年金のトリック 〜保険料納付額の嘘〜
珍しく結論から言ってしまうと、会社勤めをしていた人の年金定期便に記載されている「保険料納付額」は嘘である。
久しぶりにChatGPTに質問してみた。
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[私]
年金事務所から送付される保険料納付額には、給料から差し引かれた年金額しか表示されていません。実際には会社負担分も払っていますが、なぜその金額は表示されないのでしょうか?
[ChatGPT]
年金事務所から送付される保険料納付額の通知には、通常、被保険者本人が負担した金額(給料から天引きされた分)しか記載されません。これは、次のような理由によります。
1. 本人が直接支払った金額のみ通知されるため
年金保険料は、労使折半(労働者と事業主が半分ずつ負担)されますが、会社が支払った分は直接被保険者の負担ではないため、個人向けの通知には記載されません。
2. 税務処理の観点
通知される納付額は、社会保険料控除など税務申告に関係する金額としても使われます。この控除対象となるのは、あくまで「本人が負担した金額」のみです。会社負担分は個人の所得とは関係ないため、通知に含まれません。
3. 会社が納付手続きを行うため
健康保険・厚生年金保険の保険料は、給与から天引きされた後、会社が従業員の分と会社負担分をまとめて年金事務所に納付します。したがって、会社が納付する総額が個人に通知されることはありません。
会社負担分の確認方法
会社負担分を知りたい場合は、以下の方法で確認できます。
給与明細の「会社負担分」の欄を見る(記載がある場合)
社会保険料率を調べて計算する(厚生労働省や日本年金機構のウェブサイトで確認可能)
会社の人事・総務部に問い合わせる
まとめ
個人向けの保険料納付額通知に会社負担分が含まれないのは、「本人が実際に負担した額のみを通知する」という方針に基づくものです。会社負担分を含めた総額を知りたい場合は、給与明細や社会保険料率を参考にするのが良いでしょう。
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これは、ChatGPTが国に忖度しているわけではなく、ChatGPTは、あくまでも公的に公開されている説明を元に回答してくれているだけである。
「国はこう言っていますが、ほんとはこんなトリックを使って国民を騙そうとしているんだよん。」などとは言ってくれない。
一つ一つナンクセを付けていく。
"1." について
「労使折半(労働者と事業主が半分ずつ負担)…」と聞くと、なんだか会社が労働者に対していいことをしているように思ってしまうけど、会社は社会保険料の会社負担分も含めて人件費だと思っている。(経費計上する勘定科目は別になるけど…)
なので、"労使折半" なんだから、会社負担分も含めて労働者が払った保険料になるはずだ。
であれば、「会社が支払った分は直接被保険者の負担ではないため、個人向けの通知には記載されません。」と言うのはおかしい、会社が支払った分も含め「保険料納付額」とするべきである。
"2." について
「会社負担分は個人の所得とは関係ないため…」とあるけど、それを言うなら給与から差し引かれる労働者負担分も含め、社会保険料として会社が納付すればいいだけの話である。
給与から控除するのは、所得税と住民税だけでいい。
"3." について
「会社が納付する総額が個人に通知されることはありません。」とあるけど、給与明細に別枠を設け、会社が納付した保険料の総額を記載すればいいだけの話しだと思う。
よって、その後に書いてある「会社負担分の確認方法」はナンセンス。
私の結論…
労働者が納付した社会保険料は給与明細に記載されている金額のほぼ倍である。
よって、年金定期便に記載されている「保険料納付額」のほぼ倍の金額が、労働者の労働に対する対価として納付した総額である。
ところが、貰える年金の計算は、給与明細に記載された「厚生年金保険料」を元に年金が計算されている。
[参考]
会社員が貰える「老齢基礎年金(国民年金)」と「老齢厚生年金(会社員・公務員が加入)」の計算方法
- 老齢基礎年金
満額(800,200円)×480(40年)納付月数
- 老齢厚生年金
年金額=Σ(各年の平均標準報酬額×乗率×12か月)
乗率(平成15年4月以降):0.005481(報酬額が月額30万円なら約1.97万円/年)※賞与も計算に含まれる
国の計算例)
賞与込みの平均月収:30万円(年収360万円)
厚生年金加入期間:40年
の場合、
老齢基礎年金 800,200円(満額)
老齢厚生年金 300,000円×0.005481×480=789,158円
合計年金額:
800,200円+789,158円=1,589,358円(年間)
⇨ 月額 約132,446円
私の計算例)
年金定期便に記載された金額のほぼ倍の金額を納付しているので、これくらいの年金になるはず。
800,200円+(789,158円x2)=2,378,5168円(年間)
⇨ 月額 約198,209円
会社が負担した社会保険料 (年金保険料) は、どこに消えているんだろうか?