お気に入り動画 Vol.7 〜グランプリの世界〜

youtubeで素晴らしいチャンネルを見つけた!
今回はカヤック関係の動画ではなく、レース関係の動画を3本紹介します。
それぞれの音楽も素晴らしくて、まるで映画を観ているみたい。


レースをよく知らなくても、映画「RUSH」を観た人は、グランプリの世界を少しは味わえた事と思う。
この「Grand Prix - The Golden Era」は、正にグランプリの世界そのもの。

昔のF1は「走る棺桶」と言われていた。
この動画に登場するドライバー達の多くも、レースで命を落としている。
もし現代のF1ドライバーが、昔のマシンで今の様なレースをしたら、シーズン終了までに半数が死んでしまうだろう。

スミス製メーターの独特な動き、そして画面からはオイルの焼ける匂いがしてくる。
レーシングドライバーが英雄だった時代だ。


レーシングドライバーがマシンに乗り込むまでの様子は、一般の観客はあまり目にする事ができない。
幸運にもグランドスタンドのチケットを手に入れることができた一部の人だけが、グリッドでの様子を見ることができる。

耐火アンダーウェアの上からトリプルレイヤーのレーシングスーツに袖を通し、レーシングシューズの紐を慎重に結わく。
ヘルメットを被ってからマシンに乗るのか、乗ってから被るのか、マシンの右側から乗るのか左側からなのか、レーシングスローブはどちらの手から着けるのか…たぶん、ドライバーそれぞれに決まった手順があるに違いない。
その一つ一つの手順を進める毎に、ドライバーは俗世界から離れてゆく。

マシンに乗り込み、6点式のベルトで体をシートに固定する。
カウントダウンの進行に合わせて、一人また一人とマシンから離れてゆき、フォーメーション開始1分前でエンジンが始動されると同時に、全てのスタッフとメカニックがグリッドからいなくなる。
そして、一人孤独な世界になる。
エンジンがかかっているのに、音の無い世界にいるような感じがするのも、この時だ。


モンテカルロのトンネルから始まるこの動画は、レーシングドライバーの勇気と狂気をこれでもかと見せてくれる。

現代のマシンと違い、昔のマシンにセミオートマチックのトランスミッションは付いておらず、3つのペダルとシフトレバーを操作してギアチェンジをしていた。
モンテカルロでのギアチェンジは、1レースで4000回以上。レースが終わると手の皮が剥けていることもざらだった。

途中アイルトンが母国ブラジルグランプリで表彰台に上がるシーンがあるが、レースで全ての体力を使い切ったアイルトンに国旗を掲げる力は残っていなかった。
苦痛な表情を浮かべながら手を上に持ち上げる姿に感動する。

現在、いくつかのチームには女性のテストドライバーが登録されている。
しかし、ことF1に関しては男が戦う場所という気がするのは私だけだろうか。


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