表彰台への準備 〜筑波サーキット〜

2024年が終わる前に、来年のレースについて打ち合わせをすることになった。
場所は筑波サーキット近くにあるチームのガレージ。
6月のレースで一緒に走ったFさんが「ELISE SUPER TEC」の最終戦が11月24日に出るので、応援がてらその日に行くことにした。

私はチーム関係者ではないので、サーキットに入るには観戦チケットを買わなければならない。
え〜とっ…チケットってどこで買えばいいの?
考えてみたら、私はずっとエントラント側だったので、レースのチケットを買ったことがなく、筑波サーキットのチケット売り場がどこにあるのかすらわからない。
メインゲートの辺りにあるんだろうか?(^^;

(あとがき:2024.12.8)
4輪レースのチケット売り場/入場ゲートは最終コーナー近くの南ゲートらしい。
入場ゲート&場内案内

IMG_7221.jpg調べてみたら、レースの主催者はSCCN(ニッサン・スポーツカー・クラブ)で、ネットで前売り券を販売している。
これなら、当日チケットを買う必要がないので、ネットにアクセスして前売り券をゲット。
しかし、今回のチケットを販売していた「チケットペイ」について不満を一言。
当日券の3,000円に対して、前売券は2,500円にもかかわらず、最後の最後に「システム利用料 330円(税込)」がかかることがわかった。
前売券の2,500円にシステム利用料330円が加わった金額は2,830円で、当日券より170円安いだけ。
ふむ…このバカ高いシステム利用料ってなんだろ?
これはユーザから徴収したらダメだと思うんだけど…。

IMG_7187.jpg11月24日 日曜日、首都高速を走っている。
まずはチームガレージに顔を出す。

7:00 ガレージに到着。
朝の気温は4℃。
車を停めているとENOMOTO氏が出てきたので挨拶。
電話では何度も話していたけど、会うのは6月のレース以来になる。
オフィスでコーヒーをご馳走になりながら、来年の参戦予定を聞いた。
来年は、2月、6月、8月の耐久レースに参戦する予定らしい。
「2月の富士走る?」
「2月は寒そうですねぇ 暑いのと寒いのどっちがいい?って聞かれたら絶対に寒い方がいいけど…(^^;」
「そうだねぇ雪が降るかもしれないし…。」
実は、自分が富士スピードウェイを走ったのは旧レイアウトの時で、今のコースは走ったことがない。
「Sさんも出るんだけど、チバさんは走るのかなぁって言ってたよ。」
Sさんとは、6月のレースを一緒に走った最年長ドライバーだ。
少し考える。
「寒そうなので、僕は6月の袖ヶ浦に出ます。」
気持ち的には走ってみたいけど、軽自動車のエンジンを使った耐久レースで富士の長いストレートを走ったら眠くなっちゃうかもしれない。
ちなみに、富士のレースには130台くらいエントリーするらしい。
その台数がスタッガードグリッドで並んだら、先頭から最後尾の車両まで900メートル以上の長さになる…ちょっと想像ができない。
話の続きは午後することにして、一旦パドックに行くことにする。

エントラント専用ゲートから、一般入場券を見せながら堂々と入場。
スタッフから「再入場する時は、観戦者用のゲートから入ってくださいね。」…と優しく注意された。
知らないってことは恐ろしい(^^;

パドックへ続くトンネルを抜けて、第一コーナーで予選を見ることにする。
はて?…待てど暮らせどFさんの車が来ない。
予選が終わったのでパドックに行ってみると、ガレージにFさんの車があった。
どうしたの?
「今朝、シフトが壊れてしまいましたぁ。」
聞くと、シフトレバーの根元にある樹脂製のボール部品が割れてしまい、シフトができなくなったとのこと。
「今日はチャンピオンがかかっていたんですよぉ。」
「スペアパーツは?」
「持っていなかったので、さっき部品屋さんに注文しました。今こっちに向かっていて13時ころに届く予定です。」
「それだと第1レースに間に合わないじゃん。」
今日は、午前と午後で2回のレースがあり、第1レースに出れなかったらチャンピオンは限りなく遠のく。
Fさんは、すでに諦めモードだけど、昔から諦めの悪い私はどうにも諦められない。
近くにいたメカニックに聞いてみる。
「パーツが手に入ったらどれくらいで交換できるの?」
「30分くらいですかねぇ。」
「じゃ、パーツを探そう。」

