計画実行 1日目〜長良川鵜飼〜

今年の初めにこんな事を書いていた。
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いま読んでいる短編小説集「魚影の群れ(吉村昭著)」の中に「鵜」という編がある。
これは、長良川鵜飼の話で、茨城県の伊師浜という所で捕獲されたウミウ(海鵜)を訓練し鵜飼で使うまでの話。
なんと鵜飼は、1300年以上の歴史があるらしい。
見てみたい。
ウミウ捕獲場
長良川鵜飼
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長良川の鵜飼は、5月11日から10月15日まで行われる。
どうしても見たかった私は、6月の乗合船を予約し、家族(カミさんと息子)と一緒に行く予定だった。
しかし、当日は台風2号が近畿・東海地方に接近し、岐阜市でも大雨を降らせる予報が出ていた。
毎日予報と睨めっこした後で、残念ながら中止を決断。
予約していたホテルや宿も全てキャンセルした。
息子は楽しみにしていた日がダメになったので、一人新幹線で京都に行こうとしていたけど、雨の量が半端なさそうなので諦めさせた。
そして、台風は予報どおりにやってきて、鵜飼は中止。新幹線も止まった。

そんなこんなで月日は流れ、カミさんと息子の休みが合わせられる10月に春の計画をリベンジすることになった。
計画の前半は「家族旅行」、後半は「一人旅」である。
具体的にはこう。
1日目 - 岐阜まで車で移動し念願だった鵜飼を見学。
2日目 - 京都に移動し午前中は一緒に観光。昼飯を食べた後で私は「家族旅行」から離脱して大阪に移動。数年ぶりにおでん屋で一杯。
3日目 - 和歌山に移動し、持ってきたカヤックで一泊二日のキャンプツーリング。
4日目 - キャンプツーリング後、藤枝へ移動して打ち上げ。
5日目 - 帰宅。

10月6日 金曜日、ラララ号にカヤック道具一式、キャンプ道具一式、3人分の旅行バッグを積み込み、一路岐阜長良川に向かった。

IMG_3126.jpeg昼飯は、上郷サービスエリアで名古屋コーチン親子丼とミニきしめんのセット。

移動しながら本日行われる鵜飼観覧のブリーフィング。
乗合船の出船時間は、18:15、18:45、19:15の3つあり、我々は「18:15」に出る船を予約をしているが、誰一人鵜飼観覧の流れを理解していない。
「鵜飼って3回やるのかねぇ」
「でも、終わる時間が20:30頃って書いてあったような…」
「それって、出船時間に関係なく鵜飼は1回だけってこと?」
「そうかも…」
息子がスマホで調べると、鵜飼の開始は19:45頃となっていた。
「それだと、我々の乗る船は、鵜飼が始まるまで1時間半あるってことだよね?!」
もう一度息子が調べる。
「なるほどぉ、18:15と18:45に出る船に飲食の丸印がついているのはそういう意味なのかぁ!!」
我々は、町の中で食事をしてから船に乗り込もうと思っていたけど、早い船に乗る人は船の中で食事をしたり飲んだりするのが正しい…ってことがわかった。
となると、お弁当とお酒を用意しなければならない。
もう一度息子が調べる。
「お弁当の予約は前日の午前中までらしい。」
まずい!!
コンビニのお弁当を持ち込むのも味気ないので、ここは絶対に仕出しのお弁当屋さんに注文したい。
息子が「鵜飼観覧船での食事について」のページを見ながら、当日でも注文できるお弁当屋さんを調べる。
私なら片っ端から電話して確認するところだが、電話嫌いの息子は一軒づつネットで検索して当日でも注文できるかどうか確認している。
この性格の違いはなんなんだろう?(^^;
30分が経過し、ようやく "息子方式" で、当日予約ができるお弁当屋さんを見つけ、無事注文することができた。
あとは、現地でお酒を調達するだけだ。
ふ〜〜、とにもかくにも事前に鵜飼の流れを把握していなかった私が悪い。
なんとなく遠くの方から「やっぱり甘いのよね」という女子2号の言葉が聞こえたような気がする。

