自由人との接し方
元旦には家族が集合する。
狭い和室の居間にテーブルを並べ、百貨店から届いたおせちをつまみながら日本酒をやる。
"自由人"こと2才の孫が座るのは誕生日席。
今日が何の日かわかるわけもなく、おせちには目もくれず、好きなバナナやパンを食べている。
⇨自由人
2才児とジイジ(私)は、昨年から仲がいい。
しかし、年に1~2回しか会う機会がない31才の息子とは、目を合わせようとしない。
在宅勤務で人と接する機会が少ない息子にとっては、小さな子と接する機会は皆無。
2才児の思考回路がどうなっているかなど想像もできるわけがなく、苦手度120%の様子である。
食事がひと段落した後は、昨年と同じように私と息子で2才児を連れ出し、近所の公園に散歩に行った。
息子と2才児を仲良くさせたいと思い、息子に2才児の手を繋がせようとしたものの、2才児は嫌がって繋がない。
そのまま公園に到着。
私は芝生の上に寝っ転がり、走りはじめた2才児の面倒を息子に任せることにした。
「え〜〜わたしがぁ?」
と言いながらも、2才児の後について小走りしている。2才児を追いかけてるうちに、2人は公園の端まで行ってしまった。
なかなか戻ってこないので、私は2人をおいて帰ることにした。
自宅に戻り2人をおいてきたことを告げると、娘夫婦がびっくりした。
「え〜〜大丈夫なのぉ?あの2人で…」
2人だけで一緒にいるところが想像できないらしく、心配なので公園まで行ってみるらしい。
ほどなく4人で戻ってきた。
「なにを話してたわけ?」
「何も話してないよ。」
「手を繋いで歩けた?」
「いや…繋ごうとしたけど嫌がられた。」
不思議である。
帰り際、息子が手を伸ばすと、2才児が「オジサン」と言って、息子の手を握った。
私の作戦は成功したらしい。
(あとがき:2025.1.3)
息子が帰る。
送っていくついでに娘夫婦の家に寄り、2才児に会っていくか聞いてみた。
「うんにゃ…お腹いっぱいです。」
どうやら、2人だけでいた数十分で相当気を使ったらしい。