もの言う人達

IMG_2354.jpg 7月15日 水曜日、安保法制が衆議院特別委員会で強行採決された。

居ても立ってもいられず、その日の夜、弟から誘われていた食事を断り、国会前で行なわれていたSEALDsのデモに参加した。
デモに参加したのは始めてだったけど、最寄り駅の国会議事堂前はいたって静か。
そこから歩いて国会議事堂の正面に近づくにつれ、身動きがとれないほどの人垣ができていた。
来ている人は、若者から年配の人まで様々で、連日のデモで声をからした女子学生のシュプレヒコールに合わせて怒りの声をあげている。

世の中には、政治に対して無関心の人が多い。
だから選挙をやっても、半数の人が行かない。
しかしやっと、今まで、なめられっぱなしだった若者達が立ち上がり、声をあげ始めた。
なめられた若者達

SEALDsの奥田君は言う。
「あと30年たったとき、この国は100年間戦争してこなかったって言いたいんですよ!」
彼は、自分の言葉で話せる人だ。


そして同じ日、SEALDs KANSAIのともかさんも、素晴らしいスピーチをしている。
「安倍総理。民主主義が生きている限り、私たちはあなたを権力の座から引きずり下ろす権利がある。私たちは来年、戦後71年目を無事に迎えるでしょう」
スピーチの全文はコチラ



その後2時間ほどデモに参加し帰ろうとしたものの、人が多すぎて国会議事堂前駅には戻れない。
仕方なく桜田門駅に向かうと、次から次に人がやってくる。
後から知った情報によると、この日は6万人が国会前に集まったそうだ。


"強行採決" という言い方をすると、自民党支持者やこの法案に賛成の人達からは、「選挙で多数を占め、多数決で採決しているんだから別に強行じゃないでしょ!」とのお叱りを受ける。
はい。
たしかに民主主義は多数決です。
しかし、だからと言って多くの国民が反対し、声をあげているにも関わらず、急いで採決するというのは、いかがなものでしょう?
それは民主主義に反します。
まして、ほとんどの憲法学者が「違憲」と言っている法案です。
それは立憲主義に反します。


以前、こんな記事を書いた。
憲法ってなんだ?

大事な事なので、もう一度抜粋して書きます。
日本国憲法前文の書出しには、こう書いてある。

「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないやうにする」

日本国憲法は、"戦争をやりたい政府" を許していない。
そして、第9条にはこうも書いてある。

「国の交戦権は、これを認めない。」

安倍内閣だって、この法案が憲法違反だという事はわかっているだろう。
では、なぜその事を偽って急いで法案を通そうとしているのか。

政府はこれまで、「秘密保護法」だったり「武器輸出三原則の撤廃」という外堀を作ってきた。
安保法制は、これまで政府が築いてきた "外堀" の最終段階であり、この法案で自衛隊が国軍になった暁には、政府お得意のこんなセリフが出て来るだろう。

「国をとりまく環境が変わったので、今後は強力な軍備を備える必要があります。」
「国をとりまく環境が変わったので、今後は後方支援以上の貢献をする必要があります。」
「国をとりまく環境が変わったので、憲法を改正したいと思います。」

アメリカは賢い。
日本の官僚が考える一歩も二歩も先の事を考え、"アメリカの国益" の為に日本を使うだろう。

obama-abe.jpg 偏見かもしれないけど、僕は、この様に足を組む人を信用しない。
一国の首相の横で、こんな横柄な態度をとっているのもどうかと思うが、その横で子分よろしく小さくなっている我が国の首相を見ると情けなくなる。