初心忘るべからず 〜諸磯から荒崎〜
「初心忘るべからず」
デジタル大辞泉によると「習い始めのころの謙虚で真剣な気持ちを忘れてはならない。」という意味である。
ちなみに "初心" とは…
- 最初に思い立ったときの純真な気持ち
- 物事の習い始めであること
- 物事に慣れていないこと
とある。
昨年の初漕ぎでは、この "初心" を忘れ、沈スタートをしてしまった。
⇨日常が非日常に変わる時
その後は心を入れ替え、 "初心" を思い出し、そして気を引き締めて海に出るようにしている。
2025年1月2日、ポカポカ陽気予報かつ終日風穏やか予報の今日は、絶好の初漕ぎ日和。
迷うことなく準備を整え、海に向かった。
ただ、向かったのは混んでそうな葉山の海ではなく、静かな諸磯の海。
昨年の4月以降、三浦で漕ぐ時は諸磯〜荒崎ばかりを選んでいる。
なので、今日は初漕ぎではあるけど、森戸神社へは行かない。
2025年版の "水難厄除け" お守りを貰うのは次回以降にお預け。
ポカポカ陽気になるとは言っても、冬なので早朝はまあまあ寒い。
しっかり自宅で朝飯を食べてから出発した。
諸磯到着は、8時半。
海は昨日の風の置き土産で、少しだけウネリが入っていた。
カヤックを組み立てる前に、30分ほど周辺を散歩。
知らない小道を見つけては、歩き回ってしまった。
小さな家でいいので、どれか一棟私に貸してくれる人はいないものだろうか…。
今日も荒崎まで行き、お気に入りの浜で昼飯を食べて帰ってくる。
前回来た時に、草地のガラスはキレイに拾い集めたけど、入江の砂浜にもガラスが沢山落ちている。
私のパドリングシューズの底は薄いので、尖ったガラスを踏んだら最後、一発で靴と足に穴が開いてしまう。
浜全体のガラスを拾い集めるのは時間がかかりそうなので、今度暇な時に掃除だけしに来てみようと思う。
入江から出るとコンビニ袋が浮いていた。
今日も私のカヤックは、ゴミ回収船になるのだろうか?!
いつもと同じように富士山に向かって進むと、ウミウが休息している岩礁がある。
ここにいるウミウは度胸があるのか、こちらが近づいてもなかなか逃げない。
沖まで出てからバウを北に向けると、赤と白に塗られた沖あじろ灯浮標が目に入った。
久しぶりに行ってみることにする。
さっきの場所から3分しか漕いでいないのに海面の様子が変わった。
この辺りは、ゆったりしたウネリが入っている。
沖あじろに到着。
諸磯の岩礁から20分くらい。
海上ブイのメカニズムについては、以前書いたブログが詳しいので、興味のある人は読んでみてください。
⇨駐車場難民から昼飯難民
次の目標は、荒崎沖にある亀城灯台。
なんだかとっても遠くに見える。
ウミウが休憩している亀城灯台に到着。
沖あじろからの距離はたったの3キロ。
ここで進路を東南東にとり、いつもの浜に向かう。![]()
潮の透明度が上がった。
見突き漁をしている漁師さんの周りには、こんな海が広がっている。
上陸して昼飯準備。
予報どおりポカポカで気持ちがいい。
浜の脇にある別荘にはいつも人がいないけど、今日は車が停まっている。
羨ましい…、いない時は私を留守番役で使ってください。
食事が終わりコーヒーを飲んでいると、2人の女性が犬を連れて歩いてきた。
「この先って抜けられますか?」
「あ〜どうなんでしょ?行ったことがないのでわからないです。」
「このカヌーで来たんですか?」
「はい。」
「帰りもカヌーで?」
「はい(^^」
暫くすると2人が戻ってきた。
「この先は、ソレイユの丘に抜けられるみたいです。」
「あっそうなんですね。勉強になりました(^^」
「今日はどこから来たんですか?」
「諸磯ってわかります?ここからは見えないんですが三崎の近くです。」
「へ〜、葉山の方には行かないんですか?」
「最近は行ってないけど、ここからでも行けますよ。」
「あっそうなんですね。勉強になりました(^^」
「その別荘にお泊まりですか?」
「いえいえ違います(^^」
最近は、人が少ない場所でカヤックを漕いでいるので、久しぶりに人と会話したような気がする。
1時間ほど休憩してから出発。
太陽が眩しい。
直立不動のウミサギと、逃げるのに忙しいウミウ。
風景が変わらない黒崎海岸。
これ以上、家ができないことを祈るばかり。
今日は水筒代わりのペットボトルを忘れてしまったので、2リットルのボトルをデッキに挟んでいる。
最近、真夏の海を漕ぐことがないけど、夏の日本海を漕ぐ時なんかは、この量のボトルを挟んでいた方が安心できるかも。
出艇地に帰還。
草地でカヤックを乾かしていると、お父さんに連れられた子供が3人やってきた。
半ズボンと裸足になって海に入っているので、気が気じゃない。
「その辺りガラスが落ちているから気をつけてねぇ。」
お父さんも子供達に注意している。
「これは折りたためるんですか?」
「はい。車のトランクに積んで来てます。」
「どこまで行けるんですか?」
「ん〜〜そうですねぇ、体力次第なんですが40キロくらいですかねぇ。」
「えっそんなに行けるんですか?じゃあここから江ノ島とかは?」
「行けますね(^^」
今日は、1年分話しかけられたような気がする。


