進めない海 〜諸磯から黒崎の鼻〜
11月22日 水曜日、一年ぶりの諸磯。
駐車場に車を停め、料金を払いに民宿の扉を開けると、いつものおかみさんが出てきた。
「今日は天気がいいわねぇ。ここ最近は天気よくなかったから、今日は魚が釣ってぇ〜って言ってるよ。」
いつも、釣り人に間違われる。
カヤックを組み立てる前に、コーヒーを片手に小さな港まで行き深呼吸。
澄んだ海を眺めながら、のんびりした空気を体いっぱいに吸い込んで気持ちがいい。
今日は、荒崎まで行って昼飯を食べて帰ってくる予定。
民宿の駐車場の隅っこでカヤックを組み立て、パックカートでコロコロしながら入江の入り口まで行くと、コロナ以降ずっと閉鎖していた駐車場が再開していた。
これからは、福祉センターにやってくる人も助かるだろう。
リジットカヤックをカートップして来る人にとっては、こっちの駐車場が断然便利。
10時8分に出艇。
バウデッキ先端のカラーフィルムが剥がれているのが気になるけど、今日は海が澄んでいて気持ちがいい。
釣り人を避けながら北上する。
荒井浜の辺りはこんな感じ。
綺麗すぎて、先に進めない。
ここから離れたくない。
しばし漂った後、ゆったりと前進。
少し進むとこんな感じ。
なんとも言えない青緑の光がユラユラとカヤックを包み込んで輝いている。
先に進めない。
超スローなパドリングで、小網代の入り口にあるパンケーキロックまで移動。
ここでも、しばし佇む。
目的地を黒崎の鼻に変更。
黒崎の鼻は、どんよりした曇り空の下で上陸した2019年7月以来である。
⇨海老ヶ浜の赤パンツ
浜では、女性二人が貝殻を探していた。
どんな貝殻が見つかるんだろ?
帰りの海は逆光だったので、スイスイ帰還。
入江の草地にカヤックを引き上げ、まずはスキンを乾燥。
乾いたところで、カラーフィルムの剥がれを補修する。
中から見ると、こんな感じで痛々しい。
補修していない場所でも、カラーフィルムが剥がれそうな場所がいくつもある。
フェザークラフトが事業を閉鎖していなければ、新しいスキンをオーダーしたいけど…それはもう叶わない。
浜には、キノクニシオギクが群生している。
そして、探せばクレソンもある。
17時半からいつもの場所で打ち上げ。
先月のアドベンチャーな海も楽しいけど、進めない海もいい。