っていてくれた。
「忘れ物がないようにゆっくり準備してください。」
はい、お言葉に甘えてそうさせていただきます。
一ノ沢登山口までは、タクシーで40分。
一ノ沢の登山者用駐車場は結構広いものの、日曜日の朝ということもありほぼ満車だった。
駐車場からトイレのある登山口までは1キロほど歩く必要があるけど、タクシーなら登山口まで行ってくれる。
今回、一ノ沢から登ろうと思ったのには理由がある。
一ノ沢にはバスが来ていないので、交通手段は自家用車かタクシーになる。
中房温泉から登り一ノ沢に下山する時は、携帯が通じる場所でタクシーを予約するか、車の回送サービスを利用しなかればならない。
なので、今回は穂高駅までバスが走っている中房温泉に下山することにした。
登山開始。
登山口の標高は1,260メートル…ん?山地図では1,320メートルって書いてあるけど、どっちが正しいの?
1時間ほど歩いて休憩。
水筒はSIGGのアルミボトルを使っているので、こんな感じで沢につけておくとあっという間に冷たい水が飲める。
登山道はずっと沢沿いなので、ところどころで道も沢になる。
標高2,090メートルの胸突八丁に到着。
ちなみに、"胸突き八丁" とは、「ここが正念場でっせ」という意味。
常念小屋のWEBページからダウンロードできる「一の沢登山マップ
」によると、狭いつづら折りの道で危険と書いてある。
どんな道だろ?と思っていたけど、急勾配の木の階段はちょっとだけで、階段を上り切った後の道もそれほど狭いという感じでもなかった。
最終水場に到着。
標高は2,250メートル…ん?山地図では2,475メートルって書いてあるけど、どっちが正しいの?
常念小屋まではコースタイムで50分。
私の持病である高山病はまだ兆候なし…と思っていたら、この後やる気なしモードが発動。
一気に視界が開けて、常念乗越に到着。
常念小屋は目の前だけど、その先にあるはずの槍ヶ岳は…雲に隠れて見えない。
そして、今見えないということは、天気が崩れる明日も見れない…ってこと?
見えない槍ヶ岳に向かって左側は常念岳へ続く道、右側は大天井岳に続く道。
明日は、右側に向かう。
受付の所にかかっていた「常念小屋」の看板。
重厚で、なんとなく歴史がありそう。
ちなみに小屋が開業されたのは1919年(大正8年)。
案内された部屋は、10人くらいが寝れる大部屋。
部屋に入ると女性がいたので挨拶したけど、目があったものの返事がない。
どうやらCODAの方のようだ。
到着生ビールを飲んだ外のテラスと、小屋の自炊場。
自炊場は、オープンテラスで最高に気持ちがいい。
隣のテーブルに座った女性パーティの話声が聞こえる。
剱岳のことを聞かれたガイドさんらしい女性が話をした。
「剱岳は整備され過ぎていてつまらないですね。」
ふむ…ガイドさんであれば、自分のスキルを自慢するのではなく、山の魅力を語ってほしかった。
持ち寄ったツマミを食べながらワインをやっつけた後は、女子1号は売店で買った日本酒。
さすがである。
夕食は、キノコパスタにした。
こっちは、食堂の横にあるテラス。
食事が終わった後なのに誰もいないのはなぜ?
晴れていれば、ここからの眺めは最高!!(のはず)
寒くなったので談話室に戻ってウィスキーを飲んでいると、同じ部屋に泊まるCODAのペアと同席になった。
声を出しての会話はできないけど、身振り手振りで情報交換。
最後は、明日も楽しい山歩きができることをお互いに誓い合い、握手して別れた。
さて、明日は大天井岳を経て燕山荘まで。
コースタイムは7時間30分。
晴れていれば、疲れも感じないほど最高の景色の中を歩ける縦走路だけど、残念ながら明日の天気は雨模様。
降り出す時間は明日になってみないとわからないけど、視界は望めそうもない。
う〜〜せっかくここまで来たのに…(^^;
(2日目につづく)