上高地の代わり 〜草津〜
今年4月、珍しく我が家の主人からこんな一言があった。
「上高地っていいとこらしいよね。行ってみたい。」
どうやら、上高地を紹介していたテレビを見たらしい。
まぁ、"行きたい" とは言っても涸沢や穂高に行きたいってことではなく、"河童橋の辺りを散策して、綺麗な景色を見て美味しいものを食べたい"…という希望である。
ポイント獲得のチャンス。
二つ返事で「いいよ」と返事をした。
息子も誘って、3人で行くことになった。
上高地に行くなら、山に雪が被っている7月頃がいい。
問題なのは、"美味しいものを食べたい" という希望である。
そもそも私が山に行く際、"美味しいお酒が飲みたい" と思うことはあっても、"美味しいものを食べたい" と思うことはない。
そして、言葉には出ていないけど、主人は "お風呂に入れること" が前提で話をしている。
そうなると…ポイント稼ぎ的には、徳沢辺りの宿が候補にあがる。主人と息子の休みが合う日を聞くと、7月に空室は無し。
さすが人気の宿である。
宿に空きがあるのは9月4日…主人と息子が休みを調整し、その日の予約を取った。
一泊二食付で、一人税込19,800円。
貧乏暇なし的な私には、超高級なお宿…ってことになるけど、2人に合わせることにした。
そして、9月4日がやってくる。
数日前からチェックしていた天気は、台風15号の接近で関東甲信越地方はどこでも雨。
この天気で、上高地に行っても "綺麗な景色" を見ることはできない。
とは言っても、休みを取って行く気満々の2人は、私が代わりの場所を提案するのを待っている。
草津にした。
9月4日、草津に向かっている。
まだ雨は降っていないけど、いつ降り出してもおかしくない。
昼飯は、渋川伊香保インターの近くにある蕎麦屋「そば処やまさき」で冷やしたぬき蕎麦。
主人と息子が何を食べたかたは覚えていない。
草津温泉にある今宵の宿「ぬ志勇旅館」に到着後は、周辺を散策。
湯畑から湯滝通りに入り、少し行ったところに酒屋があったので、速攻で部屋飲み用のお酒を購入。
その後は白根神社へ。
湯畑の周りは人が多いけど、ここは静か。
一旦宿へ帰り、私はお風呂へ。
主人と息子は、再び外に出かけ1時間も戻ってこなかった。
戻って来ると、何やらお土産が入った袋を沢山抱えている。
まるで、お土産を買う為に旅行に来ているようで、私には理解不能。
夕飯。
夕飯の後は、夜の湯畑を散策。
雨は降っているけど、思ったよりも小降りである。
草津は若い人が多い。
私が若い時は、スキーなどで温泉地に行くことはあっても、ただ観光だけで温泉地へ行くことはなかった。
最近の若い人は、オバサン・オジサン化している?
それとも若いうちから旅の楽しみ方をわかっているのだろうか…。
そおいえば、熱海なんかも若い人が多いと聞く。
「なぜ草津なんですか?」「なぜ熱海なんですか?」と聞いてみたい。
散策後にもう一度お風呂に入り、昼間に買ったお酒をチビチビやっていると、息子がお土産の袋を開けて、つまみを提供してくれた。
なかなか気前がいい。
翌朝は、一番で朝風呂。
草津の街は雨で霞んでいる。
朝飯。
帰りの高速は、ところどころでバケツをひっくり返したような土砂降りになったものの、事故や渋滞もなく順調に帰宅。
やれやれホッピーを飲んでいると、主人がお土産の袋を開けて、つまみを提供してくれた。
なかなか気前がいい。


