8キロの壁 〜安富祖撤退〜

6月6日 土曜日。
昨日のデジャブーのように、幸喜ビーチでカヤックを組み立てた。
天気はまさかの晴れ!
風もなし。
ん〜…普段の行いがいいのか、怖いくらいの能力である。
今日は西海岸を南に向い、適当な場所に上陸して撤収する。

部瀬名の海中展望塔の辺りまで来ると、ドンヨリとした天気に変わってしまった。
ウネリも入っている。
この辺りは水深が浅いので、すぐに波が立つ。
数年前に雨の中を出艇し、この場所で引き返した事があったけど、その日の事が思い出された。
⇨まさかのボジョレー、そして雨の名護

部瀬名岬を越えると、沖縄らしいグリーンの海が広がっているはずなのに…今日はまったくダメ。
以前同じルートを漕いだ時と印象が違いすぎて、なんだか感動がない。
⇨沖縄西海岸を行く 〜幸喜ビーチからタイガービーチ〜


テンションが上がらないまま漕いでいくと、真っ黒な雲が上空を被ってしまい、なんだか薄暗くなってきた。
かりゆしビーチリゾートの近くでは、マリンアトラクション「フライボード」をやっている人達がいる。
しかし、キャーキャーという楽し気な声とは裏腹に、あまり楽しそうに見えないのは気のせいだろうか。
そして名喜間の辺りまでくると、予想していなかった風も出て来たので、いったん上陸して様子を見ることにした。

小さな浜に上陸。
アダンの実がなっている。
一見スナックパインの様に見えるけど、こいつは食べられない。
雨が降ってきた。
それにしてもおかしい。
今日は風が吹かない予報なのに、そこそこの風が吹いていて、この浜の波打ち際もザワザワしてきた。
幸い、先ほどの黒い雨雲は通り過ぎ明るくなってきたので、とりあえず予報を信じて先に進むことにする。
ただ、雨は止みそうにないので、屋根のある場所で撤収したいと思い、恩納海浜公園ナビービーチに電話を入れて、上陸の許可をもらった。
カヤックに乗り込んだ後で、何気なくエアースポンソンを確認してみたら、すこしベコベコしている。
以前、こんな状態で漕いで三浦でひっくり返った事があったので、面倒とは思いながらも岸に戻って、エアーを入れ直した。
岬の先端に向う。
なぜか北からの風が吹き、進む毎に波の高さが増してきた。
岸沿いに進みたいのに、仕方なくじょじょに沖出ししていくと、正面から大きな波がブレークしてきた。
波を頭から被りながらクリアする。
北から押し寄せる波に注意しながら西に進路を取ろうとするもののの、なかなか思うように進むことができない。
波を背にするリスクはあるけど、近くの浜を目指すことにした。