30年ぶりのフォーミュラ 〜袖ヶ浦フォレストレースウェイ〜
遥か昔、私は海とはなんにも関係のない場所にある "輪っかになった道" をくるくる走り回る戦いをしていた。
⇨FRD MF83J
⇨三菱 ミラージュ サイボーグ
それから30年経った2014年の秋、FRDに搭載されたエンジンのメンテナンスをお願いしていたガレージの所長から突然連絡があった。
「少し前から軽自動車のエンジンを載せた小さなフォーミュラを作っているんだけど、今度乗ってみない?」
「いいですね〜!乗ります乗ります!」
所長はとっくに赤いチャンチャンコを着ているし、私ももうすぐ着ることになる。
そんな、どこから見てもいいオヤジ二人なのに、話している口調が30年前と同じなのが面白い。
ところが、私は9月に手首を骨折してしまい、予定していたテストドライブは延期されていた。
その後何度か連絡を取り合い、5月13日の走行会に行くことになった。
前日、家のあっちこっちの物入れにちらばっていた昔の道具達をかき集め、忘れ物がないかチェック。
スーツやヘルメットの有効期限はとっくの昔に切れているけど、レースに出る訳じゃないので大丈夫。
それよりもスーツは着れるんだろうか?
着てみた…
昔よりも窮屈な感じはするけど、とりあえず大丈夫。
千葉県袖ケ浦にある「袖ケ浦フォレストレースウェイ」にやって来た。
アクアラインを通って自宅から1時間で到着。
なんともまあ近い!
このサーキットには初めて来た…というか、そもそもサーキットに来ること自体が7年ぶりなので、久しぶりにワクワクする。
⇨スーパーGT第3戦〜富士〜
昔は、メジャーなサーキット以外のコースは "ちゃんとしていない" 所が多かったけど、ここは設備も綺麗で "ちゃんと" している。
コースもアップダウンがあり、複合コーナーがうまくレイアウトされていて、なんだか難しそう。
聞いてみたら、オーナーは中村正三郎さんという方で、自らもドライバーとして日本の自動車レース創設時に活躍されていた。
そればかりか、政治家として環境庁長官や法務大臣もやり、JAFの改革にも尽力されたらしい。
なんだか波瀾万丈の人生を歩んでいる人だ。
これは、ガレージの所長がマシンをトランスポーターから降ろしているところ。
なんと4トンのトラックに4台のマシンを積んでいた。
これが、今日試乗するマシン。
事前に写真を見ていたけど、すごくコンパクトで、なんかチョロQみたい。
細部の作りは、パイプフレームを組んだFJ1600の小型版の様な感じでレーシングカーそのもの。
シフトレバーは左側で違和感があるけど、注文時に右側に変更してもらうこともできるらしい。
タイヤは市販のラジアルなので、グリップ力は期待できない。
ブレーキパッドもノーマル。
今日の走行予定は、午前中がパドックにパイロンを立てて特設のコースを作り習熟走行。
午後に30分×2回の本コース走行。
私は、このサーキットのライセンスを持っていないので、残念ながら本コースは走れない。
本日参加しているドライバーは私以外に3人。
みんな1年前くらいから乗っているらしい。
なんだか、10代の頃に遊んでいたレーシングカートの時のような感じで、ピリピリした雰囲気はまったくなく、和気あいあいとしていて楽しい。
3台のマシンは微妙に仕様が違うので、全てのマシンに乗って比較してみた。
気に入ったのはロングホイールベース仕様で、一番ショックの固いマシン。
シフトパターンも他の2台とは違い、遊びが少ないので入れやすかった。
「僕はこれが好き。」
と話したら、どうもそれが量産仕様のマシンだったみたい。
参加していたドライバーの本コース走行中の一コマ。
本コースでの走行も終わり、マシンや道具を片付けた後で、遅い昼食をみんなで食べた。
ここのサロンも綺麗で快適。
所長、ありがとうございました!
本コースは走れなかったけど、30年ぶりのフォーミュラ楽しめました。
(あとがき:2015-5-14)
筋肉痛。