2回目の湘南 〜大磯から真鶴〜

5月10日 快晴の日曜日。
4月26日の続きをする為、大磯の照ヶ崎海岸にやって来た。
エボシ岩が遠くに見える 〜逗子から大磯〜
今日は、真鶴の琴ヶ浜まで行く(つもり)。

前日まで始発の電車で向かおうと思っていたものの、寝る間際になって "おじいちゃん根性" が現れ、娘の車をレンタルして久しぶりに車移動。
自宅から最寄り駅までの1キロを、カヤックを引っぱらなくていいので、とっても楽チン。

大磯 照ヶ崎

7時に組立てが終わり、満潮の波打ち際までカヤックを運ぶ際、階段の上から声をかけられた。

「今日はどこまで行くんですかあ?」
「真鶴までです。」
  :
  :ちょっと間があり…
  :
「えっ、遠くないですかあ?」
「30キロくらいなので、ちょっと遠いですかね(^^」

今日も夏のように暑い。
海に浮かぶと、2週間前にはいなかったミズクラゲの赤ちゃんが沢山いた。
目的地は霞の中。

大磯ロングビーチ

ベタ凪ぎの海を順調に西へ進むと、ほどなく大磯ロングビーチが見えてきた。
富士山も微かに見えてとりあえず気分よし!

二宮 SUPフィッシング

二宮辺りの海岸では、数艇のフィッシングカヤックが獲物を探していた。
ふと見ると、釣り竿を持ったSUPの人が膝をついて漕ぎ出して来る。

「釣れます?」
「まあまあ釣れますよっ」

と言い残して、沖に向かっていった。
これは手軽!
このスタイルは、これからもっと増えるような気がする。

西湘バイパス

海から西湘バイパスを見るのは、今回が最初で最後かもしれない。
海岸の浸食が進んでいったら、そのうち崩れてしまいそうな道路がずっと続いている。

国府津の手前辺りから、じょじょに南からの波が多くなり、ピッチを早めて左舷にぶつかってくるようになった。
岸沿いではあまり風を感じないけど、たぶん沖では吹いているもよう。

小田原小田原上陸する場所もなく、波風が強くなったら海上でも食べるのが難しくなるので、今のうちに少し食べておくことにした。
ちょうどよく海藻が海面を覆い尽くしている場所があったので、ここで休憩することにする。
こういう場所は、海藻が波を吸収してくれる。

バウを沖側に向け、シーソックをめくってシートのあたりに置いておいた食料が入った防水バッグを取り出した。
今日のルートは無上陸もあり得るので、海上でも食べやすように全て菓子パンを持ってきている。

食べてる間に、カヤックがどんどん岸側に流されるくらい、風が上がってきている。

早川海藻の海での休憩が終わり、少し先に進んだ所に波の少ない場所があったので上陸した。
11時だけど、ここでしっかり昼飯を食べてしまうことにする。

ここまでで工程の約2/3の所まで来ているし、真鶴半島も視認できる。
この先はすぐに早川港があり、その先は真鶴までほぼ真南に向かって漕いでいくことになるため向かい風にはなるけど、この場所で感じる風はそれほどでもない。
13時半には到着できそうな気がする。

早川港しっかり休憩してから出発。
すぐに早川港。
なんだか、南風が強く感じる。

P5100027.jpgバウが南を向いた。
けっこうな向かい風で速度が出ず、横の風景が変わらない。

P5100029.jpg常時6〜8メートル、ブロウで10メートルくらいの向い風の中をカメのようなスピードで進む。
たまらず、根府川の手前にある小さな岩礁を風よけにして、しばし休憩。
12時20分。
真鶴の琴ヶ浜までは、残り7キロちょっと。
ふむ…とても13時半までには着かない。

江ノ浦港12時50分、江ノ浦港を通過。

真鶴半島正面に真鶴の三ツ石が見える。
肩と肘を痛めないように、いつもより体全体を使って漕いで行く。
ふ〜〜腹筋が鍛えられそう。

真鶴半島真鶴半島の付け根。
この岩礁を抜けると、ゴールの琴ヶ浜が見えるはず。
風やんだ?

真鶴 琴ヶ浜真鶴 琴ヶ浜14時20分、琴ヶ浜に到着。
頑張りました!

P5100041.jpg丸石で足を滑らせないよう慎重にカヤックを引き上げ、ラッキーストライクに火をつけて一息ついていると、隣りにいたオヤジ二人組の辺りからいい匂いがしてきた。
見るとサザエを焼いている。

「あ〜〜風下に座っちゃったからいい匂いがしてきた〜〜」

と聞こえるように言ってみた。

「よかったらこれどうですか?」
「え?そんな貴重なものをもらっちゃっていいんですか?」
「俺たちはさんざん食べたので、遠慮なくどうぞ。」

そう話しながら、私はオヤジ二人組の前に置かれた炭火台の前に腰を下ろし、いつでも恵んでもらえる体制をとった。

トコブシとサザエをいただく!
美味い!

「美味そうに食べますね〜」
「最高です!ありがとうございます!」
「美味そうに食べてもらえるだけで、こっちは満足ですから。この前なんか、5〜6人で来てた若者達に "サザエいる?" って聞いたら "ハイ" って言うもんだから、何個かあげたわけ。そしたら、焼くだけでまったく食べなかったんだよね〜」
「食べられないんだったら貰わなきゃいいのに。」

優しくて気前のいいオヤジ二人組は、小田原から時々ここに来て一杯飲んでいるらしい。
二人共、奥さんは一緒に遊んでくれない…と言いながら残念がっていない。
我が家と同じ感じで、なんとなく親近感がわく。

里地さて、バスと電車を乗り継いで帰ることにしよう。
久しぶりのバスに乗り込むと、通路が狭く乗客もそこそこ乗っていて、乗車口兼降車口の近くで身動きが取れなくなってしまった。
これじゃあ降りる人に迷惑だなっと思って、カヤックのバッグを空いていた座席に乗せた。
すると、運転手さんが一言…

「座席に乗せると、手荷物料金がかかるので乗せないでください。」

へ?そうなの?
自分は立っているから一人分の席しか占有していないけど、それでもダメなんだ?
ふむ…箱根登山バスはちょっとカヤッカーに厳しい。


さて、今回のルートを漕ぎきったことで、三浦海岸から伊豆半島の西の付け根(西浦)まで、5キロを残して繋がった。
その5キロとは、須崎半島の最南端から田牛(とうじ)の間。
さて、バスに乗らずにやっつける方法はないものか…。

map_20150510.jpg