姑息な対応 -NTT電話加入権-
久しぶりに昔の映画を観た。
「ユー・ガット・メール -You've Got Mail-」。
観たことある人が多いと思うので、ストーリーの詳細は省くけど、Eメールでやり取りしている二人がインターネットに接続するには、パソコンに繋いだモデムを使ってプロバイダに電話をかけなければならない。
"ピポパポパ…ピーガラガラガラ…ピョンピョンピョンピョン" という例の音で繋げるアレである。
今からたったの20数年前くらいの話なので、時代の進歩は凄まじい。
で昔、プロバイダをしていた私は、NTTとたくさんの電話回線を契約していた。
そのサービスは、円高と大手の参入で超弱小企業の我々では継続することが難しくなり、2006年をもって他社にダイアルアップ会員を譲渡しサービスを終了した。
当然のように、不要になった電話回線は休止し、電話加入権だけが資産で残った。
今後新たに電話を引くことはないので、電話加入権を持っていても意味はない…というか、その頃になると電話を引く時も電話加入権を買う必要がなくなっていた。
当時、1回線当たり72,000円していた電話加入権は価値がなくなってしまい、専用線やINS1500などの特殊な加入権を除き二束三文で売却した。
ところが、ある時こんな記事を目にした。
https://web116.jp/shop/a_line/cancel.html
このページの中に書いてあるコノ部分
-----
※【利用休止の期間】
・利用休止の取扱期間は5年間です。
※【利用休止が5年を経過した場合の取扱い等】
・5年単位で利用休止の期間を更新できます。
・なお、利用休止期間(5年)を経過しても、利用休止の継続又は再取付のお申し出が無い場合は、更に5年間経過した時点でこの電話の契約は解除されたものとして取り扱われます。
-----
あらためて休止票を見てみた。要は、休止後、5年+自動延長の5年を加えた10年が経過した場合は、権利が消滅する…と書いてある。
よく読んでいなかった自分が悪いとはいえ、休止期限が近づいても、NTTからは利用休止の継続に関する連絡や案内はいっさい来ない。
ちなみに、契約を解約しても電話加入権として払ったお金は返金されるわけではない。
経理上、電話加入権は「資産」とされている。
その資産が、何の連絡もなく "いつの間にか消えている" という状況は納得できない。
もし、これが権利じゃないのなら、「電話加入権」ではなく「施設設置負担金」として徴収すればよかっただけのことである。
NTTの姑息な対応は、まるで電話加入権を支払った人達が電話加入権のことなど忘れ、この世からいなくなればしめたもの…と考えているように思える。