IMG_3127.jpegホテルは、鵜飼乗り場の真ん前にある「十八楼」。
チェックイン時間よりも、だいぶ早く着いたので、ホテルの駐車場に車を置いて、近場を散策することにした。

IMG_3151.jpeg長良川。
ここで鵜飼が行われるってことは、この川の中にはアユがたくさん泳いでいる…ってことになる。

IMG_3131.jpeg河岸に係留されていた鵜匠が乗る船(鵜舟)。
全長は13メートル。想像していたより全長は長く、幅は狭い。

IMG_3146.jpeg長良川うかいミュージアム」で歴史や鵜匠が身につける装束など見学。

IMG_3150.jpeg町にあるマンホールの蓋も鵜飼仕様。

IMG_3154.jpeg川原町の辺りを流れている川。
散歩していて楽しい。

チェックインできる時間になったので車から荷物を背負ってホテルに向かうと、入り口でホテルのスタッフに話しかけられた。
「金華山に登ったんですか?」
「いや登ってないですよぉ。ちなみにどれくらいで登れるんですか?」
「いろいろコースはあるけど、1時間くらいですかね。」
岐阜城(昔の稲葉山城)は金華山の山頂にある。
すごい場所に城を作ったものである。
ちなみに、この城は織田信長が攻め落とし、この地を天下統一の本拠地とした上で地名を「岐阜」に改めた。
そして、このホテルマンとの何気ない会話が2日後の私の行動を左右することになる。

IMG_3221.jpegロビーで部屋の案内係の人を待つ間、フリードリンクコーナーにあった赤ワインをいただく。

IMG_3159.jpeg部屋からは、長良川が見渡せた。
民宿やキャンプにはトント興味がないカミさんも、部屋に満足している様子である。

IMG_3162.jpegIMG_3163.jpeg乗船の前に鵜飼の説明があるので、ホテルの売店で酒を買い出ししてから外に出た。
ホテルの前はこんな雰囲気。

IMG_3167.jpeg乗り場へ向かう。
平日にも関わらず、たくさんの人がいる。

鵜匠による説明が始まった。
鵜匠が身につける装束には全て意味がある。

息子が仕出しのお弁当を受け取ってから乗船。
我々の向かいには、女性3人組がいた。
これから2時間近く何も話さないのもナンなので、弁当を広げながら話しかけてみた。
「どっちの弁当が美味しそうか弁当対決ですね」
「ですねぇ」

IMG_3179.jpeg弁当対決は、女性チームの勝ちっぽい。
「どちらから来られたんですか?」
「あっ地元です。私とこの人は2回目で、もう一人は初めてです。」
話を聞くと、月に1回美味しいものを食べに行く集まりをしているらしい。
「岐阜って何が美味しいんですか?」
「冷やしたぬき蕎麦です!!(キッパリ)」
「えっ?冷やしたぬき蕎麦?」
どうやらめちゃくちゃ美味い冷やしたぬき蕎麦を食わせてくれる店があるらしい。
息子がスマホを操り、速攻で店の情報を引き出した。
「それと、モーニングがすごいです。"えじそん" なんてこんなパンがお土産でもらえるんですよ。」
またもや情報検索係と化した息子が、すぐさま仕事をこなした。
「これですか?」
「そおそお、これです。」
そこにはお土産でもらえる食パン一斤が表示されていた

とても気さくな人達との楽しい会話で、あっという間に時間が経った。
そして、この女性3人組との何気ない会話が2日後の私の行動を左右することになる。

IMG_3190.jpeg鵜飼が始まった。
満喫!
鵜飼が見れるのは長良川だけじゃないみたいだけど、どうせ見るならココで見た方がいい。
長良川鵜飼、お勧めです。