IMG_7190.jpegメカニックによると、このパーツをスペアで持っている可能性は低いらしい。
ならば、同じ車からそのパーツを借りるしかない。
パドックを眺めると…1台あった。
ダメ元で聞いてみることにした。
「あの〜この車のオーナーさんはどちらにいますでしょうか?」
「あっ近くにいるので呼んできますね。」
オーナーさんがやってきた。
「あの〜変なお願いをしちゃうんですがぁ…この車のシフトノブをお借りするわけにはいかないでしょうかぁ?」
オーナーさんがキョトンとしている。
「実は、今日のレースでチャンピオンがかかっている車のシフトノブが壊れてしまって…。」
やっと話の内容を理解してくれたオーナーさんから嬉しい一言が…
「あっいいですよぉ、お役に立てるのであればぁ。」
「ありがとうございます!!」
メカニックに来てもらい、この車のパーツが使えるか確認してもらう。
「あ〜〜、タイプが違いますねぇ。」
残念!!

ダメ元で、他のチームに聞いてみる。
同じレースに出ているチームはみんな仲間なので、もし持ってたら嫌だとは言わないはず…たぶん。
Fさんとメカニックが他のチームに聞きに行くと…。
パーツを持っているチームがあった!!
交渉して、パーツをゲット!!
すぐにメカニックが交換作業に取り掛かった。
これで、第1レースには出られそうだけど、予選を走っていないのでグリッドは最後尾。
しかしレースは何が起こるかわからない。
とりあえず走っていれば、ポイントの可能性はある。

IMG_7192_20241124.jpg取り付け完了。
メカニックさん、ご苦労さま!
Fさんが主催者に出走の嘆願に行き、無事許可をもらった。

最後尾スタートの第1レースの結果は、残念ながらクラス4位。
6周目に起こった他車のクラッシュでレースが赤旗終了しなければ、2位か3位でポイントが取れたかもしれない。
※第1レースの順位でスタートした第2レースはクラス3位。チャンピオンは逃したけどシリーズ3位。

IMG_7198.jpgIMG_7194.jpg午後は、ガレージで打ち合わせ(雑談)。
今作ってしているのは、某会員制の倶楽部から依頼されたライト・フォーミュラ(改)。

IMG_7199.jpgIMG_7200.jpg作業テーブルの上には、ENOMOTO氏の設計図。
この車を一人で作り上げるENOMOTO氏には頭が下がる。

「来年になったら、耐久用マシンのオーバーホールに取りかからないと…。」
「来年2月のレースはいつでしたっけ?」
「え〜っと…2月の8-9日かな。」
「もうあまり時間ないですよ。」
「あっほんとだぁ。」
…ってな感じで、ENOMOTO氏にはっぱをかけて、ガレージを後にした。

IMG_7202_20241124.jpg私は今日家には帰らない。
神栖に泊まって一杯やり、明日は仕事で都内に行く。
ところが!! 順調に走っていた圏央道が突然渋滞…というか1ミリも動かなくなった。
これは、事故車が道を塞いじゃったのかな?
予定よりも、1時間半遅れで宿に到着。
シャワーを浴びてからいざビール…のお楽しみ計画が思いっきり崩れてしまった。
荷物だけ置いて、すぐに今宵の一軒目に向かってホテルを飛び出た。

IMG_7208.jpg一軒目は決めていない。
どの辺りに居酒屋があるかだけ地図で確認し、実際に店構えをみてから(あるいは店のドアを開けてから)店定めをして決める。
居酒屋放浪をすること5軒目で、今宵の一軒目「海月食堂」に入店。
藁焼きのカツオが絶品。

IMG_7219.jpg二軒目はバーにした。
扉を開けたのは「パブリックバーアイランズ平泉」。
マスターは、この場所でバーを開いて20年。

IMG_7220.jpgオーナーは、この店をオープンした同じ頃に創業したアイラ島の「キルホーマン蒸溜所」で自分の樽を購入した。
この樽で寝かされている "彼のウィスキー" は、20年後の来年、ボトル詰めされて彼の手元に届く。

写真のボトルは、"彼の樽" から4本だけボトルに詰めてもらった "2024年の彼のウィスキー"。
そんな話をマスターがニコニコしながら話してくれた。
ただでさえ店のオープンでお金のかかる時に、自分の樽を買うなんて…夢のある話を聞くのはとても楽しい。
ホテルに帰った後は、ラスベガスGPを観戦して床についた。

翌日、今日は都内で撮影の立ち会い。
頭の中では、自宅から行くよりも近いでしょ?!…と思って土地勘のある神栖に宿を取ったけど、よくよく地図を眺めてみると、もの凄く遠回りだった。