ウミガメの住処 伊豆2日目〜千貫門から松崎〜
2日目。
いつものように4時に目が覚めた。
人間の体内時計というか生活リズムというのはほんとに不思議で、夜更かしをした時以外は、ほぼ同じ時間に目がさめる。
夜中、テントの外を歩く人の足音が聞こえた。
暗い中をここまで歩いて来るのはとても危ないと思うけど、釣り人はいつでもどこでもモチベーションが高い。
ちなみに、ここに通じる遊歩道は、昨年の7月まで通行止めになっていた。
そして、通行止めが解除された今でも、こんな状態である。
⇨西伊豆の絶景「千貫門」と遊歩道の現状
実際、昨夜はひっきりなしに落石の音が聞こえていた。テントのファスナーを開け外に出ると、千貫門の傍に満月が輝いていた。
太陽が月を照らし、その光がこの場所に届いて海面に月明かりを写している…光って不思議だなって思う。インスタントコーヒーを入れて飲んでいると、ハマちゃんが起きてきた。
昨日貰った夏みかん (はっさく?) を切って、半分づつ食べた。
私は、昨日の鍋の残りを温めて朝飯にし、ハマちゃんは五島うどんを作っている。
茹でたうどんを網に入れて水で晒して、ざるに盛りつけた。
ふむ…昨日のトルコ珈琲といい、電車遠征なのにいつも手を抜かないハマちゃんはすごい。

カヤックを運んでパッキング。
潮位が上がり、陸上でパッキングできるのが嬉しい。
ハマちゃんに見送られながら出艇したものの、フットブレイスが荷物の上に乗っかってしまっていた。
静かな海なので、フットブレイスを踏まなくても行けるけど、こういう時に横着するとロクな事がない。
一旦カヤックから降りて、フットブレイスを正しい位置に戻した。あらためて出発。
玄関の中では、あっちこっちでコウモリの糞爆弾が落ちている。
どうか私に当たりませんよ〜に…。時間に余裕があるので、昨日とは打って変わって穏やかな玄関口を通って勝手口に回った。
そして、頭がぶつかりそうなくらい低い勝手口を潜り抜けた。寄り道をしながらのんびり帰る。
入れそうに見えたこの海食洞は、奥が行き止まりだった。烏帽子山の手前には一つの岩山があり、烏帽子山との間に狭い水路がある。
私は何度か通った事があるが、水深が浅い。
今回もウネリのタイミングに合わせて通過した。大好きな烏帽子山の下を行く。
海が荒れてる時に千貫門へ行こうとは思わないので、いつもは平和に通過するけど、一度だけ…2019年11月の帰り道はウィスパーのフレームを心配しながら通過した事がある。
ハマちゃんも一度怖い思いをした事があるらしい。岩池の辺りでは、昨日見かけたウミガメと再び会うことができた。
カヤックを停止させカメラを構えると、潜って消えてしまった。
ふと左側を見ると、顔が浮かんだ。
海中で見るウミガメはゆったり海藻をついばんでいるけど、意外に泳ぐのが早いのかもしれない。
少しの間、カヤックと並走して泳いでくれた。この綺麗な海ともお別れ。
ハマちゃんも小浦に向けて出発しただろうか…定置網の浮子はカモメ達の休憩場所。
その中で一羽だけサギがいた。
サギは、立ち姿も飛んでいる姿もほんとに美しい。そしていつも一羽でいる。
鳥には、サギのようにいつも一羽でいる鳥と、カモのようにいつもつがいでいる鳥、そしてハトのようにいつも群れでいる鳥がいる。
人間も同じで、いつも一人、いつも二人 (夫婦)、いつも友達だったりする。
先日、高校時代の部活友達と飲む機会があったけど、私以外の全員が一人でお酒を飲んだり一人で旅行した事がないと言っていた。
そして、信じられないと言っている私の顔を見る全員が私を不思議そうに見ていた。
ちなみに、私が好きなウミウは、休んでいる時は群れでいて、餌 (小魚)を獲っている時は一羽でいる。松崎での撤収が完了し車のエンジンをかけた時、小浦で撤収中のハマちゃんから連絡があった。
お互い無事に帰還できてなにより!! そして、今回もありがとうございました!!
(あとがき:2025.6.3)
松崎町のフォトライブラリに素敵な写真がありました。
掲載フリーとのことなので紹介します。