アイヌと琉球

2024年12月18日 東京新聞にこのような記事があった。
タイトルとリード文を抜粋する。
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遺骨返還 日本人類学会と日本考古学協会「また謝罪なし」
先住民族の研究倫理指針を巡り、日本人類学会など研究者側とアイヌ・琉球民族が一堂に会す集会が14日、札幌市内であった。
ただ、遺骨を「盗掘」したことへの謝罪はおろか、琉球民族を先住民族と認めない姿勢に研究者との溝は深まるばかり。
世界では先住民族の自己決定権を重視した研究はもはや常識だ。
世界の潮流と真逆の方向へひた走るこの国の「学問の自由」はこれでいいのか。(木原育子)

[先住民族と遺骨問題]
アイヌ民族の遺骨は1880年代から1970年代に研究者が「収集」した。
北海道大など全国12大学と博物館など1800体以上。国は2014年に遺骨返還ガイドラインを示したが難易度が高く、多くは慰霊施設に「集約」されている。
琉球民族も研究者によって遺骨が持ち去られている。
国の要請で倫理指針策定の議論が15年から始まったが、まとまっていない。
©東京新聞
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アイヌ・琉球民族の遺骨「盗掘」 かたくなに謝罪しない学会の言い分 「先住民族」を尊重しない人類学の傲慢

その他関連組織や返還手続ガイドラインのリンクはこちら
日本人類学会
日本考古学協会
個人が特定されたアイヌ遺骨等の返還手続に関するガイドライン

この記事のタイトルにある「謝罪なし」について、日本人類学会と日本考古学協会の言い分を要約すると、こういうことらしい。
「アイヌ民族の遺骨が収集されたのは、自分たちが生まれる前、そして学会ができる前のことである。なので自分たちに責任があるかの如く謝罪するのは納得できない。」
ふむ…なんか、子供の頃から謝ることをしてこなかった政治家、役人、御用学者にありがちな屁理屈である。
この屁理屈は、日本が起こした侵略戦争に置き換えてみも同じことが言えていて、日本は心からの謝罪はしていない。

そして、同じく遺骨を持ち出された琉球民族についても同じことが言える。
日本人類学会と日本考古学協会は、琉球民族を認めていない。
この両学会の言い分というのは、「琉球民族は先住民族ではない。」である。
はぁ〜〜って感じである。

アイヌ民族も琉球民族も、和人によって差別・迫害、侵略された歴史がある。
過去の過ちは心を込めて謝罪し、その上で誠実な対話をしなければ、学会とアイヌ・琉球の両先住民族の人達との溝は、いつまで経っても埋まらない。